活動名:徳多秀香 Shuka Tokuta

世田谷区で作品制作と書道教室を運営中。

書道に携わって人生が豊かに♩芸術が身近にある暮らしを発信しています鉛筆

 

 

以前展示会にいらっしゃた方から

 

「書道ってどういう風に見たら

良いんですかね?」

 

という質問を頂いた事がありまして、

その時は

 

「ご自身の感じるままに見てください〜〜」

 

とはお伝えしたものの、

 

そもそも「書道ってどんな芸術なのか?」

という認知度が低い事もあり、

この機会に私なりの

 

「書道の見方」

「書道とはどういう芸術なのか」

 

を、まとめていきたいと思います照れ

 

※あくまで私の見解です。

そして一回では収まらないので

記事を分けて書いていきます。

 

 

 

 

 

習字と書道は違う(違う経緯がある)

 

 

子供の頃に習い始める事が多い書道教室ですが、

習字教室だったりと名称が違う場合もありますよね。

 

この「習字」と「書道」の違いができた経緯

あまり知られていないと思うので

ちょっと触れていきたいと思います。

 

 

寺子屋で文字を習うことから出発し

庶民に広がった書道。

(それまでは貴族のたしなみ、

教養としての文化でした)


 

ですが戦後、

敗戦の影響でこの書道が

失われてしまいそうになったそうです。

 

その書道の生き残りをかけたのが

「教育現場」でした。

 

書道を教育の一環に組み込む事で、

書道という世界を守ろうとした経緯があります。

 

その教育の中で生まれたのが

「習字」という言葉になります。

 

 

ですので、習字という言葉ができてから

100年経っていない事になりますねポーン

 

習字と書道は違うとはいうものの、

同じ大木の幹であり、

枝葉として習字ができた、

という風に考えると良いかと思います。

 

 

小・中学生時代の学校教育では、

基本的な読み書き訓練の一環として

「書写」「習字」

の授業があるので歴史など勉強する必要なく、

 

高校生からは歴史や芸術性を含めた

本来の書道を勉強していくため、

「書道科目」という名称になるようですニコニコ

 

 

 

余談ですが

私の高校時代の書道科目の先生は

ちょっぴり残念な先生で滝汗

しっかりと授業で「書道」を習う機会に

恵まれませんでした。

 

ですが主人の場合は

とても印象深かったようで、

「欧陽詢」や「顔真卿」など、

書道の歴史で重要な人物の名前を

覚えていました。

(先生のキャラが濃く面白い授業だったようです)

 

 

 

image

 

 

 

 

 

線が命!書道は線の芸術

 

 

書道の特徴として、

「一回限りしか出せない線」

というものがあります。

 

習字でも習う通り、

書道には「塗り直し」や

「書き直し」がありません。

※二度がきは御法度

 

 

筆を使ったその時、その一瞬限りの

一回性の線の美を追求していく芸術になります。

 

 

よく「一筆入魂」なんて言葉がありますが、

書道と精神性の関わりが強いのは

こういった部分もあるのではないでしょうか。

 

 

そして主に「文字」を用いて表現していきます。

書道表現の種類として、

①漢字書

②かな書

③近代詩文書

④前衛書

 

と大まかにあり、更に細かく

・臨書

・一字書

と分かれる事もあります。

 

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 こちらは一字書

 

 

 

 

それから芸術とはまた違った

 

【デザイン書】

 

というものもあります。

 

これは「商業書道」と言って、

「商業的に書道を効果的に用いる」事が目的です。

 

お酒のラベル、POP、広告など

幅広い文字の活用がされます。

筆文字全般を指す言葉ですし

一番身近にある「文字」かもしれませんねニコニコ

 

 

ですが、私的には

デザイン書は書道芸術からは

省いて捉えていきたいと思います。

 

 

というのも、

書道家としてデザイン書を

作成している方もいれば

デザイナーさんで筆のみを効果的に

使っている場合もあるからです。

 

その制作過程において、

デザイン書は書道のルールである

「二度がき禁止」などの

書道上のルールは無視して良いし、

「あの文字の良い部分と、

この文字の良い部分を組み合わせる」

という事がPCで出来ちゃうキョロキョロ

 

一回性の美の追求とはまた違った追求になるので

今回お伝えする書道の芸術とは?に入れるには、

デザイン、書道、芸術、商業・・・

と、枠をまたいでいる分野なので

私が語るには荷が重すぎる笑い泣き

 

 

ただ、一番身近なだけに

「デザイン書が書道」

という間違った捉え方になっている場合も

あるかもしれません。

 

 

なぜデザイン書と書道を分けるかというと、

芸術は分類していくと

・文芸

・美術

・音楽

・総合芸術

・デザイン

・その他

 

となっていて、書道は「美術」枠で、

美術の中でも

・造形芸術

・視覚芸術

 

とあり、その中で「視覚芸術」枠になります。

※wiki参照

 

 

「デザイン書」も視覚芸術では?と思うのですが、

「デザイン」がどういった目的かを考えていくと

「人と人を繋ぐコミュニケーション」

が主だと思います。

 

また、デザインのところに「応用芸術」とあり、

これは美術を日用品など実用性のあるものに

応用していく過程を「デザイン」と呼んでいるので、

まさに文字を使って利益を生み出すことに

貢献しているデザイン書は、

デザイン分野で良いんじゃないかなー

と思っていますうさぎのぬいぐるみ

 

 

話が細かくなりましたが、

こういう事は「何がやりたいのか」や

「私は何をしているのか」など、

根本的な問題を論理的に見ていく時に

必要かなと思うので載せてみました。

 

 

というのも、

私は一時期デザイン書を勉強していたのですが

「なんか違う・・・」

という思いが拭えなくてですね。

 

それで色々と調べたり考えていった結果、

「あぁ、私はデザインをしたい訳ではないんだな」

と腹落ちしたので、

デザイン書の勉強からは離れましたちゅー

 

 

それからは心もスッキリと書と向き合う事が

出来ていますもぐもぐ

 

 

こんな感じで習字、書道、デザイン書道

という風に違いも分かってくると、

更にそれぞれの個性もより分かってくるのではと

思います。

 

デザイン書道も見方が分かれば、

「なぜこの文字はこんな書き方?」

という疑問が生まれ、

更にはデザインが狙っている事も

見えたりして面白いですよ✨

 

 

 

 

次回からはより具体的に、

と言いますか、

より独断と偏見にまみれたニヤニヤ

書の見方をお送りしていきたいと思います。

 

 

こちらは岡本太郎氏の作品チューリップ赤

 

 

 

 

 

 

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