一月十一日は鏡開きですね。


お正月にお供えした鏡餅を「切る包丁」でもなく、「割る」でもなく、「開く」。宴を締めくくる時も「お開き」。 


この日本人が大切にする表現、言霊いいものですね。

画像は銀杏ギンナンを茹でたもの。先日の会食倶楽部の際に用意した銀杏を、茶碗蒸しに入れるため、丁寧に皮を 剥きました。

     

茹であがった直後は、もっと翡翠色鶯色が絶妙に混ざった様子で、それはそれは美しいのですが、お皿とカメラを用意しているうちに、やはりトーンダウンしてしまうものです。それでも綺麗。

 

 

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さて、昨年末に開催いたしました会食倶楽部 の様子がまだ途中ですので、

 今回の更新で、当日いただいたお料理の幾つかをご案内したいと思います。  

 

 


 会食倶楽部は、食礼 咲が運営する

 

テーブルマナークラス   (フレンチ、日本料理)を受講くださった方がご参加になれる会員制のクラスです。

季節のことや、文化的なこと、社会人として身に着けて おきたい教養を中心に、学んでいただいております。

受講者様は、お食事をしながら、講義に耳を傾け、感受性を豊に、感性を磨きにいらっしゃっています。








年末の会食倶楽部のテーマは、

「冬至正月、一陽来復!」でした。

 

ご参加者様の皆さまにお配りする「一陽来復」のお札を、私がクラス前日に、 早稲田の穴八幡宮でいただいてきました。

   

その様子は、先月の更新でご覧いただけます。

 →   その一

 私が用意した冬至に因んだ盛りもの、床の間の様子はこちらになります。

 →   その二

 



 

 【お献立】 冬至らしさ、運盛りをお願いしました

 先付  利休豆腐

 前菜  七福七運 (運盛り)打ち出のこづち

 吸物  百合根ふかし 鰤ブリ

 造り   盛り合わせ

 煮物  治部椀

 焼物  鰆の南天焼き南天 蕪寿し

 酢物  柚子釜ゆず

 食事  鯛めし

 食後  果物 

 



さて、こちらのお献立をご覧になって、どれほど冬至らしさや、新年を迎えるイメージを膨らませられるでしょうか。  

 

毎度、調理長が立ててくださるお献立のご案内が届くと、食材や表現からイメージできる様子に期待が高まり、 「こんな感じかな」、「こうなるのかな」とクラス当日まで  一人でワクワクしております。


 

【吸物   百合根ふかし 鰤】

 

百合根も鰤も季節もの。この時期の歳時記にも登場します。 

 

魚へんに「師」。師走焦るに出回ってくる魚が鰤。

 

また、お世話になっている大志満さんは加賀料理をご提供してくださるだけに、北陸地方の12月頃の気象現象「鰤起こしピカッなどについても、クラスではお話をするようにいたします。

 

画像では、お椀の様子ではなく、お椀の様子をご紹介。この時期ならではです。漆塗りのお椀に、南天南天

  

ご提供いただく一つひとつに、心のこもった選択がありますね。

「難を転じられますように」と。

 
   

 「造り 盛り合わせ クリスマスバージョン】

   

いかがでしょう! ちょうどクリスマス前でしたので、お皿にはリースが。あしらいにクリスマスツリークリスマスツリーや、 ブーツに星星、そしてヒイラギが。

 

リースは芋がらに、クリスマスらしいリボンが巻きつけられていて、調理長のご厚意から「どうぞお持ち帰りいただいて、ご自宅でお使いください」と。 

 

ありがたい、クリスマスプレゼントですね。
 


自宅に持ち帰り、リボンを外してみると、これはこれはもう驚いてしまいました。

 


芋がらは、なんと、よってあるの水引きに、きつけられていました。 


ここまでのお心遣い。 恐れ入谷の鬼子母神です! 

 

ありがたくって、ありがたくって・・・・・・。

金と銀。

それも水引で・・・・・・。

   

お心遣いもですが、調理長のセンス、そして技術力に深い感銘を受けました。本当にありがとうございました。

  



いただいた芋がらは、水に戻して、美味しく納豆汁使わせていただきました。

     

受講者様方にも、あまり馴染みが無かった芋がら、私は納豆汁に入れて、食感を楽しみます。

 

<お勧めの具材>

 

大根だいこん人参にんじん里芋里芋長ネギ長ネギ焼き豆腐焼豆腐油揚げ油揚げ芋がら

 

具材を煮込み、お味噌(信州味噌あたりがグッド)で味を調えたら、細かく刻んだ納豆なとぅーを投入。納豆の量は、それぞれの好みで。

 



   

【焼物 鰆の南天焼き南天 蕪寿し 】

十二月を連想させる鰤の後に、春という文字のつく 鰆の登場。この献立の流れに脱帽ですだつぼう1

   

南天の葉に、メレンゲの泡を淡雪として、その上に 乗せられたイクラは、南天の赤い実南天


もう素晴らしい!!

 

私のクラスや会食倶楽部では、このように盛り付けの解説を一瞬で読み取って、共有するようにしております。 


 

更にさらに、今回ご提供いただいたこちらのお皿が、これまたお見事でした。 


竹を水平に割った断面となっています。

 

真上から見ると、一瞬気付き難いのですが、線の入り方、そして目線を落として横から見ると、竹であることが分かります竹

 

釉薬のかけ具合がいいですねぇ~。

   

富山県出身の母が用意する蕪寿しと、大志満さんがご提供くださる加賀の蕪寿しは、風味が少し異なり、近いけれども、地域によってほんの少しかわるところが大変興味深いです。


   
2017年より始めた会食倶楽部、メンバーの皆さまと ご一緒にお食事をいただきながら、実際に年中行事を行っていただいております。

行事とは行うこと。実際にやらないとね。


二月はちょうど三日の節分に開催節分

 

翌日は立春です。


「立春大吉」で、また皆さまとご一緒に、立春正月を寿ぎたいと思います。