ジュニアテニス備忘録(その10)なぜ海外の選手が強いのか私論(1) | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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 西岡選手やダニエル選手が活躍しつつも、日本人でなかなか錦織選手や大坂選手のような活躍には至る選手は登場しません。練習環境やスポンサー、極東という地理といった考えもあろうかと思いますが、ここでは、根拠に基づかない極めての私論を書いてみます。
1 リーチの差
 海外の選手との体格の差?そんなの分かっているよ、と総突っ込みされそうです。人種や天性の筋肉の質や体格というものはありますが、単純に考えれば、体が大きければ筋肉量が増えますのでパワーがでますし、同じスイングスピードだったとしても、海外の選手の方が軌道が大きくなりますのでラケットのヘッドのスピードは速くなり、かつ重いラケットを扱えれば、ボールを叩くパワーも上がります。ニュートンの運動方程式ma=Fですね。もちろんパワーだけでなく、サーブの確率や、左右への手が届きやすさの部分でも、手足が長いということはだけ相当有利です。
2 懐の深さ
 しかし、身長があるというだけで、もう一つ有利になる点があります。それは懐の深さです。
 テニスは、いつも同じスイングができる競技ではありません。ヒッティングポイントは、左右、前後、高低が違うだけではなく、スピードやスピンに変化を加えると、ヒッティングのタイミングがずれてきます。女子の場合、男子に比べると比較的早く仕掛けてポイントを取っていくところがありますが、男子の場合ですとオープンスペースに強打するだけでは拾われてカウンターを食らう確率が高くなるために、確実にオープンペースを作るための微妙な揺さぶりや、相手のミスショットをさそう配球がなされるシーンがより増えてきます。ボールの軌道やスピード、回転量、左右だけでなく前後にの配給して、相手の強打を抑え、ヒッティングのタイミングを狂わようとする駆け引きですね。
 簡単に言えば、早いボールであれば食い込まれますし、予想よりもボールが遅ければ前のめりになります。優れた選手はどんなボールでもドンピシャのタイミングでアジャストさせる技術が高いものの、100パーセント対応できるわけではありません。リーチが短いと面だけではなく、奥行きにおいても必然的にストライクゾーンが小さくなりますし、リーチが長ければ大きくなります。つまり、小柄な選手はすばやく移動してボールに適切な場所まで体を寄せ、かつ、ドンピシャのタイミングでラケットを振り出さなければならないところを、大柄な選手は若干タイミングやポジションが若干ズレて雑に打っても大体のストライクゾーンにはまっているということとなります。特にバックハンド、その中でも両手バックはフォアよりもスイングの軌道が制限されていますので、ドンピシャ技術が特に重要ですが、その意味で小柄な錦織選手の技術が特別に高いことが分かる訳です。西岡選手のフラット気味のバックの技術も素晴らしいですよね。西岡選手が少なくともあと身長が10センチ高ければもっと上位に食い込めると勝手に思っています。
 さらに、リーチに加えて、体制を崩れを防ぐない下半身の強さや柔軟性があれば、それだけで相当有利と思われます。ジョコビッチですね。
3 対抗策はあるのか
 ジュニア時期にも日本人選手と海外の選手の体格差はありますが、技術の高さもあって日本人選手の活躍するシーンが多いですが、シニアに上がると、海外選手アジャストする力や体格がさらに良くなり、日本人選手がついていけません。女子選手も大型化する近年、小柄な選手が頑張っているのは技術の高さの証明であると思われますが、リーチの差に起因する海外選手の優位性をどう埋めるのかは大きな課題です。現段階では、技術と戦術の向上を図ることが重要で、すでにはやりになっているポジションの上げ下げとそれに応じた強靭かつきめ細やなフットワークと正確なヒッティングのその技術が中核となるのでしょうが、なかなか難しそうです。
 ちなみに、松岡修造さんも修造チャレンジで、当時、西宮甲英高のトゥロター・ジェームズ君(190cm)の懐の深さに期待していましたね。こうした、大柄な選手の発掘も必要かなと思います。
 
続く