こんにちは、西尾です!
引き続き、Rakuten SOY TRIP 2026の特別編です。
※来年以降、SOY TRIPに参加される方もきっといらっしゃると思うので、お伝えしておくと、このブログはネタバレしまくりです。もちろん毎年行き先や内容は変わるのですが、もし「自分で行くまでのお楽しみにしたい!」という方は、ここでそっと画面を閉じていただけると安心です。
🐉SOYTRIP2026ブログ一覧⛴
前回はDAY1、羽田から香港へ飛び、フェリーで国境を越えてマカオに入り、ウェルカムパーティーまでを書きました。
今回はいよいよメインとなる「中国のシリコンバレー」深圳です。
午前はテンセントの深圳本社を訪問し、午後はアリババ深圳センターで深圳ビジョナリートーク。
この旅で一番の「学びの日」でした。
DAY0で三木谷さんが「深圳ではきっと衝撃を受ける」と予告されていましたが、本当にそのとおりになった一日です。
とんでもなく長くなりますが、自分のために残しておきたいので、しっかり書きます、ご容赦ください。
それでは、SOYTRIP2026 DAY2を振り返っていきます!
バスの車窓からの、深圳講座
まず、この日はとにかく朝が早い!
ホテルの朝食会場が開くのが6時、集合が6時45分です(笑)
最高です。
そして、朝食美味しくて、毎日の楽しみでした!
必ずエッグタルトは一つは食べてました。



その後、出発!
出国審査を済ませて、フェリーで深圳へ向かいます。

深圳側での入国審査が思いのほか時間がかかりましたが、いよいよ上陸です。

深圳に入ってバスの窓の外のタクシーを見て思わず凝視しました。
普通に、無人運転タクシーが走っているんです。

実験でもなく、他の車と一緒に、当たり前の顔をして走っておりまして…日本で本格的に普及するのは2030年以降だとされてるので、到着していきなり「ここは違う」とわからされました。
そしてバスの移動中、ガイドさんが深圳について詳しく解説してくださったのですが、印象に残ったものを挙げてみます。
まず、深圳という地名の由来なんですが「深」は深い、「圳」は田んぼの近くの小さい水路を意味するそうです。
40年ほど前まで田んぼや水路が広がっていた場所に、いまの深圳という巨大都市がつくられた。
そう考えると、この街が遂げた変化の大きさに驚かされます。
面積は約1,997平方キロメートルで、東京都とほぼ同じなんですが、そこに約1,800万人が住んでいて、人口密度は中国国内で1位とのこと。
ガイドさんご自身が「2年間ふるさとに帰って戻ってきたら、まったく別の街になっていた」とおっしゃっていて、これが深圳のスピード感を一番よく表している気がしました。
商売の話として、特に印象に残ったのが問屋市場のくだりでした。
深圳には、洋服、電子部品、布、メガネなど、あらゆる分野の問屋市場が集積しています。
しかも、布市場のすぐ裏には工場があり、デザインを考えてからサンプルが完成するまで、最短わずか1日から3日。
ロゴのない商品を仕入れ、自社ブランドのロゴを付けて販売するOEMも、ごく当たり前に行われているそうです(笑)。
そして商品が出来たらすぐライブコマースで販売し、お客からのフィードバックを得て改善とのこと。
つまり深圳には、商品を「考える場所」「仕入れる場所」「作る場所」「売る場所」が近距離に集まり、思いついたものをすぐ形にできる環境が、街全体として出来上がっているんですよね。
そして、その深圳を象徴する言葉が、「時間は金なり、効率は命なり」
この言葉、町中にも掲示されてました。
問屋市場の圧倒的なスピード感を見ていると、この言葉が単なる標語ではなく、深圳という街の思想として、仕組みそのものに根付いているように感じました。
テンセント本社。Welcome Rakuten Ichiba to Tencent
テンセントの深圳本社を訪問させていただきました!



