黒サビか赤サビか 悟後の悟りと残心(允可状を授与しました) | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

先日、准拳士初段に合格したN拳士に

允可状を授与いたしました

 

 

少林寺拳法では、昇級考試(8級~1級)に合格すると
合格証書が発行されて、

昇格考試(初段以上)に合格すると
允可状がいただけます

 

合格証書は文字通り、合格した資格を証明するものですが、

允可状の「允可」とは、「許すこと・許可すること」を意味しています

つまり、「後進の拳士に、少林寺拳法の技法と教えを伝えることを許可する証」が允可状ということ

 

したがって、允可状をいただいたのに、

後進たちの上達、成長に手を貸さないことは、
運転免許を取得してもクルマのハンドルを握らない、

ペーパードライバーと同じになってしまうと思っていい!

 

また、誰もが昇格考試、昇級考試、あるいは大会の前などは、

普段以上に熱心に稽古に取り組むことだろうが、

「熱く」なって、考試に無事合格しても、その直後に気が抜けてしまったら意味がない

 

「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるが、

熱くなった鉄も、そのまま放置していたら、空気中の酸素と水分が結合して酸化鉄、いわゆる赤サビ( Fe₂O₃)が出てきて、やがて内部が腐食してボロボロになっていってしまう……

 

人間も鉄も、一度熱くなったら、

冷めないうちに、叩いて伸ばして「鍛造」にする

それが本当に強くなるための要諦だ!

 

また

同じ錆(サビ)でも、赤サビでなくなく、黒サビ(四三酸化鉄 Fe₃O₄)ならば、緻密な被膜が金属表面を覆って、酸素や水分の侵入を防ぎ、それ以上のサビの進行を食い止め、鉄を保護を果たすので「良性の錆」といわれている

 

この黒サビは、高温(約900℃)の鉄に酸素が結びついてできるもの

人間の場合も、熱くなった人が、酸素ならぬ、仲間たちと交わることで「黒錆」になれるはず

 

つまり「更進一歩」

修行者はひと山超えたと思ったときに、更にその先を目指して一歩を踏み出すことを心掛けなければいけません

 

いわゆる「梧後の悟り」、武道的にいえば「残心」こそがが肝心なのです

 

(允可状を授与されるN拳士)

 

というわけで、允可状をいただいたN拳士も

一層研鑽に励んでください

 

せっかく黒帯を締めたのだから、

その黒帯が「黒錆」になるように、
みんなの中で、みんなとともに修練を重ねていきましょう!

 

 

左は二級の合格証書をいただいたT拳士
右がN拳士

 

左が級拳士の合格証書

右が有段者の允可状

 

◆参考◆
むかしの縦書き時代の允可状(↓)

(1枚目の写真は、このむかしの允可状のアップです)

 

現行の允可状(↓)

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『109』