仕事の関係で、9月30日~10月2日まで、
栃木(那須)、福島、仙台に出張してきました
いずれも3月11日の大震災以降、はじめて足を運んだところでした
那須は地震の影響はなかったようですが、放射線が……
仙台は、ある種の復興景気で、ビジネスホテルはどこも満室で、繁華街やパチンコ店は、震災前よりかなり景気がいいという
しかし、一歩仙台市の郊外に行くと、道路が波を打っていたり、建物が大きくゆがんでいたり、倒壊していたり、崖が崩れていたり、etc.と、大地震の被災地だったことがよくわかる光景が広がっていました
そして福島……
震災前は、大体3ヶ月に一度ぐらいのペースで訪れていたのに、ちょうど春先の出張の直前に東日本大震災が発生したため、約一年ぶりの訪問となりました
そこで見たものは
去年と変わらぬ、福島の美しい姿でした
ワタシが出かけたのは、福島といっても福島市の北西部の山側で、いわゆるフルーツラインの辺りです
津波で壊滅的な被害を受けた海岸部の様子は、ワタシは未確認で帰京しましたが、
少なくとも福島市北西部の山間部では、パッと見た限り、地震の影響はすでになかったように思われます
幸いにして、お世話になっている人々も皆さんご無事で、
相変わらず親切で、逞しい人々でした
福島に滞在した10月1日は、山の中なので気温はかなり肌寒く感じましたが、お天気は秋晴れで、空は広く、山の木々は紅葉前で、まだ美しい緑をしていました
そういう意味では何もかも1年前の姿と変わりません
ただ一点、放射線量の高さを除いては……
ワタシの住んでいる千葉県北西部もそうですが、
同じ福島市といっても、市内で放射線量の濃淡はかなりバラつきがあるそうです
ワタシがお世話になった施設も、独自にガイガーカウンターを入手して、各部を測定。基本的に市内ではかなり低い数字(千葉県北西部と同じぐらい)で、雨どいや側溝などの放射線量が高かった部分は高圧洗浄機などで除染を行なったとのこと
しかし…………
実際に福島にいってわかったことは、放射線は本当に見えないし、触れないし、におわないということ
例えかなり危険な数値でも、政府のいうとおり、ただちにその身体への影響を体感できることはないだろう
それだけに恐ろしいし、避難その他の対策をするにも、被害と恐怖の実感がない分、余計に辛く、負担が大きい!!
震災前と何も変わらない光景、なのにデンジャラスゾーンであるということを認知、認識することは、想像以上に困難だ
こんなことをいったら怒られてしまうかもしれないが、いっそうのこと、放射能の影響で木々が枯れはて、異臭でも漂っていた方が、まだ踏ん切りがついたのではとさえ思えてくる
美しい景色と、愛すべき人々が住む地域を、恐怖と不安のどん底に追い込んだのは、一体全体誰なのか?
開祖は1972年の年頭挨拶で
「不正に対して怒りを燃やし、一身の利害得失を度外視して破邪の行動に挺身する若者を育てたい」
「少林寺拳法の拳士はひとり残らず正義の勇者であるべき」
と訴えている
また
「不正に対し怒ることを忘れ、勇気を持って行動することのできない者は、もはや人間の名に値しない」と著書にある
少林寺拳法の運動、金剛禅運動は、
「正直者がバカを見ない、平和で豊かな世の中」を目指す運動である
しかしいま、経済的な利益と、自分の保身、人命よりお金を優先する人々によって、「平和で豊かな環境」が脅かされている
未曾有の大震災に直面しても、暴動等を起こさない高い倫理性は、世界に誇るべきことではあるが、怒るべき時に、怒るべき相手には、きちんと怒りの声をぶつける必要があるのではないだろうか
開祖曰く
「力愛不二の力を忘れて、愛だけでは世の中は決してよくはなりません」
「いつの間にか、力を忘れた愛だけの教えに堕しつつあるのではないか」
いまこそ、行動する少林寺拳法の真価を世間に問う場面といえるのではないだろうか
最後にもうひとつだけ、開祖の法話を紹介したい
「自分らがまともに生きていける社会に世の中を変えていくには、一人ひとりが「これはよろしくない」と思ったことに対し本気で怒り、そのための行動を本気でする――そこまでいかなんだらどうしようもない、そうだろ?」
※写真も何点か撮影してきましたが、あえて掲載しないことにしておきます