遂に作詞家デビューか!? | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

 

選曲家、

音楽プロデューサー、

作曲家、

ラジオDJ、

飲食店オーナー、

マネージメント・オフォス代表、

執筆家、

ブロガー、

様々な職業を掛け持つ僕に(スラッシャーって言うんでしたっけ?)

新たな肩書きが加わります。

 

それは、作詞家・・・。

 

11/3のレコードの日に発売される

DJ KAWASAKIプロデュース&作曲の新人、

NAYUTAHの楽曲の歌詞を書いたからです。

 

しかし!

厳密にはデビューではないんです・・・(謝)。

 

実は、

初期Mondo Grossoの「Vibe.P.M,」や「Invisible Man」(ラップは除く)、

For Life Recordsからリリースされた『Kyoto Jazz Massive/V.A.』に収録された

Bahia Sunsetsの「Somewhere Not here」の

英語詩を僕が担当していたんですよね。

 

だから言うなれば、

日本語の作詞家デビュー(苦笑)。

 

それにしても、何故、今、日本語なのか?

 

来年で音楽生活30周年を迎えるぼくですが、

自分でもまさか日本語の歌詞を書くことになるとは

夢にも思っていませんでした。

 

上京し、The Roomを作った26年前、

確かに、

山下達郎の「Dancer」や「Windy Lady」、

笠井紀美子の「Vaiberation」を

オリジナル・ラブの「Let's Go」や

「Wall Flower」なんかと一緒にかけていましたし、

90年代の後半には、

京都時代のお客さんだったUAの「Horiszon」、「情熱」、「リズム」を

大沢君に紹介したCharaの「Jr.Sweet」を

吉澤はじめさんと共にプロデュースを手掛けた

Acoの「揺れる体温」を

Remixもやったしデビュー・ツアーの衣装も作ったbirdの「Souls」を

DJプレイだけでなく、

ラジオ番組でもかけていました。

 

それでも、

日本語の歌詞を

沖野修也の名前で発表するなんてことは、

全く予想もしなかったんです・・・。

 

理由は二つ。

 

一つはDJ KAWASAKIが、

本格的にプロデュースに取り組むボーカリストだったから。

NAYUTAHとはThe Roomで何度も会ってました。

個性的な女の子だなと。

人懐っこいけど、ミステリアスな存在だなと。

そして、川崎が書いて来た曲を聴いて、

彼が所属する事務所の社長として、

作詞を本人が書くのではなく、

作詞家に発注することで、

彼女には歌に専念してもらい、

その作詞家の起用の意外性を、話題にしたいなと考えたんです。

 

それは、

彼女が潜在的に持っている”昭和感みたいなもの”を

炙り出すことでもあったし、

DJのプロデュースを映画監督に喩えることもある僕が、

常々、女優は基本脚本書かないんだから(勿論書く人もいると思いますけど)、

歌手は作詞をプロに頼んで、女優で言う所の演技、

つまり、歌唱にフォーカスした方がいいんじゃないだろうか?

という自分なりの方法論を実践することでもあった訳です。

 

え、なのに何故自分が?

 

ですよね・・・。

大物作詞家に頼むとか、

芥川賞作家に頼むという構想もあったんですよ。

でも、川崎の曲に付いていた仮のタイトルから、

僕の頭の中にはっきりとしたビジョンが浮かび上がったんです。

それが・・・。

 

見知らぬ街

 

作詞:沖野修也

作曲:川崎薫

Edit by Ryuhei The Man

 

街の灯りがこの心を映す

愛の在処は孤独の向こうへと

 

今見知らぬ街へ 

夢を道連れにして

生まれ変わる人の波間で

 

鍵を失くしたあの時の記憶

愛を探してまた彷徨う時

 

今見知らぬ街へ 

星を手がかりにして

満ちあふれる声に駆られて

 

今見知らぬ街へ 

夢を道連れにして

生まれ変わる人の波間で

 

まだJASRACに登録してないんで、

ここにコピペして大丈夫ですよね(笑)?

 

ま、読んでそのままなんですが、

旅や冒険を試みる女性の姿を描写してみたんです。

都会に出て来て、

何かにチャレンジする人かもしれないし、

夢破れて、

知る人のいない街をあてどなく彷徨う人かもしれない・・・。

そこは

NAYUTAHがどんな人を想定して歌ったかにもよるし、

聴き手の想像に委ねたいと思っています。

 

もう一つの理由は、

ヨーロッパでの和モノの盛り上りにパリで直面して来たから。

 

この春にパリのムラン・ルージュの地下にあるクラブでDJをしたんですが、

オープニング・アクトが、

SHIBAURA SOUND SYSTEMという和ブギーのコンピもリリースしている

仏英混合のDJチームだったんです。

彼等が僕の前座として日本語の曲だけで2時間回してくれたんです。

 

その時のオーディエスの反応がもの凄くて・・・。

僕、こともあろうに日本語の曲、

1曲しか持って行ってなかったんです(汗)。

 

クラブに集まった若者達が踊る踊る!

