強みの背後に独自資源!(メガネの田中)【他社戦略】 | 経営戦略で進むべき道を照らす!迷える後継者専門、「福井県後継者軍師」谷川俊太郎のブログ

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先代後継者との間の経営方針の違い、承継した会社の舵取りに迷う、そんな迷える後継者に経営戦略で進むべき道を照らす!福井県の迷える後継者専門軍師の谷川俊太郎です。経営戦略、経営お役立ちブログを毎日更新中!公認会計士・税理士・中小企業診断士の資格も保有してます!

こんばんは!

経営戦略と戦略会計で会社を変える、FSAコンサルティング株式会社社長の谷川俊太郎です。

 

今日は福井の「カフェあんのん」さんでおためしMGという研修を実施させて頂きました!

おためしMGとは、通常2日間に分けて5期分の経営をゲームで体験するMGを、半日だけで、2期(1期は練習ですので、実質1期だけ)体験してもらおうという研修です。

 

MGは今全国的にブームになっており、東京のMGなどは平日でも参加できないほど人気になっているのですが、福井ではまだまだ認知度が足りない…というところです。ですので、まずは知ってもらうこと、「おためし」の企画をしたのが今回です。

 

今回は6名の方に参加して頂けました!初参加で、たった1期だけなのに、大きく利益を出された方もいらっしゃって、かなり盛り上がったMGとなったと思います❗️


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これを機会に福井にもっともっと広まってくれればいいですね!

 

さて、今日は水曜日!先週はお休みしてしまい、申し訳ありません。【他社戦略】更新していきます!

 

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【記事要約(平成29年12月10日 日経MJ P7 より】

眼鏡店が「おしゃれ」を軸にした接客に力を入れている。西日本を中心に「メガネの田中」を運営するメガネの田中ホールディングス(HD,広島市)は利用客が自覚しない嗜好性を発掘して提案するサービスを始めた。割安な眼鏡店が普及し、機能性や安さだけでは他社と差をつけるのが難しい。ファッション性を提案して消費者の隠れたおしゃれ心を刺激し、買い替えを促す。

 

メガネの田中HDは今年2月から、服装など客の嗜好性に基づいて眼鏡を薦める「トータルコーディネート提案」を始めた。よく使うかばんや朝食など5項目で好みを選んでもらい、嗜好を「モダン」「アクティブ」など8種類に分類する。

 

従来から顔の形や印象などに応じて眼鏡を提案していたが、外見だけではわからない要素も判断材料に加えた。本人にとっても新しい発見につながるといい、眼鏡選びの楽しさをアピールする。

 

似合う眼鏡は何か――。店頭に「コンサルティング」の概念を導入したのは、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)出身で2016年に社長に就いたデイミアン・ホール社長だ。「『似合う』理由の背景を説明できるのが強み」と自信を深める。

(記事要約終わり)

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私も眼鏡を毎日着用しています。意外とこの眼鏡選びって難しくて、自分では似合わないだろうなと思っている眼鏡が他人からは高評価だったり、自分が好きな眼鏡を選んだのに、他人からな似合わないと言われたり。難しいなと感じます。

 

ここで、「おしゃれ」な眼鏡を提案してもらえるというのは嬉しいですね!普通の眼鏡店でも提案してもらえますが、今回のサービスでは嗜好から「モダン」「アクティブ」などに分けて「なぜ似合うか?」を解説してもらえるとのこと。これは納得できそうです。

 

お店の人がおススメしてくると、「買わされる」とか、「高いの売る気では?」とか考えてしまうのですが、なぜ似合うかの背景を説明してくれるなら、納得ですよね。

 

きっとこの「なぜ似合うか」というのを独自に分類分けし、この分類から「お客様の納得」という強みに転嫁しているのでしょう。ちゃんと強みの背景を用意した戦術だなと思います。

 

では、今回注目した点は以下のことです。


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【記事で特に注目した点】
お客様が買う理由(強み)とそれを支える独自資源を用意して臨んでいること
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<注目した背景>

今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」からです。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明します。

*例によって、理論が分かりにくかったら、 佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足です。その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。

 

戦略BASiCSの解説

 

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論です。ですが、この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深いです。ですので、ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけです。詳しく知りたい方は是非佐藤義典先生の本を読んでみて下さい。

 

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多ありますが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論です。そして、その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論です。その5つは以下の通りです。

 

attlefield (戦場・競合)

sset (独自資源)

trength (強み)

i

ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

 

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」です。それぞれを簡単に説明すると、

 

 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし

 :競合が真似できない強みをささえる資源を構築し

S :資源を強み(自社から買ってもらえる理由)にし、

 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し

Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう

 

とこのような考え方で構築される理論です。「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のことです。ですが、これを自社で考えると難しいです。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要です。例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたらどうです?『安さ』といっても、高品質なものです。ユニクロと比べて安いのでしょうか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないですよね。

 

一貫性を5つ全てにおいてとるというのは、非常に難しいです。この一貫性ですが、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなります。


※3つの差別化軸

 

佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかないそうです。

 

①商品軸:(競合より)高品質・新技術

②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応

③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利

 

強みはこの3つのパターンしかありませんので、これを考えることで一貫性をとっていくことができます。
例えば、先ほどの縫製技術の話でしたら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じです(具体性はないですが…)。これは①商品軸の例ですね。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていけることで、BASiCSの一貫性がとれるようになります。

 

非常に難しいですが、できれば、とても強い経営戦略となります。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけです!是非この「戦略BASiCS」考えてみたいですね!!

