最近、保護猫活動の話題を見聞きしたので、昔拾った迷子の子猫の思い出話を書き留めておこうと思います。
※ペット禁止のアパートで猫を飼っていた話が含まれています。もう30年以上前の話ですので、大目に見てください。
出会い
1990年12月、寒風が吹き荒ぶ夜。
いつものように残業で遅くなり、凍えながらアパートにたどり着くと、外階段の裏側から「ミャ~...ミャ~...」と、か細い子猫の鳴き声。
気になって覗いてみると、まだ片手に乗りそうな子猫と目が合いました。僕に気付くと、まん丸い目で僕の顔を見ながら、精一杯鳴き声を絞り出しています。
「どうした?お母さんは居ないの?」と声を掛けると、他に頼るものがない子猫は、まっすぐに僕の顔を見ながら、おぼつかない足取りでヨロヨロと近付いてきます。そして、僕の足元に身体をすりすりと擦り付けながら、纏わりついて離れません。時々つぶらな瞳で僕の顔を見上げて「ミャ~...」と鳴きます。しゃがんで、手に乗せると、ホントに片手にチョコンと乗っかるくらいの子猫。ガタガタ震えながら、目の前で僕の顔を見つめ、精一杯鳴いています。
親とはぐれたのか、飼い主に捨てられたのか、いずれにしても、このまま寒空の下には放っておけないと思い、とりあえず朝まで自分の部屋で保護する事にしました。
ちなみに、そのアパートはペット禁止。ずっと飼う訳にはいかないので、緊急避難として朝まで保護するだけ、のつもりでした。その時は...
人間でも動物でも、子供がカワイイのは、強い存在に保護してもらえるように組み込まれた仕組みなんだだそうです。カワイイ様子を見ると、母性本能のような感情が生まれ、それが育てるモチベーションになるそうです(種を越えて子育てする動物の動画も有りますよね)。
そういう本能の仕組み、良く出来てますよね。
保護(初日)
部屋に連れ帰った子猫は、初めての場所に緊張しながら、大人しく座っています。
僕は、猫を飼ったことが無かったので、それまでの断片的な知識で、トイレ、飲み物、餌、を用意しました。
・大き目の空き箱に新聞紙を細かくちぎって敷き詰め、トイレ替わりに。
・飲み物は何をやれば良いかわからず、小皿二つに水と牛乳を用意。
・餌代わりに、削り節を細かく砕いて小皿に。
たぶん、本能なんでしょうか。トイレは分かってくれたようで、ちゃんと使ってくれました。
しかし、牛乳を飲んだ次の朝、見事に下痢してました。
削り節は、食べてくれたかどうか覚えていません。
子猫は暖かい部屋で安心したのか、僕の側で落ち着いてくれました。
僕がベッドに入ると、床で鳴いていたので、安心させるために、その日は布団に入れて寝ました。腋の下で丸まって寝てる子猫、カワイイですよね
翌朝、僕が起きると子猫はもう起きていて、僕が寝ている布団の上で寛いでいました。
天気が良くて、風も穏やかな気持ち良い朝。一晩保護しましたが、ウチはペット禁止のアパート。元気になったのなら、外に放さなければいけません。意を決して、子猫を抱えて、ドアを開けました。
天気は良くても12月の朝。メチャメチャ冷たい空気が入って来ます。冷気に当たって、子猫もビックリして固まってます。
たぶん、まだ一か月くらいの子猫。親も居なくて、飼い主も居なくて、この子は一人で生きていけるだろうか...
僕は悩みました。
②に続きます。