今、

 

20代のあなたは10年前の自分と比べて、

どちらがエネルギッシュだと思いますか?

 

30代のあなたは10年前の自分と比べて、

何かを失ったと思いますか?

 

40代のあなたは10年前の自分と比べて、

限界について感じることがありますか?

 

50代のあなたは10年前の自分と比べて、

体力気力の衰えを感じますか?

 

60代のあなたは10年前の自分と比べて、

何かおかしいと感じることがありますか?

 

70代のあなたは10年前の自分と比べて、

歯がゆい思いをすることがありますか?

 

80代のあなたは10年前の自分と比べて、

お考えになることがありますか?

 

 

私は60才になります。

こんなはずではないと感じることが

とみに多くなりましたね。

 

体はさらに固くなり、脚が開かない。

1年前のように走ることができません。

あれは一体走っているといえるだろうか。

 

何かをしようとしても根気がつづかず、

気が散って集中することがない。

もはや痩せることも不能。

 

考えても、考えが巡るばかりで、

何も決めることができない。

記憶力は確かに減退している。

 

 

嫌ですねえ…。こんなときは録画を観る。

 

NHKの『心の時代~禅の知恵に学ぶ』

「第三回 一寸坐れば一寸の仏」

より、すべて聞き書きです。

 


この方は、岐阜県美濃加茂市正眼寺

住職 山川宗玄氏。

 

坐禅していて、念が浮かぶ。

念とは妄想のこと。

 

このようなときは

「ああ、いかんいかん」

と思うことで妄想は消える。

 

一寸坐れば一寸の仏

 

坐とは、

外にジェット機が落ちてこようと

心の念が全然動かないこと。

 

禅とは、

我々の心は、自分で自分を

動揺させている、悩ませている。

内にこれさえ起きていないこと。

 


 

山川宗玄さんの忘れられない出来事

住職を補佐する副司(ふうす)時代の話

 


 

雲門文偃(うんもんぶんえん)禅師に問う

樹凋(しぼ)み 葉落つる時 如何(いかん)?

 

 

正眼寺の逸外老師にお客さんが来られた。

イギリスからという80才くらいの人でした。

 

禅の書『碧巌録(へきがんろく)』を読んで

どうにも分からないことがあるので来ました。

 

「体露金風(たいろきんぷう)」という

言葉がありますが、これはどういうこと

でしょうか?と云ったんです。

 

「体露金風」とは、秋の紅葉が真っ盛りの

ときに清々しい風が吹き渡っていること。

 

 

碧巌録の中で、ある修行僧が、雲門文偃

禅師に問います。

 

「樹凋み 葉落つる時 如何?」

 

冬枯れの季節ですね、

 

人間の黄昏の時、年をとってよれよれに

なって、若いときの元気もなければ、勿論

頭もぼんやりしている。

 

もうあと何年生きられるかわからない。

そういうとき一体人生、どういうもので

しょうという質問したんです。

 

それに対して雲門文偃禅師、

「体露金風」とだけ答えられた。

 

紅葉が始まるということは、リンゴの木

も梨の木も実がたわわに実って、稲穂

は輝いているときでしょう。

 

秋の実りのときという意味でしょう。

 

今元気はつらつで、なんでもかんでも

成就して、活発に活動している、と

いうような時と答えられたわけです。

 

こんなことはありえないけれども、

何か意味があるんだろう、と捉えて

イギリス人は日本まで来られた。

 

 

彼は世界的な大富豪ロスチャイルド氏

でした。その人が80になり、あと何年

生きられるかというときになって、

 

同じような年の坊さんが

「体露金風」と答えられた、とてもその

心境がわからんと質問をされた。

 

逸外老師は、

「なに、体露金風かね、わははは、

そんなものは坐禅せにゃわからん」

と一蹴されたんですよ。

 

じゃ、坐禅しますということになって

「そうだな、すぐにしたらよろしい」

 

合計5~6人でしたか禅堂に案内して

坐禅したんです、大体4~50分。

 

逸外老師は外で待っておられて、

坐禅が終わったあとに開口一番、

「どうじゃね、わかったかね?」

とおっしゃった。

 

ロスチャイルドさんが「わかりません」

と答えると

 

「そうじゃろ、わからんじゃろ、

わっはっは!」

また笑われたんです。げらげら笑って。

 

ロスチャイルドさんはしばらく

「うーん…」という表情されていましたが

急にふわーっと良い顔されて、

にっこり笑った。

 

そのあとに少しスカッとしたんでしょうか、

晴れ晴れとなられて、玄関で記念写真を

撮ったんですね。

 

 

 

一瞬のこのやりとりで、ロスチャイルド

氏は何かを分かったんでしょうね。

 

逸外老師も、樹凋み葉落つる時です。

それから2年か3年で亡くなられています

から。

 

姿形では年老いて、老いさらばえていく

わけですから、体露金風じゃないです、

老醜ですね。

 

でも、命の中では、

命はまことに体露金風です。

簡単に云えば、輝き続けていると

いうことです。

 

生まれた今でも、

年をとって今、命が無くなるときでも

同じこと。

 

年をとれば若い人には敵わない。

気力も衰えてくる。

 

そこを素直に受け取ったら、

その動かなくなった体が

どれほど、かけがいのないものか、

どれほど、かけがいのないときか、

ということがはっきり、分かるんじゃ

ないですか。

 

自分の力では、

人間の浅はかな知識では、

変えようのない現実がある、という

ことです。

 

それを素直に初めて受け入れたときに、

人生の問題になるということです。

本当にその人の人生の大いなる

問いかけなんだと。

 

そこから逃げてはいけない。

 

 

NHK(Eテレ)

『心の時代~禅の知恵に学ぶ』

 

第五回 いのちをいただく―典座・托鉢
放送  8月18日(日)午前5時~6時
再放送 8月25日(日)午後2時30分

~午後3時30分

第六回 生かされて生きる
放送  9月15日(日)午前5時~6時
再放送 9月21日(土)午後1時~2時

 


 

こころの時代は、毎回見ているわけでは

決してないのですが、もう30年来

大好きな番組です。

 

三度見たのですが未だに

よくわからない気がして、

今回このように書き起こしてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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