今月七日に立秋をむかえ、空が高くなり、日中の陽射しは厳しいものの、やはり空気がどこか変わってきましたね。
明日二十三日は、二十四節気の第十四、「処暑」です。陽気はまだ留まるものの(残暑)、その峠は越え、落ち着いてくる時期です。
二十四節気や七十二候、八月はけっこうこれらを肌や空気でも実感しやすいものがあります。
先日開催した日本料理のテーブルマナー所作クラスでは、研修としてご参加くださった新人の方々もいらっしゃったことから、「社会人としての素養を高めるために、一つの手がかり、よりどころとして、二十四節気や七十二候を意識してみるといいですよ」とお話し、分かりやすい資料を配布いたしましたら、大変ご熱心にメモをお取りになって、その懸命なお姿はとても印象的でした。
「手がかり」「よりどころ」って、本当に幾つになっても、まずは「何によって、それが期待できるのか」を知りたいものですよね。今後、そのアドバイスが、新人の方々のご参考になればいいなと願います。
画像は、またまた見つけてしまった、大雨の翌日、転がっていた可愛いカエルの合唱長靴
→ 公園で
→ 神社で
→ 道で
→ 美術館の前で
→ 植え込み近くで
子どもの靴、本当にどれも可愛いく、特に長靴の絵柄は微笑ましいものばかり。親御さんも、選ばれる時、きっと迷われるだろうな。
カエルの長靴は、分かりやすいように、立てかけておきました。
主の元、片方だけの合唱から、大合唱に戻りますように。長く賑やかな輪唱になりそう。
見つかりますように。ではなく、見つかりましたように
ケロケロケロケロ クワクワクワ
以前、パッヘルベルの『カノン』がお好きという男性から、
「カノンとはどういう意味ですか?」と尋ねられ、
「一つの旋律を間隔をあけて追って演奏、歌っていく構成の音楽ですよ」と説明をしたら、
「??????」というお顔をされていたので、
「『かえるの合唱』のようなものです」と説明をしたら、
「なるほど!」と とてもよく伝わったことを思いだしました。
パッヘルべルの『カノン』と『かえるの合唱』を同列に・・・・・・。
どちらも名曲です。間違いない
※『かえるの合唱』のベースは、ドイツ民謡
ケロケロケロケロ クワクワクワ
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さてさて、間が空いてしまって失礼いたしました。先月ホテルオークラの山里で開催した、会食倶楽部 のメンバーの方々とのランチ会の様子を、引き続きご案内したいと思います。
その一 (装い編) → ★
その二 (お料理) → ★
前回の更新の際、当日ご提供いただいたお造りに添えられていたキュウリの花と葉に感動したことを記しました。
一人ひとりに、この花をつけた実りはじめのキュウリが添えられることは、もうそれ自体が申し訳ないほどありがたい夏の盛り付けで、思わず、ご参加くださったメンバーの方に、どれほど貴重で、贅沢か、「お写真を撮るのならば、ぜひ、この部分を」とまでお伝えした一皿でした。
※お料理の撮影は、必ず事前に確認、お断りを入れてくださいね
この部分、それも新鮮な状態って、もちろん仕入ではあるだろうけれども、すごいことです。
自分自身が毎年、お盆の精霊馬、牛用に(もちろん食卓用としても)、キュウリとナスを栽培しているので、その状態がどれくらいのタイミング(一瞬)であるのかも把握しているだけに、このような盛り付けには、敏感にもなります。
特に今年は大変厳しい暑さに見舞われましたので、例年通り(水やりオンリー)にはいかず、実ってはすぐにダメになるといった繰り返しでした。
仕入れたあしらいものの、栽培方法・環境は、全く異なる別物だとしても、育てるお手間は理解していますし、新鮮な状態を維持したかたちで提供される「おもてなし」の背景を考えると感動しちゃいます。
改めて、当日ご提供いただいたお献立をご紹介します。
<お献立>
~塗り板にて~
●突出し 海そうめん、湯葉豆腐、山葵酢 叩きおくら、くこの実
●小吸物 鮎一干し 上澄み仕立 蓮芋、針茗荷、蓼の葉
●お造り 炙りいさき叩き 薬味 ごま油風味
鮪 季節の芽物 山葵
~塗り板にて~
●焼物 鱧木の芽焼 茗荷子甘酢漬