1998年に設立され、QQ、WeChat、QQ音楽、テンセントビデオ、テンセントゲーム、テンセントクラウドなど、幅広いサービスを展開する巨大IT企業です。
WeChatのユーザー数は、なんと約13億人(笑)。
中国では、仕事も友人も家族も、連絡はほぼWeChat。買い物や飲食店での支払いもWeChat Payで完結します。
ゲーム部門は世界トップクラスで、民間企業として中国最大級の時価総額を誇ります。
身近な企業で例えるなら、LINE、PayPay、任天堂、Netflix、Spotify、AWSを、すべて一社の中に抱えているような存在でしょうか。
単なるIT企業というより、中国の人々のコミュニケーション、決済、娯楽、仕事を支える「デジタルインフラ」そのものを一社が担っているという、とんでもないスケールです。
いざ館内へ進むと、ロビーの壁に掲げられていたのが、テンセントの社是でした。

ユーザー本位、ソーシャルグッドのためのテクノロジー。
これだけの規模のメガテック企業が、一番目立つ壁にこの2つを掲げていました。
そして通路の大型スクリーンには「Welcome Rakuten Ichiba to Tencent」の文字。

楽天市場の名前が世界的テック企業の壁に映っているのを見て、感動しました。
デモツアー。WeChatからデジタル敦煌まで
まずは、テンセントの事業や歴史を体感できるデモツアーです。
創業した1998年から現在までの歩みを追う、巨大なLED年表、WeChatのミニプログラム、視頻号(シーピンハオ)、QQ、広告事業など、テンセントが展開する事業の全体像を、実際の展示を見ながら案内していただきました。




テンセント独自のAIモデル「混元(HunYuan)」の展示や、ライブコマースの実演ブースもあります。


リングライト、スマートフォン、配信端末が一式そろい、その場ですぐに配信を始められる本格的なスタジオが、展示空間の中にそのまま再現されていました。
そして、個人的に最も印象に残ったのが「デジタル敦煌」です。

湾曲した巨大スクリーンいっぱいに、敦煌石窟の壁画が映し出される没入型の展示。
自分が目線を動かしたり、身体を動かしたりすると、映像もそれに連動して変化します。
まるで自分自身が敦煌石窟の中に入り込み、壁画を間近で眺めているような感覚です。
これは、時間の経過とともに失われる可能性のある貴重な文化財をデジタル技術によって保存し、場所を問わず、誰もが見られる形で未来へ残していく取り組みのようです。
AIや効率化、巨大なプラットフォームの話を聞きに来た場所で、見せられたのが、こうした文化を守り、未来につないでいく技術でした。
パネルディスカッション。まず自分たちの現在地を突きつけられる
デモツアーのあとは、パネルディスカッションです。
テーマは、
「AIを試す段階から、成果に変える段階へ― 中国最前線が示すAI活用の現在地 ―」
ファシリテーターは石神さん。

そしてパネリストは、テンセントクラウド副社長のトミー・リーさん、楽天グループ副社長執行役員の松村さん、常務執行役員の小林さんという超豪華メンバーです。

冒頭で紹介されたのが、SOY TRIP参加店舗への事前アンケートでした。
この結果が、なかなか興味深いものでした。
個人でAIを毎日使っている人は、2025年の44%から、2026年には64%へ。

会社として積極的に活用している割合も、12%から32%に増えています。
一方で、「ほとんど使わない」は18%から1%、「未着手」は33%から7%まで減少。
もはや、AIを使うかどうかを議論する段階ではなくなっています。
ところが、次の数字を見ると、少し景色が変わります。
AIが業務に定着し、売上や品質への貢献まで実感できている店舗は、33.8%。

