神奈川県の鎌倉で所要を済ませたのは

午後4時40分。これから日本一の

いい男を見に行こうと思います。

 

高徳院の開館時間は5時半まで。

鎌倉駅まで戻って、2駅先だから

徒歩でも同じかな、江ノ電は高いし、と

iPad片手に歩いてみましたところ

20分ほどで仁王門に到着しました。

 

昔の人のようにとことこ歩くと

街の規模が体感できていいですね。

 

 

おお!やっぱりいいなあ。

 

 

国宝『銅造阿弥陀如来坐像』

青銅の大仏が露座であるのは稀。

絶景ですね。

 

仏身 11.33メートル

総高 13.35メートル

眼長 1メートル

重量 121トン

 

 

原型になった木造大仏の作者は

運慶に連なる慶派の仏師のようです。

木造大仏は1241年頃完成しています。

 

1243年にはこけら葺きの大仏殿が

建立されました。

 

当初から青銅大仏にする予定でしたが

国内に銅が不足していたため、

鋳型を作るための原型を木造で完成。

 

宋の銅銭を大量(121トン!)に輸入して

鋳造が始まったのが1252年。10年後の

1262年頃、大仏殿が完成したと

考えられています。

 

銅が著しく不足していた原因は、

1180年の平家による兵火で失われた

奈良の大仏を再建したことでした。

(奈良の大仏は安土時代にも焼失)

 

奈良の大仏殿の落慶法要には勧進僧

重源と共に、復興に協力を惜しまなかった

鎌倉将軍・源頼朝も臨席しており、

 

鎌倉の大仏を最初に構想したのは

頼朝だろうといわれています。

 

実際に着手されたのは

幕府第3代執権・北条泰時(1183-1242)

のときで、勧進聖は浄光上人といい、

 

完成を見たのは、第5代

北条時頼(1227-1663)の時代でした。

大仏殿の建立には一族の名越氏が

力を尽くしました。

 

その後大仏殿は1334年と1369年に

地震で倒壊しており、1498年に高潮で

流失したあとは再建されませんでした。

 

 

「かまくらや みほとけなれど

釈迦牟尼は 美男におはす

夏木立かな」 与謝野晶子

 

アキちゃん、いい趣味ですねえ。

 

 

 

20円払うと中に入れますが、

この日は4時20分で終わっていました。

 

肩甲骨あたりにある窓は、

大仏の鋳造が終わったあと、

ここから内側の鋳型や、土を取り出す

ためのものです。

 

 

台座のための蓮弁(花びら)

 

『鎌倉大佛史研究創刊号』

「高徳院銅造阿弥陀如来坐像裏蓮弁

の刻銘」(加瀬文雄氏)によれば

 

1700年頃にはこの寺は荒廃しきっており、

田畑も台座まで迫っていたので

祐天上人が田畑を買い上げ、

高徳院と名付けて、大仏の修復を

手がけたのだそうです。

 

1733年に高徳院住職となった

養国上人によって修復が完成され、

台座を飾るための蓮弁の製作も

企画されました。

 

蓮弁は各地の町民の寄付によって

作られたのですが、必要な32枚に

達する前に計画が頓挫し、8枚で終了。

そのうちの4枚が展示されています。

 

 

右から3番目の蓮弁三の拡大写真

 

北八町堀白銀代地菱屋清右ヱ門

横山同朋町大黒屋庄兵衛

…寄付者の名が読めます。

 

写真には見えませんが、

この蓮弁三の冒頭には

「芝女講中」とあり、2段目には

 

肴屋 てう 豆腐屋 せき 家根屋 さき

炭屋 きぬ かつ せん いち まつ きち

八百屋 その 相模屋 むめ とめ

堺屋 しな 家根屋 かめ…

 

というように、商いをする女性の

名前が刻まれています。

 

日本の歴史においては女性の名前が

記録されることがなく、ほとんどが

忠兵衛妻、とか、又六母、で済まされて

しまっている中、興味深いです。

たくましいですね。

 

 

 

 

仏像の顔は、時代時代の顔を表します。

 

飛鳥仏には飛鳥時代の

奈良仏には奈良時代の

平安仏には平安時代の

顔があります。

 

これが鎌倉の精神を映す顔。

 

室町、桃山、江戸、明治…

時代が下るほど見るべき顔が

なぜか失われていきます。

 

 

 

頬には金箔が残っています。

ということは、創建時の大仏は

総金箔仕上げ。

当初は大仏殿も屋根もありましたから。

想像を絶する豪華な仏だったようです。

 

 

私たちの祖先が造り上げた大仏。

誇らしい気持ちがします。

 

 

 

 

自分が造った彫刻を愛でるような気持で

30分の間に94枚撮影しました。

私の一枚(ベストショット)はこれです。

 

 

 

 

 

スマホ写真で肖像画が出来ます

 

 

 


 

 

色は人の心に影響します。黄色を西に飾るとよいと風水で云うのは色が無意識の内にパワーを引き出してくれるせいかもしれませんね。

お部屋を飾る高級インテリア、長寿・受勲の贈物としての肖像画

 

 

 

 



 
 

 

 

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