肖像画② | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog


実家には、
亡くなった母が
結婚前に会社の同僚に
描いて貰ったという肖像画が
今も残っている。

母のいない家にまだ母がいるのだ。

60年代のモダニズム的作風。
描いた人が
その後
画家になったとは聞いていない。

子供の頃は
怖くて''鑑賞''出来なかった。
弟と一緒に使っていた
''子供部屋''に飾ってあったので
あれしちゃダメ、
誰々と付き合っちゃダメ、
あそこに行っちゃダメと
否定を躾の基本にしていた母に
監視されているとさえ思っていた。

ニヒルな微笑を
直視出来なかったのだ。

今、じっくりと眺めると
母は悲しいようにも見える。

天皇を崇拝し、
有色人種を蔑視し、
職業や学歴に囚われた
古い価値観を
ことある毎に
僕に非難された母。

それは僕の復讐でもあった訳だが
トラウマから解放された?今、
年老いた母に
何故もっと優しく出来なかったのか
と悔いることもある。

その罪悪感が
印象を変えたのかもしれない。