009オリジナル構成版1巻レビュー | 80年代の洋楽とか

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記事を書いてきた『サイボーグ009《オリジナル構成版》』。
その1巻が到着しました。早速レビューしていきます。
中身の画像は掲載しません。
 
この本、一般書店ではまだ並んでいないと思われます。
amazonとかでもまだ予約中になってますし(発売予定日は24日)、
昨日行った千葉の三省堂(ヨドバシの上)にはなかったです。
古いマンガ家さんの本も多く置いてあるので、ここにないことはないはず。
私は復刊ドットコムで直接注文しています。
復刊ドットコム発売の本の場合、直接注文すると発売の1週間ぐらい早く来ます。
以前も確かそうだったと思います。
 
まずは事前の記事で、「大きさはShotaroWorld版と同じ」とさんざん言ってきましたので、
そのShotaroWorld(SW)との比較をしていきます。
 
 
見ての通り、やはり大きさは同じでした。
発表されていた画像にはついてなかったのですっかり忘れていましたが、帯がついてます。
また表紙の色は黄色ですけど、レモンイエローといった感じで、思ったよりも薄いです。
 
また、これもこれまでの画像では出てきていない(と思う)、
裏表紙も見てみましょう。
 
 
この模様みたいなものは何でしょうね。009には出てこない気がします。
2巻が同じになるのか、違うのか。
そういえば話は変わりますが、復刊ドットコムでは009以外にも、
雑誌サイズで出たもののコンパクト版がA5サイズで出ることはこれまでにもありました。
「鉄腕アトム」とか「火の鳥」あたりですかね。
石ノ森作品でいえば「仮面ライダー」が、カラー完全版が売り切れているので、
来年あたり、A5判で出るかもしれないですね。
 
 
厚みも見ておきます。
これも価格から想像はしていましたが、今回の《オリジナル構成版》のほうが厚いです。
紙が厚いということなんでしょうけど、
紙の場合、厚い=高品質、とは言い切れないんですよね。
ちなみにページ数はほぼ一緒です。
掲載範囲がほぼ同じ(後述)である一方、
表紙をカットしている、通常の単行本バージョンと同じSW版が、
表紙を挟んでいるためにページが増えているはずの
《オリジナル構成版》と同じページ数になっていますが、
SW版も各回の表紙は巻末に載っているので、ページ数は変わりませんでした。
 
1巻の最後がどこになるかについて、以前の記事で予測しましたが、
雑誌の切れ目ではなく、SWと同じで、黒い幽霊団がX島を去るところで終わっています。
(サンデー・コミックスでは223ページまで)
ただ単行本で加筆された、船団が去っていく見開きの2ページが収録されていないので、
余韻がなく、あっさり終わる感じです。
話の区切りがはっきりするので、加筆ページがあるほうがクロージング感が出ます。
 
なお、表紙はコーティングがされています。これは◎です。
ShotaroWorldはコーティングがないので劣化が激しくなっている部分があります。
 
帯を外してみました。アーレー(笑)。
 
 
実は1点、気になっていた部分があります。
この1巻のサブタイトルは、当初単に「誕生編」と呼ばれていたと思うのですが、
途中から「プロローグ/誕生編」になっていました。
そして今回のこの表紙も、サイトの画像では「誕生編」となっていたのが、
「プロローグ/誕生編」になっていました。
 
カバーを外してみましょう。
 
 
009のシルエットが現れました。
これは連載6回目の表紙に使われている009をシルエットにしたものです。
 
中身について、すでに言われている部分も含めて。
気づいた点を羅列しておきます。
・「サイボーグ戦士」(プロローグ)が完全版で掲載されている
・カラーページ再現
・カラー完全版では貼られていなかった一部ページのスクリーントーンが貼られている
・解説は新規
・石ノ森氏が語る009誕生のエピソード掲載(1977年版)
 
「サイボーグ戦士」が完全再現されているのが、今回一番驚いたことです。
というのも、この「サイボーグ戦士」は50ページあるのですが、
うち46ページが書き下ろしで、残る4ページは
連載1回目の冒頭5ページを4ページに編集したものでした。
その話はSW版の解説にあったので知っていましたが、
編集された4ページを再現したものは、私はこれまで見たことがなかったです。
今回それが再現されたのは恐らく、
再現しないと話の流れがおかしくなるというのがあったと思います。
これはうれしい誤算でした。
ただ、最終ページの最後にあったコメント「ここからは『サイボーグ009』を読もう」が
今回なくなったことで、話の区切りがぼやけたように思います。
 
