正子
10月も半ばになり、
僕の周囲半径1メートルは寒くなってきた。
秋はあったか?と驚き、
慌てて冬着を出した。
最近分かって来たことは、
日本気象株式会社の、
お天気ナヴィゲーターに拠れば、
気温の上昇と低下には一定のリズムがある。
真夜中の正午をピークとして、
気温の低下は収まり温度は上がる。
そして、
真昼の正午をピークとして、
気温の上昇は収まり温度は下がる。
毎日ただこの繰り返しなのだと言う事だ。
この放熱と蓄熱の中で僕達は生きている。
僕はてっきり1日の間に温度は、
株価や為替の様に乱高下する物だと思っていた。
これをリハビリの若い先生に言うと、
そんな事も知らないんですか?
といつもより余計に、
麻痺の右手を曲げられた。
彼は何かにつけて、
僕の麻痺した手と足を曲げる口実を探しているので、
油断がならない。
30年も東南アジアの某国に居たおかげで、
日本のこんな事も知らない。
30年も東南アジアの某国に居たおかげで、
日本のこんな事にも感動出来る。
物は言い様だ。
さっき「真夜中の正午」と呼んだが、
本当は正子と言うらしい。
正子とは
「真夜中(まよなか、英語: midnight)とは、夜の中間点である。正子(しょうし)、
子夜(しや)、「24時」(24時間制や30時制)、(夜/夜中 の[1]/深夜)「0時」、「12時」(12時間制)ともいう。 」Wikipedia
これも我がリハビリの先生はご存知だろうか?
知ってても知らなくても、
聞けば麻痺の手足を曲げる口実にされるので、
辞めて起きましょう。
正子なんて使った事が無い。
大体、そんな表現を聞いた事が無い。
少なくとも文学や映画の表現では聞かない。
「24時間表記では、単純に「00:00」(0時)で足りる。
ただし便宜上「24:00」(24時)とする場合もある。 30時間表記では、「今日の24:00」が「24時間表記の明日
の00:00」となる。」Wikipedia
日本式12時間表記
「午前0時」「深夜0時」など。「正子」は天文学の世界などでし
か使われない。「午後0時」も滅多に使われることがない。『 太政官達第337号』によると、真夜中に対しては「午前0時」「 午後12時」という2つの言い方が書かれているが、正午に対して は「午前12時」という言い方だけしか書かれていない[4][5 ][6]。」Wikipedia
この正子の話題は非常に深い。
何せ日付が変わる時間であり、
大事なモーメントである。
でもこんな時間に僕の健常者の昔は、
酔って眠りこけているか、
スカイで踊っているか、
早く店を閉める居酒屋の店長を詰っていた。
毎日が貴重な「ゆく日くる日」だったのに…
昨日の朝、
第2のレム睡眠の最中に変な夢を見た。
僕はシンガポールにいた。
シンガポールと言ってもただ周りの人間たちが、
シンガポールと言っているだけの、
飲み屋の様なところだ。
最近夢をあまり見ないので、
僕はそこに長居した様だ。
飲み屋と言いながら、
誰も飲食をして居ないその店で、
僕は気が付いた。
そういえばパスポートが無い。
今回の入院時からパスポートを見た覚えがない。
僕のパスポートはどこに行ったのだろう?
現実と夢は、
パスポートに置いて錯綜混乱を極め、
いつの間にか正常になった右半身に気づかず、
僕はシンガポールを出られるかを、
真剣に悩んでいた。
すると、
見慣れた男が僕に何か言った。
何と言ったのか分からない。
でも知り合いが其処に居たのに、
深い安堵を覚えた。
その知り合いとは、
ゴジラの息子のミニラみたいな容貌、
一見太っていて怖いが限りなくか細い声、
急ぎの熱処理があれば正子でも走ってくれた頼もしい奴、
昔の部下、配送の運転手のビラだった。
お世話になった愛すべき部下だった。
彼はシンガポールに居たのだ。
そして親切にも彼が、
パスポートを探してくれそうなストーリーになり、
目を覚ました。
現実の世界では朝6時だった。
おかしな1日だった。
おかしな夢だった。
疲れる1日だった。
何故ビラが夢に現れたのか?
彼は殆ど僕と同い年だ。
元気ですか?
元気で居てくれよ、ビラ。
合掌
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