1982年のUKヒットから厳選し、CD1枚分に収めました。
今回はその2曲目です。
カルチャー・クラブの「君は完璧さ」でスタートしましたが、
2曲目はこの大物のデュエットでした。
Ebony And Ivory / Paul McCartney & Stevie Wonder
「エボニー・アンド・アイボリー」ポール・マッカートニー&スティーヴィー・ワンダー (新・日本の80s洋楽ヒット134)
全英1位(年間9位)/全米1位(年間4位)/オリコン26位
シングルジャケットに書いてある言葉通りですね。
当時からすでに大物だった2人によるデュエット。
この当時、私は洋楽は聞いていなかったんですけど、
そんな人間でもこの2人の名前ぐらいは知っていました。
一般人でもわかるような有名人2人によるデュエット。
当時の日本でいえば、沢田研二と井上陽水がデュエットした、くらいなものでしょうか。
(この年、陽水プロデュースのジュリーの作品は出てますがデュエットはしていません)
日本では、ポップフィールドで大物同士のデュエットなど聞いたことがなかったので
(演歌ではあると思いますが)、
海外でこういったことが実現できる環境は、すごいなと思ったものでした。
そういう2人のデュエットですから売れないはずはなく、
英米で1位を獲得。
日本でも最高26位と、かなりのヒットになりました。
ちなみにスティーヴィーにとってはこれが初めての全英No.1ヒットでした。
1980年にジョン・レノンがなくったとき、
ポールの創作意欲はだいぶ失われたようで、
これまでは毎年のようにアルバムが出ていたポールですが、
翌1981年はアルバムは出ませんでした。
ようやく、その翌年に出てきたアルバム『タッグ・オブ・ウォー』からの先行シングルがこれでした。
(ないわけではないですが)あまりメッセージ色が強い曲は出さない傾向があったポールが、
スティーヴィーと、人種差別に対する問題提起として書かれたこの曲をデュエットするというのは、
やはり亡くなったジョンの影響があると思います。
黒檀(色)=黒鍵と象牙(色)=白鍵、
ピアノで隣り合っているこの2つがあってこそ完璧なハーモニーが奏でられる。
なぜ私たち(人間)はそうしないのか?
曲はほんわかした、よくあるマッカートニーテイストであり、
そこまで名作感はないと思いますが、
歌詞がそれを補って余りあります。
成績も優秀ですし、1982年の洋楽を語る上で外せない曲だと思います。
ただこの曲はアーティストの知名度や内容など、存在自体が大きいので、
1曲目に持ってきちゃうとその重みが大きくなりすぎてしまい、
全体のバランスを欠くように思えたので、
もう少し軽やかに聴けるように、2曲目にしたという感じでしょうか。