目茶苦茶可愛い女の子達が回る回る!!

 

カルチャー・ショックでしたね。

長年、日本語は気持ち悪い・・・

なんて海外の同業者に言われて来た僕からすると

色々な意味で衝撃でもありました。

しかも、

判ったのが郷ひろみと久石譲の2曲だけでしたからね・・・。

 

予兆はあったんです。

その昔、Dam-FunkがThe Roomで回してくれた時も

和モノのブギーの話で意気投合したし、

国内外で遭遇するブラジルのスター、Ed Mottaなんかは、

和ジャズと日本のAORのコレクターですからね。

 

ただ、決定的なブレイクは、

やはりオランダのRUSH HOURからリリースされた吉田美奈子さんの

「Town」の再発。

ご本人の逆鱗にも触れたブートではなく、

正式ライセンスにより、和ブギーの真価が瞬く間にヨーロッパに広がりました。

「Town」と言えば、DJ KAWASAKIが6年前に吉田美奈子さんの許可を得て

カバーしてましたし、彼女が作詞したアン・ルイスの「Alone In The Dark」も

DJ KAWASAKIはカバー済み。

そんなDJ KAWASAKIが満を持して楽曲提供する歌手に、

ヨーロッパのトレンドを踏まえて、日本語詞を書けるのは誰か?

と考えてみたら・・・。

 

僕しかいなかった(笑)。

 

いや、マジ、ヨーロッパでウケてる日本語のブギーを体感した上で、

歌詞かけるの僕しかいないでしょ???

 

RUSH HOURのオーナーAntalとは20年来の知り合いだし、

DJ KAWASAKIはそれこそThe Roomがオープンした26年前から知っている。

この偶然というか必然というか、不思議な流れに乗るならば、

何故今日本語なのか?じゃなくて

、今でしょ、今!

今やらなくて、いつ日本語やるんですか?

という話だったんです。

 

ちなみに、11/3にMURO君のEDITで聴けるカップリング曲は、

訳あって日本を脱出した一人の女性に捧げた歌詞なんです。

こっちは社会派ですが、詩的に韻を踏んでもいます。

NAYUTAHにも詳しくは説明していません。

彼女がこの言葉からどんな女性像を描くのかに興味があったし、

具体的な存在に自己を投影するのではなく、

敢えて名を伏せることで、NAYUTAHのフィルターを通して、

この歌詞に書かれた女性に送るエールが、

より普遍性を獲得できると思うんですよね。

 

GIRL

 

作詞:沖野修也

作曲:川崎薫

Edit by DJ MURO

 

常軌逸した偽りの街

ダークな告白が騒がれる

嘘は合い言葉 

逃避へのアリバイ

解き放つの今 

この世界から

 

GIRL 

希望と誘惑のダンス 

迷わず

GIRL 

孤独と忘却のダイス 

惑わず

 

シュールな事態 

密かな気配

邪悪なソサエティー現れる

ムードに騙された夢がリバイバル

解き明かすの今 

戻れないから

 

GIRL 

理想と背徳のダンス 

迷わず

GIRL 

奇跡と偶然のダイス 

惑わず

 

GIRL 

希望と誘惑のダンス 

迷わず

GIRL 

孤独と忘却のダイス 

惑わず

 

誰の為に誓いを捧げばいいの?

自分の中で問えば明確なの

声を遮る壁を探せば早い?           

時代の中で言葉吐き出す 

突き上げる

 

GIRL 

希望と誘惑のダンス 

迷わず

GIRL 

孤独と忘却のダイス 

惑わず

 

GIRL 

理想と背徳のダンス 

迷わず

GIRL 

奇跡と偶然のダイス 

惑わず

 

この「GIRL」をあの人が、異国で耳にしてくれるといいな・・・

と密かに願っています。

 

この後もNAYUTAHには

「何もかも」と

「黒のタートルネック」という2曲に

歌詞を提供しています。

 

さしずめライバルは

東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さん。

彼、詩人ですからね。

 

まだ僕が東京にいる時は、

詩を携帯に送ってくれることもあったなぁ・・・。

 

いや、ライバルっておこがましいですね。

 

せめて背中が見える迄は

作詞業に本気で取り組んでみたいと思っています。

 

PS

 

Facebookで知り合った方に

尊敬する阿久悠さんの

『実戦的作詞講座』という本を上下巻お借りしたんですが、

レベルが高過ぎて!

数ページを流し読みしただけで

まだ全く読み終えていません・・・。

逆に言うと読まずにかけちゃった(焦)。

 

これからちゃんと読破して、

更に精進しますので

作詞家沖野修也の活躍にも

乞うご期待!!??