ハロゲン化物消火設備 概要編 新潟市の消防設備点検会社 エフ・ピーアイ | 新潟市の消防設備点検会社(株)エフ・ピーアイのブログ

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ハロゲン化物消火設備について、消防点検会社エフ・ピーアイがお伝えします。


今回は、ハロゲン化物消火設備の概要について触れさせていただこうと思います。


ガス系消火設備のうち、消火薬剤にハロンを使用するものをハロゲン化物消火設備と称しています。

ハロゲン化物消火設備の設置対象物及び構成等は、不活性ガス消火設備と同様ですが、消火原理は燃焼の連鎖反応を抑制する負触媒効果によるもので、消火剤には以下の種類があります。(別記致します。)

ハロンはもともと航空機搭載用として開発されたものであり、重量容積が小さくても単位容積当たりの消火力が大きい為、油火災に使用されるほか、耐電性・耐金属腐食性が大きいことから、通電中の電気機器や電算機にも使用されます。また、揮発性も大きく、放射後に汚損を残さないことから、図書、美術品等の火災にも適応します。


設備の構成や消火の仕組みは、不活性ガス消火設備と同様です。使用する薬剤が、ハロゲン化物か否かの違いです。

蓄圧式のハロゲン化物消火設備は二酸化炭素消火設備と類似していますが、加圧式のものは加圧ガス容器、圧力調整装置等が構成要素として追加されます。


【ハロゲン化物消火設備の特徴】

ハロゲン化物消火設備の消火薬剤は、薬剤の有する蒸気圧と加圧源のガスを配管又はホースを通して、噴射ヘッド又はノズルから放射して、空気の供給を遮断したり、酸素濃度を低下させたりすることにより燃焼を停止させる効果の他、ハロゲン化物薬剤に含まれる、ハロゲン元素が有する燃焼反応の抑制作用(負触媒効果)を利用するものです。

ハロゲン化物消火設備の抑制作用とは、ハロゲン化物の熱分解によって生成したハロゲン原子が炭化水素などの燃料から発生した水素と反応してハロゲン酸となり、このハロゲン酸は更に活性な水酸基と反応してその活性を奪い、燃焼の連鎖反応を止める作用のことです。

この結果ハロゲン原子は再生されるので、再び元に戻って反応を繰り返し、燃焼体から活性なH、OHを取り除き、燃焼が終わるまでこの反応サイクルが続き消火されます。


【消火剤の種類】

・ハロン1301(ブロモトリフルオロメタン:一臭化三フッ化メタン)

 …生ガスの毒性は少なく防護区域の完全密閉の必要は少なくて済む。

・ハロン1211(ブロモクロロジフロロメタン:一臭化一塩化ニフッ化メタン)

…無色透明の気体若しくは液体で、やや臭気があり、加熱に対すると分解物質を生成し、強い刺激臭を発する。

・ハロン2402(ジブロモテトラフルオロエタン:ニ臭化四フッ化エタン)

…無色透明の気体若しくは液体で、やや臭気があり、加熱に対すると分解物質を生成し、強い刺激臭を発する。

・HFC-227ea(ヘプタフルオロプロパン)

…オゾン層を破壊しない消火剤として2001年に追加された。

・HFC-23

…オゾン層を破壊しない消火剤として2001年に追加された。


~消火薬剤について~

ハロン1301、1211及び2402については、オゾン層破壊のため1994年から生産は全廃されました。

同年「ハロンバンク推進協議会(現:消防環境ネットワーク)」が設立され、既生産済みのハロンをデータベース化し、不要となったハロンは積極的に回収することにより、みだりに大気へ放出されることが抑制されています。

また、優れた消火性能を有するハロンは、既設設備へ再利用されていると共に、ハロン1301については、クリティカルユース(必要最小限の使用)と判断された部分への新設が認められています。


ハロゲン化物消火設備の概要についてお伝え致しました。


最後までご拝読いただきありがとうございました。

何かしらのご参考となれば幸いです。



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