今日は、全日本少年少女武道錬成大会
我孫子道院からも5組10名+2名(稽古錬成のみ)の12名の小学生拳士が参加した。この大会のいいところは、相対評価ではなく絶対評価を採用しているところ。
つまり上位●組が入賞、表彰というのではなく、
一定水準(3人の審判の合計点が255点以上=ひとりの平均85点以上)以上の評価を受けた組は、組数を限定することなく優秀メダルを授与するという仕組みで、いかにも少林寺拳法らしいと、ワタシは大いに気に入っている。
ちなみに演武の採点は、
技術点が、6構成×10点=60点
表現度が
・構成・リズム・節度=10点
・体構え・立ち方・美しさ=10点
・気迫・気合・冴え=10点
・目配り・調息・残心=10点
の合計100点満点×審判3名=300点満点でジャッジされる
基準はそれぞれ8点(「できている」)で、基準より良くできていれば加点され、やや劣っている場合は減点される
我孫子道院の拳士たちは、どの子も82~83点平均(合計246~249点)の実力はあるのだが、
そこから審判一人当たりあと1~2点もらえるかどうかが、ひとつの壁になっていて、
毎年入賞したりしなかったりという、きわどい線を行き来している
でも大事なのは、入賞するかどうかではなく、
大会に向けた稽古に取り組んできたこの1ヶ月ちょっとのなかで、自分がどれだけ伸びたかということ
そして武道の殿堂である、日本武道館の大舞台で演武を披露することができたという経験
この二つは参加拳士全員の財産になるに違いない
入賞できなかった拳士は、悔しい思いをしたり、「あと一歩、何が足りなかったのか?」と考えがちだが、比べるのは他人でも点数でもなく、少し前の自分自身
1ヶ月前、2ヶ月前の自分と比べて、どれだけ上達したかが肝心で、武道館で大勢の人が見守る中で、自分たちの演武ができたのなら、十分胸を張っていい
そういうことを、この大会で学んでもらえれば大収穫だと思うのだが……
一方、指導者として振り返ってみると、指導上、手を抜いた部分は一点もないので、反省点はとくにない(キッパリ!)
しかし、学んだ点はたくさんある
一番考えさせられたのは、上達の上昇曲線の見極め方
大会に向けて演武の練習をはじめて半月ぐらいは、どの拳士も順調に伸びていく
しかし、1ヶ月ぐらいたってくると、次第に頭打ちになってくる
そこで手を変え品を変え、上達の減速に歯止めをかけようとするのだが……
大抵の場合、ここで各拳士の伸び具合を確認し、自分の中で「大会までにこれぐらいのレベルに達する」という見込みを、リアリティのあるものに訂正していくのだが、稀にそれを下方修正しすぎて失敗することがある
というのも、しばらく伸び悩み傾向だった拳士が、本番直前、最後の最後にもうひと伸びすることがままあるからだ
その伸びる力を、見誤ってしまうと、結果として伸びシロを残したまま本番を迎えることになりかねないので、期待は目に見えている部分より、ちょっと大盛りぐらいがちょうどいい
実際、今回も大会前日になって、どの拳士もグイッともうひと伸びしてくれた
その伸びる力を引き出す鍵は、けっきょくのところ集中力が握っているとワタシは睨んでいるのだが、集中力の持続は大人にとっても大きな課題、まして子供は……
そこを工夫するのが、指導者の務めなので、さらなる精進を重ねたい
次回のチャレンジが楽しみだ!?
本番はちょっと緊張気味だった我孫子道院の拳士たち
(緊張するのはやる気のある証拠なのだが、最高のモチベーションのまま最高のリラックスを体現するのが、武道の修行で目指す境地。道は遠い!?)
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『107』