成果まで届いているのは、3店舗に1店舗だけです。
残る3分の2は、AIが定着していても成果を実感できていないか、スポット利用や試用の段階にとどまっています。
主な障壁として挙がったのは、
改善サイクルを回す仕組みや体制がないこと。
セキュリティや情報管理のルールが整っていないこと。
そして、社内への浸透や定着が進まないことでした。
一方で、「どの業務に使えばよいか分からない」は、わずか8%です。
つまり、課題はAIの使い方を知らないことではありません。
一度試して終わるのではなく、業務の中に組み込み、改善を繰り返しながら、成果につなげられるかどうか。
参加店舗のほとんどがすでにAIを使っている。
それでも、3分の2はまだ成果に届いていない。
AI活用の現在地が、かなりリアルに表れた数字だと感じました。
テンセントが2兆円を投じて、何を得ているのか
続いて、トミー・リーさんから、テンセントのAI投資についてのお話です。
テンセントのAI投資額は、2025年の第1四半期が約3,600億円。
それが2026年の第1四半期には約7,200億円を超え、わずか1年で2倍以上になっています。
さらに、2026年の通年では約2兆円を見込んでいるそうです。
2兆円。
もはや、大きすぎて「すごい」という感想しか出てきませんが(笑)、ただ、そんな巨額の投資をしているテンセントでも、トミー・リーさんは「AI単体では、まだ大きな収益化には至っていない」と率直に話されました。
これだけ投資しているのだから、すでにAIだけで莫大な利益を生んでいるのかと思いきや、そう単純な話ではないそうです。
とはいえ、AIが成果を出していないわけではありません。
ゲームやマーケティングなどの既存事業では、AIの活用によって成長が加速し、
コンテンツの制作コストも大幅に削減され、社内で書かれるコードの40%以上がAIによって生成されています。
約1万2,000人のエンジニアが、日常的にAIを使っているそうです。
つまり、AIという新しい商品だけで、すぐに2兆円を回収するという話ではない。
AIを既存の事業や業務に組み込み、売上を伸ばし、コストを下げ、開発スピードを上げる。
会社全体の競争力を、じわじわと、しかし確実に底上げしているということです。
この話を聞いて、AIの投資対効果を「AI単体でいくら売れたか」だけで判断してはいけないのだと感じました。
AIを使って、新しい売上がいくら生まれたかだけではなく、既存事業がどれだけ強くなったのか、人が同じ時間で、どれだけ多くの仕事を進められるようになったのか。
そこまで含めて考える必要があるということですね。
2兆円という金額には、最後までピンときませんでしたが(笑)、AI投資の考え方については、かなり腑に落ちるお話でした。
そして、AI活用の進化についても、時代ごとに整理されていました。
・2023年までは、画像認識や音声生成など、限られた用途でAIを使う「AIを検知する時代」。
・2024年は、社内のナレッジ共有やカスタマーサポートに活用する「チャットボットの時代」。
・2025年前半は、広告素材やゲームのキャラクターなどを大量に制作し、コストを下げる「AIGC生産ラインの時代」。
・そして2025年以降は、コード生成や業務フローそのものを再構築する時代です。
日常的な反復作業はAIに任せ、人は監督・設計・判断に集中する。
話を聞きながら、では、自分はどの段階にいるのだろうと考えました。
ただ、よく考えると、楽天店舗の作業を自動化したり、AIにコードを書かせたり、これまで人が繰り返していた業務そのものを組み替えたりしています。
もちろん、テンセントとは会社の規模も投資額もまったく違いますし、2兆円と比べると、同じと言うには大きな勇気がいりますが(笑)。
それでも、目指している方向だけを見れば、意外と同じフェーズにいるのかもしれません。
AIを便利な道具として使うだけではなく、AIを前提に仕事の流れそのものを作り直す。
大事なのは、どのAIを使っているかではなく、人とAIの仕事の分担をどこまで再設計できているか。
テンセントの話を聞きながら、規模は違っても、自分たちが進んでいる方向は間違っていないと感じました。
差別化はモデルではなく、データとフィードバックループ
お話しの中で、一番持ち帰りたくなったのが、このお話しでした。
「LLMの時代に、企業の競争優位はどこで生まれるのか」
これに対する、トミー・リーさんの答えがとても明快でした。
