ワタシにとって、大恩のある流山道院のI先生の奥様が急逝され、昨日、告別式が執り行われました
ご葬儀は、I先生のご意向で、金剛禅総本山少林寺の金剛禅式告別式の挙行要綱に則って営まれました
導師は、千葉県教区のF教区長
そしてF教区長のご指名により、W副教区長と、ワタクシが「脇士」を務めさせていただきました
金剛禅の教えは、
「生きている人間が、拳禅一如のたゆまぬ修行を積み、まず真に寄り所とできる自己を確立し、半ばは他人(ひと)の幸せと社会の発展のため役立つ人間になろうというものです。そして人間どうしの拝み合い(尊重)と援け合い(協力)により、平和で豊かな理想社会を実現するため、積極的に行動・実践していこうと説いています。天国や極楽はあの世にあるものではなく、この世につくるべきものです。それは神仏がつくるのではなく、人間が協力してつくりださなければならないものなのです。人間の心の改造と平和的な手段によって、地上天国を実現させようというのが、金剛禅の主張であり、この道を行じる私たちの願いであります」とあり、
死の問題よりも、つねに生についてを問い、
寺院の仕事=葬祭というイメージこそが、世間の仏教軽視の原因であるとし、金剛禅総本山少林寺という、れっきとしたお寺でありながら、むしろ今日の寺院仏教の葬祭を否定したきた歴史がある
そのため、金剛禅独自の葬祭儀式が確立していることは、拳士にもほとんど知られていない
ただ、開祖がご逝去されたときは、金剛禅式の葬祭が執り行われたと聞いているので、ワタシはかろうじて、金剛禅式の葬祭方法があることだけは認識していた
とはいえ、実際に金剛禅式の告別式に参列するのは、今回が初めてであり、まして「脇士」を勤めたことなど、一度もない
ワタシの知る限り、おそらく千葉県内でも金剛禅式告別式が挙行されたのは、初めてだったのではなかろうか
そこで、ご参考までに本山が制定している金剛禅式の告別式の次第をご紹介しておきます
◆告別式 次第◆
一、導師入場
一、一同礼拝
一、導師献香
一、表白文奉読
一、教典唱和
一、弔辞
一、献香(四弘誓願)
一、閉経の偈
一、導師退場
一、喪主挨拶
ワタシとしては、導師のF先生、司会のS先生、同じく脇士のW先生たちにご助言を仰ぎながら、故人の遺徳を偲ぶ追悼の場になるよう、精一杯お勤めしたつもりでありますが、お見苦しい点などがございましたら、未経験であったことに免じて、ご海容ください
なお、簡素、厳粛を旨とする、金剛禅式告別式らしさは、参列者の皆々様にも伝わったのではないかと思うのですが……
開祖は、拳法教範の初版本(昭和27年版)の第四章 宗教編の項で
「不合理な葬祭の改革こそ、金剛禅教徒の実践のあらわれの第一歩である」と訓えられている
それを実践された喪主のI先生に、心から敬意を表し、謹んでお悔み申し上げるとともに
奥様のご冥福をお祈り申し上げます
再合掌……