開祖は敗戦直後の日本の状況を見て、人づくりによる祖国復興を志し、少林寺拳法を創始された
しかし、戦後80年の今年、国力は衰退の一途を辿っています
国力が衰微している理由が複合的なのはわかっていますが、
ひとつには、武士の時代から日本人が大事にしてきた「ハラ」(肚)の意識がすっかり薄れてきてしまったからではないでしょうか?
日本語には、身体や身体の一部を使った言い回しや熟語がたくさんあって、それらを「身体言葉」といいます
身体言葉を集めた専門書があるぐらいで
その「からだことば辞典」には、身体言葉が6000語も収録されている
この「からだことば辞典」でも、「腹」には多くのページが割かれていて、それだけ日本人がハラを大事にしてきたことがわかります
しかし、それらは半ば死語になりつつあり、
それとリンクするように、
太っ腹な人、腹ができた人は、めっきり少なくなり、
腹の小さい人ばかりが増えてきている……
「息をするように嘘をつく人」や「今だけ、金だけ、自分だけ」という人はその典型
いきなり頭に来たり、キレる人も、腹がない人物
責任ある立場にある人が、何か問題が生じても「責任を感じる」だけで「責任をとらない」のも、腹がない証拠!
私腹を肥やす人だけは、あとからあとから出てきますが……
武道や坐禅は、その肚を強化する代表的な鍛錬法だったわけなので、私たちは拳禅一如の修行を通して、この肚の文化を復活させて、物心ともに日本を再び豊かにしていくミッションがあると考えています
時間はかかるかもしれませんが、皆さん、一緒に腹をくくって、
現代人が失いつつある肚を取り戻しませんか!
少林寺拳法は、護身練胆、精神修養、健康増進の三徳を兼備した修養法です
護身練胆の「練胆」は肝を練ること
肝=胆力とは、恐れたり、尻込みしない精神力、度胸のことなので、
「肚が据わる」(度胸があって物事に動じない)こととほぼ同義
精神修養もまた、心が乱れそうなときでも、ドシッと構えて物事に動じない精神、人に対し寛容な心の持ち主、つまり腹が出来ている人、度量の大きな太っ腹な人になること
いずれもハラを鍛えることが欠かせません
というわけで、2025年の後半、我孫子道院では、
肚の再生をテーマに取り組んでいきます
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105』