AIのモデルそのものは、これからどんどん汎用化していく、つまり、どの会社でも似たような高性能AIを使えるようになり、「このAIを使っているから勝てる」という差は、少しずつ小さくなっていくということです。
では、どこで差がつくのか。
トミー・リーさんは、
「自社のデータ」
「AIを使ってきた経験」
「結果を改善し続ける仕組み」
この3つが重要だと話されました。
自分たちにしかないデータを、きちんと蓄積できているか、AIが出した答えに対して、「これは良かった」「これは違う」と評価し、その結果を次の改善につなげられているか。
そして、最終的に見るべきなのは、とてもシンプルです。
AIを使う前と使ったあとで、自社の仕事の質や成果が本当に変わったのか。
これは、かなり刺さりました。
高性能なAIは、これから多くの企業が当たり前に使えるようになります。
そうなると、同じAIを導入しただけでは、大きな差にはなりません。
本当に差がつくのは、自分たちにしかないデータをどれだけ蓄積し、AIが出した結果を次の改善にどれだけ生かせるか。
良かった結果だけではなく、うまくいかなかった結果も含めて蓄積し、次の判断につなげていく。
つまりAIの性能だけではなく、AIを使うたびに会社の中へ知識と経験が残る仕組みをつくれるかどうかです。
同じAIを使っていても、使うほど賢くなる会社と、毎回ゼロから使う会社では、時間がたつほど大きな差が開いていく。
企業の競争優位は、AIそのものではなく、その使い方を学び続ける仕組みの中に生まれる。
そういう話なのだと思いました。
エージェンティックコマースと、「均質化」という怖い話
そして、楽天さん側から語られたのが、これからの「エージェンティックコマース」についてです。
エージェンティックコマースとは、AIエージェントがお客様の希望を理解し、商品探しや比較、購入までをサポートする買い物体験のこと。
松村さんは、これが今後数年の大きなテーマになると話されました。
ただし、楽天さんが目指しているのは、AIが条件に合う商品を機械的に並べるだけの世界ではありません。
価格、レビュー、配送スピード、ポイントなど、条件だけで商品を選ぶと、AIの提案はどんどん似てきます。
極端に言えば、どの店でも同じ商品を、同じ理由で勧めるようになる。
便利ではありますが、店舗側からすると、「それ、もう店いらなくないですか?」となりかねない、少し怖い世界です(笑)。
だからこそ松村さんが強調されていたのが店舗ごとの強みや世界観を、AIエージェントの中でどう表現するかという点でした。
同じ商品でも、店によって売り方は違います。
価格を前面に出す店もあれば、使い方を丁寧に伝える店もあり、商品の背景や作り手の思いを伝える店もあれば、お客様の悩みに合わせて、別の商品と組み合わせて提案する店もあります。
そうした店舗ごとの違いまでAIが理解し、お客様に届けられるようにする。
楽天さんが目指しているのは単に商品を探すAIではなく、それぞれの店舗らしい接客ができるAIなのだと感じました。
続いて小林さんからは、その実現に向けた2つの課題が示されました。
ひとつは、店舗ごとの「売り方」や「接客」を、データとして蓄積することです。
現在ある商品名、価格、成分、在庫といった商品データだけでは、店舗ごとの違いまではAIに伝わりません。
この商品は、どのようなお客様に勧めるのか、どんな言葉で説明するのか、どの商品と組み合わせて提案するのか。
そうした店舗独自の販売方法や接客の考え方まで、AIが理解できる形で蓄積していく必要があるということでした。
もうひとつは楽天IDをもとに、お客様の趣味や好み、テイストを、より深く理解すること。
店舗側が伝えたい商品の魅力と、お客様が本当に好きなもの。
この2つをAIがうまくつなげられれば、単なる検索ではなく、かなり質の高い提案ができるようになります。
さらに、商品登録やクリエイティブ制作、広告運用といった店舗側の業務についても、AIによって大きく効率化していく方針が語られていました。
AIが広がると、どの店も同じようになってしまうと、最初はそう思いました。
ただ、逆に考えれば、これまで一部のお客様にしか伝えられなかった店のこだわりを、AIが多くのお客様に届けてくれる可能性もあるなと。
個性が消えるか、広がるか、それを決めるのは、AIではなく、僕たちが店の強みをどこまで言葉にできるかだと思いました。
↓貴重な機会なので、思い切って質問もさせて頂きました!
↓同じA-4班のしんさんも質問!チーム方針の「一番乗り」を体現!
社員食堂でランチ
午前の部が終わってお昼はなんとテンセントの社員食堂へ。

