内的対立 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

シアトルに到着。
早速レコ屋に行き、
中古盤を10枚程ゲット。
ESPECIALの買い付けもやってます・・・。

そう言えば、
昨日書き忘れたんですが、
アトランタで
新しい試みを行ったんです。

それは、
題して
「一人BACK TO BACK」(笑)。

本来なら
‘BACK TO BACK’というものは、
左右のターン・テーブルを使い
二人のDJが一曲づつ(2~3曲の時もありますが)を
交互にかける
対戦形式のDJプレイ
(過去のブログ参照
http://ameblo.jp/shuya-okino/theme2-10002510561.html)
なんですが、
僕はそれを
一人でやる事を思いついたんですよね。

つまり、左側のターン・テーブル(or CDJ)では新譜だけを、
そして右側のターン・テーブル(orCDJ)では旧譜だけしか
プレイしなかったって事。

これは、自分の中に2つの人格を設定する事で、
今までのDJプレイにはないスリルを獲得し、
更には、
オーディエンスにも驚きを与えるという
新しい試み。

通常、BACK TO BACKでは
相手がかける曲が予想できませんよね?
よって、
‘次の次’を選ぶ事が非常に難しくなる。
しかし、その緊張感と、
予測出来ないが故にに起こりうる
‘自分でコントロールできない選曲’の
意外性が自分とオーディエンスへの刺激となる訳です。

ところが
一人BACK TO BACKは、
全て自分に決定権があるにも関わらず、
かつて一度も新譜と旧譜を一曲ごとに対立させた事がなかったので
軽い脳内パニックが起こり、
自分でも一体どうなってしまうのか予測できないという苦境(苦笑)に
立たされるという全く別のスリルが発生したんですよね。

しかも、
前後の関連性という基本的な選曲構造をクリアするだけでなく
オーディエンスの反応にも対応するという
別のハードルが用意されているので
非常に高度な判断が要求されたんです。

これは、
DJプレイというもののあり方を更新する実験でもあったと思う。

DJ ってかける曲を
ある程度の数
用意し、
その中からオーディエンスの反応を見て
その場で即興的に
曲の順番を決めてゆく訳ですよ。

なのに、旧譜の次は、絶対新譜みたいな
足枷つけると
非常に選択肢が狭まって
やりにくくなる。

次はこれかけたいのに、
ダメなの、
みたいな。

だから、
思いつかなかった
選択を
懸命に再考しなければならない。

これって
選曲の意外性を高める
あたらしい手法なんじゃないでしょうか?

でも、
人間って不思議なもので
禁止事項が多くなると
逆に
燃えるというか
クリエイティヴになるというか
思わぬ潜在能力を発揮するんです。

「アフロとテクノはマッチするんだ」
とか
「スティービー・ワンダーって、やっぱり凄い音色使ってたんだね」
みたいに
オーディエンスは
大喜び。

僕自身も
ディスコ・ダブも基本はJBか、
とか
ループ感のあるジャズがクラブに映えるんだな
なんて事を
再認識。

昨日は
自分でも全然予想しなかった
ユニークな
選曲が完成しました!!

2年振りに訪れたアトランタで、
人が何を自分に求めているか
なんて心配すらしていたのに
実は、
あまりの熱気と
大量のワインに
ついつい‘あげられて’しまい、
調子にのって思いついた
この‘トライ’・・・。

ホストDJでもあった
KARL INJEXが

「MENTAL BACK TO BACK・・・」
とあご髭を触りながら
何度も頷いていたのが
印象的だった。