 

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では、戦略BASiCSでみていきましょう!今回は「強み(S)」と「独自資源(A)」の関係性についてです。

 

通常、あなたの会社の「強み」は何ですか?と聞くと、「優秀な人材です!、技術力です!」などの答えが返ってきます。ですが、はたしてそれは本当に「強み」なのでしょうか?そもそも「強み」ってなんでしょうか?この点、「強み」は何か?をキチンと解説しているマーケティングの本はほとんどありません。ですが、戦略BASiCSではこの点をキチンと明確にしています。

 

強み=お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由

 

このように「強み」を定義しています。この定義からすると、「お客様」が「競合」ではなく「自社を選ぶ理由」なので、イコール売上です。強みがあるということは、売り上げに直結しているんですよね?という非常に分かりやすい定義となっています。

 

となると、先ほどの「優秀な人材」というのは強みでしょうか?「優秀」というのがどのようなことを表すかによりますが、「優秀な人材から生み出されるお客様1人1人に合わせたサービス」などが本当の強みになってくるでしょう。「優秀な人材」というのは強みを支えているものなんですね。戦略BASiCSではこれを「独自資源(A)」として分けています。強みがあり、それを支える関係にあるということですね。

 

「強み」に転嫁できない「独自資源」は宝の持ち腐れでしかありません。

「独自資源」のない「強み」は他社にすぐマネされてしまいます。

 

「独自資源」のある「強み」だからこそ、長期の競争力の源泉になるのです。片方では不足で、両方が必要となるのです。

 

今回のメガネの田中さんのコンサルティングサービス、社長が「『似合う』理由の背景を説明できるのが強み」とおっしゃっています。戦略BASiCSでまとめてみると、こんな関係になるでしょう。

 

 :メガネ販売戦場

 :なぜ似合うか?を論理的に説明できる研究結果

S :自分の嗜好に合わせて、自分では選ばないメガネでも納得して選ぶことができる

 :メガネも含めてトータルでおしゃれしたいお客様

Sm :あなたに合ったメガネを選びます!当社が研究した結果の基準を基に選びますので、

   あなたに本当に合うメガネをおススメできますよ!

 

という感じでしょうか。強みを独自資源で支えようという気持ちが感じられますね!

 

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【会計的な効果】

会計的な効果ですが、売上、特に販売個数が伸びるのではないでしょうか?

 

「アクティブ」とか「モダン」などの基準があります。「アクティブ」なあなたを表現したい時にはこのメガネ。「モダン」なあなたを表現したい時はこのメガネが良いですよ。

 

このようにおススメできるとするならば、同じ人でも複数本のメガネを購入するでしょう。メガネは通常一本しか使いませんよね?なので売れても一本でしょうが、この販売方法なら、一人が何本も購入して頂けることが想定されます。

 

販売単価×販売個数

 

で計算される売上高ですが、販売個数が伸びて売上高が増加するという関係を作れそうですね。

 

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【自分ならどうするか?】

自分ならどうするか?ですが、会計的な効果でも書きました、「販売個数」の増加を狙っていきたいと思います。同じ人であってもシチュエーションによって、「見せたい自分」というのは変わってくると思います。その人の良くあるシチュエーションを聞いて、シチュエーションに合わせたメガネを提案していき、複数本のメガネを使い分けるという日常を考えてもらいます。

 

そうすることで、販売個数も増えるのではないでしょうか?

 

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いかがでしたでしょうか?今回は「強み」とそれを支える「独自資源」の関係をよく意識されているなと考えさせられる記事でしたね。みなさんの会社では「強み」と「独自資源」を分けて考えていますか?「独自資源」のない「強み」、「強み」に転嫁できていない「独自資源」などはありませんか?長期的に「強み」を維持できるよう、考えていきましょう!

 

 

【FSAコンサルティング主催MGのご案内】
 

1日MG(3期)

通常のMGは2日かけて実施していく研修ですが、2日間という時間を確保することが難しい方向けに、1DAYでのMGを開催したいと思います。お知り合い、社員の方など興味のありそうな方をお誘いの上ふるってご参加下さい!
 
<開催日時・場所・講師>
日時:平成30年1月13日(土) 9:00~18:00
    18時以降交流会予定 ※場所は当日決定
場所:福井商工会議所 2階A会議室

    〒918-8580 福井市西木田2-8-1
 
講師:谷川俊太郎(西研究所MG公認インストラクター)
 
<参加費>
お1人様:15,000円


<申し込み方法>
下記メールアドレスまでご連絡下さい。
メールアドレス:fukui-strategy@fsa-c.com
 
<カリキュラム>
9:00~9:15   MGについての説明
9:15~11:15  第1期(練習期)&ルール説明
11:25~12:30  第2期&決算
12:30~14:00  昼食&第2期決算
14:00~15:00  講義
15:00~17:00  第3期&決算
17:00~     表彰式&感想文

※研修の性質上、終わりの時間が前後することがあります。ご了承ください。
 
<Facebookイベントページ>
https://www.facebook.com/events/1489010344509702/