●煮物 冷やし茄子 かに 利休あん 小芋 青味
●揚げ物 鱸から揚げ 豆腐 旨出汁 万願寺 生姜 薬味
●お食事 冷やしそうめん 旨出汁 薬味 海老 冬子 錦糸玉子 冬瓜
●お食後 季節の果物
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焼物、「鱧木の芽焼 茗荷子甘酢漬」と、煮物 「冷やし茄子 かに 利休あん 小芋 青味」です。
この日いただいたのは、小会席。そのため、二つのお料理(この場合、焼き物と煮物)を同時に一つの塗り板に、二皿ご提供いただくかたちでした。
このようなご提供方法、見た目にも賑やかになり、いいですね。
さて、このような場合(二品同時)、どのようにして召し上がるといいでしょう。フフフ。
夏の味覚、鱧! やはりプロの方の骨切りの処理があって食べられるものですね。ありがたい。
メンバーの皆さんとは、祇園祭のお話もしながらいただきました。生命力のあるお魚、暑気払いのランチ会ですから、力がついた思いです。
鱧に続き、夏が旬、鱸! なんて贅沢なんでしょ~
出世魚の鱸、そして柔らかい揚げたてのお豆腐、少し濃いめのお味つけが、夏の暑さで堪えている体にはいいですね。これがまたいただいたシャンパーニュともうんと合いました。
お食事、「冷やしそうめん 旨出汁 薬味 海老 冬子 錦糸玉子 冬瓜」。
お素麺の盛り付け、もうこれがやはりプロのこだわりですね
皆さんにまず「見て! 見て!」とお箸をつける前に確認していただいたのは、自宅での茹で方との違いです。
お素麺の端が揃っているということは、適度な束(けっこう細かく)を糸留めして、茹でて、切りそろえているということです。
自宅ではしないこと、綺麗な盛り付けを意識するからこそのお店のアウトプットですね。そして彩。ここにも基本の五色がしっかり反映されています。
ご参加くださったメンバーの方々には、このような「彩」を意識するだけでも、違いますよとお話しをいたしましたが、お酒を多くいただいて、少々ご機嫌さん状態だったため、どれくらい皆さんのハートに解説が印象づけられたかは、定かではありません。フフフ。
向日葵の折り紙が添えられていましたしっかり頂戴してきました。なんて素敵なお心遣い、演出でしょう!
調理場ではプロの調理師の方々が心をこめてお料理を作ってくださいますが、フロアでもまたこのようにできることがあるものです。それがあるのと、無いのとでは、けっこう大きい。素晴らしいコラボレーション。
惜しみなく培われた技術、お稽古を積んでくださったことを発揮してくださって、感謝ですね。このようなところに、働いていらっしゃる方の素敵な「自主性」を感じ、一層一皿をいいもの、あたたかいものにしてくださって、ありがたいです。
普段、テーブルマナークラス や会食倶楽部 でお世話になっている大志満でも、お食後(デザート)の時に、やはりフロアの女性の方々がお手間をかけて折ってくださったものが用意されています。
最初はどなたかの、自主性から始まったこととか。そしてそれが、現在全店舗にも一つのおもてなしの形として、広まっているそうです。素晴らしい共有。
西瓜に用いられた鎚目のお皿、この手作業の凝ったお皿は、熱伝導に優れていて、冷やされたお皿に載せられた西瓜は最後まで冷たく、美味しくいただくことができました。
このような食器遣いのこだわりにも、おもてなしを感じます。ありがたいです。
ご馳走様でした。長いお付き合いをしてくださっているTさん、いつもご案内ありがとうございます。また伺わせてください。
ランチ会の後は、メンバーの皆さんそれぞれの目的地、次の予定へとまた向かわれました。
「会食倶楽部」 とは称していますが、私は社会人の受講者様お一人おひとりの時間やスタンス、そしてライフスタイルを尊重しておりますので、拘束することはなく、またお引止めしたり、ながくつるんだりといったことはいたしません。
皆さんがパッと集って、良い時間を共有して、またパッと次の行動へと切り替わる。このメリハリがいいなーと思っています。私自身も、素敵な時間を共有させていただくメンバーの一人だと思っています。
当日お越しくださった皆さん、素敵な時間をありがとうございました! またご案内いたしますね。