高層階の窓際に円卓が並んでいて、ターンテーブルを回しながらの中華です。



眺めは絶景、料理もおいしい、これが毎日の社食なのか、とざわつきました(笑)
辛い料理が多かったですが、どれもおいしかったです。
ごちそうさまでした!
HHO 克琳(かりん)さん
午後は場所を移してアリババ深圳センターへ。
午前はテンセント、午後はアリババ。
冷静に考えると、とんでもなく濃い一日です(笑)。
ここで行われたのが「深圳ビジョナリートーク」。
最初はHHO CEOの克琳さんと、楽天グループ執行役員の髙間さんによるトークセッションです。
克琳さんは2008年にアリババへ入社し、第一世代のTmallマーケターとして、6期にわたって「ダブル11(独身の日)」のコアメンバーを務められた方でカリスマです。オーラ感じました。現在はアリババグループの出資を受けて設立したHHOの社長・CEOを務められています。
ダブル11(独身の日)といえば、中国最大のECイベント。
たった一日で十数兆円規模の商品が動く、とんでもないイベントです。
その中心を6回も担ってきたと聞けば、克琳さんがどれほどすごい方なのか、少し伝わるのではないでしょうか。
商品開発が「一直線」から「輪っか」へ
お話の中で印象に残ったのが、中国のサプライチェーンの進化です。
これまでの商品開発は、ブランドが企画し、工場が作り、市場で販売する一直線の流れでした。
ところが現在は、販売データやお客様の声をもとに商品を企画し、小ロットで作り、市場で試し、反応を見ながら改善する。
一直線ではなく、ぐるぐる回る輪っかになっています。
その結果、従来は半年から1年かかっていた商品開発が、30日から90日まで短縮されることもあるそうです。
印象的だったのが、ブラインドボックスの事例でした。
ライブ配信中に「日本限定モデルがほしい」という声が上がり、すぐに試作。
2,000セットを生産し、20日で納品。
ライブ配信で予約販売すると、初日の夜に完売したそうです。
朝、バスの中で聞いた「布市場の裏に工場があり、サンプルが1日から3日で完成する」という話とつながりました。
一部の会社が速いのではなく、街全体が速く作れる構造になっているんですよね。
検索するECから、AIが理解するECへ
そして、中国ECの変化も非常に分かりやすく整理されていました。
最初は、淘宝やJD.COMのような「人が商品を探す」検索型EC。
次が、TikTokや小紅書のような、コンテンツを通じて「商品が人を見つける」EC。
そして次は、「AIが自分を理解する」AI ECです。
お客様が検索する前に、AIが好みや状況を理解し、必要な商品を提案する。
ここで、午前中のテンセントで聞いた話とやはりつながりました。
松村さんが話されていたエージェンティックコマース。
小林さんが話されていた、店舗ごとの売り方や語り方をデータとして残す必要性。
午前は楽天から、午後は中国ECの最前線から。
まったく別の場所で、同じ未来を指されました。ここが間違いなく次の主戦場なのだと思います。
ライブを「売る場」から「聞く場」へ
もうひとつ、持ち帰りたいと思ったのが、ライブコマースの捉え方です。
中国では、ライブ配信を単なる販売チャネルではなく、お客様をリアルタイムで理解する場として使っています。
何に反応したのか。
どこで迷ったのか。
どんな商品がほしいのか。
その場で数多くの声が集まり、商品開発や改善につながっていく。
正直、これまでは「売る場」としてしか見ていませんでした。
でも「聞く場」として設計し直せば、まったく違う価値が生まれそうです。
売ることより、聞くこと、そのほうが、結果的には売れるのかもしれません。