(以下2024/5/29追記)
『カラー完全版』に、この4ページを追加したものがありましたので、
再現を見たのが見たことがない、というのは私の勘違いでした。
ただし『カラー完全版』は「サイボーグ戦士」については講談社カラー版を再現しており、
いくつかのページがオリジナルと異なり彩色、あるいは2色カラーになっています。
雑誌版の再現という意味では今回が初めてになります。
(追記終わり)
 
カラーページの再現はもともと言われていた話ですので驚きはありませんが、
それでもやっぱりうれしいものです。
今回のカラーページは5ページ。プロローグの3ページ+連載時の表紙2回分です。
またプロローグの3ページは、これまでの単行本ではなぜか縮小して掲載されていましたが、
今回はカラー完全版と同様、カラーかつフルサイズ(コマ枠をはみ出した形)での収録となっています。
 
009の追加スクリーントーンは、子どもの頃は肯定派でしたが、今では「不要派」です。
追加のスクリーントーンは、最初の単行本化である
サンデー・コミックスが出版された際に貼られたものです。
そのサンデーコミックスでも11巻以降は追加のトーンは貼られていないですし、
SWでも少年サンデー連載以降の17巻からは貼られていません。
今回、すでに貼られているほかのページに合わせて追加でトーンを貼ったことは理解しますが、
雑誌に載ったオリジナルを読みたい私としては、
この構成にするのであれば追加のトーン自体不要だと思いますし、
さらに言えば、単行本化で変更になったコマやせりふも元に戻してほしいと思っています。
追加になったページは抜いてるのですが、それだけではオリジナルではないんですよね。
出版社側もそれはわかっているようで、
それが《オリジナル構成版》というネーミングに現れていると思います。
雑誌と同じ形で収録してますよ、でもオリジナルの完全な再現ではないですよ、
という意味で「構成」の文字を入れているんでしょう。
 
今回、サイズがA5ということで、新書判の単行本よりは大きい、
一方A4判と比べて絵がち密に見える感じで、これはこれでありかなと思います。
特に、雑誌からスキャンしている(と思われる)原稿がアラがあまり見えないのは高評価ですが、
これはもしかしたら技術の進歩が関係しているかもしれません。
ただ1巻の場合は表紙だけでしたが、今後、
「ミュートスサイボーグ編」や「ヨミ編」では本編にスキャン原稿が出てくるはずですので、
そのあたりがどうなっているかも気になります。
 
(以下2024/5/29追記)
と、この本の感想に触れてきましたが、価格について追記しておきます。
4000円+税という価格、どうお思いになるでしょうか。
普通のコミック単行本の感覚でいえば、明らかに高いですよね。
ジャンプコミックスなんかは今でも500円台ですし。
ちなみに、今も出版が続いているサンデーコミックスの「009」1巻は900円+税です。
これと比較した場合に、判型は大きい、ページ数はやや少ない、
紙質はいい、カラーページ再現など考えると、
大手であれば2000円台後半で出すことはできそうです。
26年前に出た同じサイズ、同じボリュームのShotaroWorldが1000円+税、
6年前に講談社から出た雑誌サイズのヨミ編復刻版が約4000円と考えても、
コスト上昇を勘案してそのあたりが妥当ではないかと。
ただ、今回は少量生産でおなじみの? 復刊ドットコムです。
大手のように数出しませんので、その分価格に跳ね返るというのが通例です。
12年前に出た『カラー完全版』が12300円+税でした。(続刊では価格が上がっています)
そこから判型は半分の大きさ、ボリュームも半分、それ以外はほぼ同じ、
そして12年経過した分のコスト上昇を考えれば、
4000円というのはそこまで高いと感じない、というのが私の感想です。
同じ判型で出ている「鉄腕アトム」なども似たような価格ですし。
大手が手を付けないことをやっているので、
これぐらいの価格であれば仕方がないと私は割り切っています。