最後に、日本企業への提言として挙げられたのが、経営者自らAI活用を推進すること。
そして、お客様の声や日々の業務から得られるデータを、会社の資産として蓄積していくことでした。
特に「データを資産にする」という話は、午前中にテンセントで聞いた内容とも完全に重なります。
AI時代に差がつくのは、AIを導入した会社ではなく、AIを活用しながらお客様の反応を集め、試し、結果を見て、また改善する。
このサイクルを回し続けられる会社なのだと思います。
午前はテンセント、午後はアリババでしたが、別々の場所で聞いた話が、最後には一本につながりました。
そしてこれは、ラクリプにも取り入れていきたい考え方です。
AIで作業を自動化するだけではなく、使うほどデータや改善の経験が蓄積され、次の成果につながっていく。
ラクリプも、単に仕事をラクにするサービスから、店舗と一緒に学び続ける仕組みへ進化させたい。
そんな新しい構想まで持ち帰ることができました。
みずほ銀行・近藤支店長。数字で見る深圳と「80×80」の正体
続いて、みずほ銀行深圳支店長の近藤さんによるご講演です。
近藤さんは、香港、ベトナム、インド、ミャンマーでの駐在を経て、2024年から深圳へ。着任後の約2年間で、延べ600社ほどの現地企業と接してこられたそうです。
お話の中で出てくる深圳の数字が、とにかく強烈でした。
GDPは約81兆円で、中国では上海、北京に次ぐ規模。
市民の平均年齢は32.5歳。
ユニコーン企業は36社、輸出入額は中国国内1位。
自動運転タクシーや配送ドローンが街の中を走り、3Dプリンターの多くが深圳で生産されています。
そして人口は、この47年間で約30万人から1,800万人へ。
「人類史上最速の発展を遂げた街」と呼ばれるのも納得です。
さらに印象に残ったのが「歴史がない分、過去にとらわれず、さまざまなことに挑戦できる地域である」という言葉でした。
少し前まで田園地帯だったからこそ、守るべき過去に縛られず、新しいものを次々に試せる。
逆に考えると、歴史のある会社や街が変わるのが難しいのは、ある意味当然なのかもしれません。
そして、この講演で一番なるほどと思ったのが、中国企業のスピードを表す「80×80」の考え方です。
日本企業は、100%のお客様の、100%のニーズに応えようとする。
その分、品質は高くなりますが、完成までに時間がかかります。
一方、中国企業は、80%のお客様の、80%のニーズに集中する。
すべてを一つの商品に詰め込まず、浮いたリソースをマーケティングや次の商品開発に回す。
だから、次の商品をより早く出せる。
つまり、チャイナスピードは、ただ品質を妥協して生まれているのではなく、最初からリソース配分の考え方が違うということです。
「今の商品を完璧にする」よりも、「まず出して、反応を見て、次をもっと良くする」。
これは、僕自身も大切にしている考え方で、最初から100点を目指して時間をかけるより、まず出して、お客様の反応を見ながら改善していく。
頭では分かっているつもりです。
ただ、いざ実践するとなると、これがなかなか難しいんですよね(笑)。
「もう少しだけ良くしてから」
「ここも直してから」
とやっているうちに、気づけば時間がたっています(笑)
80点で出すには、意外と勇気がいります。
だからこそ、「80×80」という考え方は、自分にとって良い答え合わせであり、同時に少し耳の痛い話でもありました。
完璧を目指すより、改善の回転を速くするという、分かっていることを、どこまで本当にやり切れるか。
結局、そこなんだと思います。
海上世界のシーガルレストランでディナー
夜は、深圳にある「海上世界シーワールド」へ。


巨大な客船「明華輪」を中心に、レストランやショップ、エンタメ施設が広がる人気エリアです。
会場は、シーガルレストラン。

ガラス屋根のテラス席から水辺を見渡せる、とても開放感のあるお店でした。
そして、ここで嬉しい席になりました。
同じテーブルになったのが、なかむーだったんです。

なかむーは、2020年、うちの楽天市場の月商がまだ200万円ほどだった頃に担当してくれた、僕にとって最初のECCです。
僕は当時楽天市場のことが全く分かっていない。
実はなかむーもECCになったばかり、なかむーも、まだよく分かっていない(笑)。
そんな二人で、
「これで合ってますかね?」
「たぶん、いいと思います!」
と、今思えばなかなか心もとない会話をしながら(笑)、一つずつ試してきました。
それが今では、深圳のSOY TRIPで同じテーブルに座っている。
当時の自分からすれば、夢のまた夢の、さらにその先くらいの出来事です。
あの頃、二人で手探りしながら積み重ねた時間があって、今日ここにいる。
そう考えると、何とも感慨深いものがありました。
なかむー、本当にありがとう!
そして、始まったのが髙間さんによる中国茶のパフォーマンスです。
長い注ぎ口の急須を振り回し、かなり離れた位置から、茶碗へ一直線にお茶を注いでいきます。
もし少しでもズレれば、受け手側が熱い思いをするところですが、見事に命中。

会場は拍手と歓声に包まれました。
そして、さらにインパクトがあったのが、子豚の丸焼きです。
なんと豚の被り物をした石神さん、団長、副団長が、丸焼きを乗せた大皿を高々と掲げて登場(笑)


こういう真面目さと全力の遊びが同居しているのも、SOY TRIPの魅力なんですよね~。
深圳の夜を最後まで楽しむことができました。
食事の後は、音楽噴水ショーも見ることができました!

ライトアップされた水柱が音楽に合わせて上がって、その向こうに深圳の高層ビル群が並んでいます。
昼間さんざんAIと効率化の話を聞いた後だからこそ思うのですが、最後に人の心を動かすのは、やっぱりこういう体験なんですよね。
その後、フェリーでマカオへ戻り、入国審査、ホテルに着いたのが23時頃。
朝6時の朝食から数えて、17時間の一日でした(笑)
疲れましたが、学びがすごくて、なかむーとSOYTRIPでの再開も果たせて、忘れられない最高に一日でした!
本当にありがとうございました!!!
そして、いよいよ香港へ。
三木谷さんが出発前に、「深圳では、きっと衝撃を受ける」とおっしゃっていましたが、本当にそのとおりの一日になりました。
テンセントのAI、アリババを中心とした圧倒的な商品開発スピード。
ただ、学びは「中国はすごい」で終わる話ではありませんでした。
AI時代に差がつくのは、最新ツールを導入した会社ではなく、このAIにより改善サイクルを速く回せる会社なのだと思います。
深圳と同じ規模やスピードは真似できませんが、
・100点を待たず、まず動かす
・結果を次に使える形で残す
・成功を繰り返せる仕組みにする
この考え方は、今日からでも取り入れられると思うので、深圳で受けた衝撃を「すごかった」で終わらせず、どう仕事に落とし込むか。
帰ってからやりたいことが、また一気に増えました(笑)。
そして翌日は、バスで国境を越えて香港へ。
香港ディズニーランドでのチームビルディングです。
AIと経営について頭をフル回転させた翌日に、今度はディズニーで全力ミッション。
SOY TRIPは、なかなか休ませてくれません(笑)。
次回は、香港編です。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!