相変わらず遅れてますが、今日は2週間ちょっと前の7月17日に映画館鑑賞した「インサイド・ヘッド2」のレビューをします。
映画館鑑賞は約3ヶ月ぶり。最後にみたのは「Perfect Days」です。
忙しいのもあるけれど、あまりみたい作品が映画館で上映されないのです。
でも今回はお誘いもあって「インサイド・ヘッド2」鑑賞。
前作がとてもよかったし、ディズニーチャンネルの契約をしてないので、ピクサー映画は配信でみられないから。
前作のレビューはこちら。五つ星つけてます。2015年鑑賞。
余談ですが、原題は「Inside Out」 だけど、邦題が「インサイドヘッド」と似てるので、混乱して、こちらでInside Headをみたと言い間違えそうになる 英語圏に住む人にはアルアルかも。
鑑賞劇場は誘ってくれた人の希望で「オデオン・スター」というアデレードで一番古い映画館。セマフォーという、家から車で30分ほどの海辺の街にあります。
1920年にオープンしたアールデコ様式の劇場。
上は1943年の写真。
現在の写真。
うちの近所のカプリシアターは1941年の建造だから、20年早い。
シアターオルガンのあるカプリシアターの方が外装も内装も美しいけれど、ロビーの古い映写機の展示は嬉しかったです。
ちなみにカプリシアターの記事はこちら。
「オデオン・スター」ではどの映画も料金が大人も子供も一律$10!
今の日本円で970円くらい。
最新作なのにずいぶん安いのでちょっと心配になりましたが、大きな上映室は映像も音響も座席も申し分なくて、大満足です。
ではレビュー。
「インサイド・ヘッド2」(2024)
人間が抱く「感情」たちの世界を舞台に描き、2016年・第88回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサーのアニメーション映画「インサイド・ヘッド」の続編。
少女ライリーを子どもの頃から見守ってきたヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの感情たちは、転校先の学校に慣れ新しい友人もできたライリーが幸せに暮らせるよう奮闘する日々を過ごしていた。そんなある日、高校入学を控え人生の転機に直面したライリーの頭の中で、謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に現れたのは、最悪の未来を想像してしまう「シンパイ」、誰かを羨んでばかりいる「イイナー」、常に退屈&無気力な「ダリィ」、いつもモジモジして恥ずかしがっている「ハズカシ」という、大人になるための新しい感情たちだった。(映画.com)
日本語吹き替えになるとどんな印象になるかわかりませんが、英語ではAnxietyシンパイ役(オレンジのキャクター)はイーサン・ホークとユマ・サーマンの娘のマヤ・ホークさんでした。
絵的にはシンパイのキャラクターデザインだけ他のとくらべて人間味がないというかエイリアンっぽいので、そこがちょっと残念。一応「悪役」だけど、このキャラだって人間にはかかせない感情だから、少しは共感できる見た目があってもよかったかも。
前作では11歳だった主人公のライリーが13歳になり、思春期を迎えて起こる感情の変化を擬人化して描いていて、大人がみても興味深いです。あとから日本語の解説をみたら、よく高校生になったライリーって書いてあるけれど、日本的には中学生の年齢だよね。「ハイスクールに入学したライリー」という言い方の方がまだ誤解がないかも?
子供時代は嬉しかったり、悲しかったり、怒ったり、とシンプルな感情で生きていたけれど、思春期になって複雑な感情が加わって、本人も周りの大人もそれとどう付き合ったらいいのか困ってしまう。
こんな風なアニメーションで理解することができるのはとてもいいこと!
と思ったら、隣で一緒にみていた13歳の女の子が映画の最後に泣いている。
感動したのかなぁと思ったら、怒って泣いていたので驚きました。
彼女のお母さんは中国人とフィリピン人のハーフで、お父さんは白人のオーストラリア人なのだけど、子供の頃はエキゾチックで本当に美人さんだったのに、今では白人っぽさはまったく消えて、見た目が主人公ライリーに「捨てられた」親友の一人、グレイスに似ています。
そして偶然にも彼女の名前もグレイス!
ティーンエージャーとなってちょうど生きづらい毎日を送っている自分を投影して泣いてしまったのかな。
それだけ胸にささる、パワフルな映画だったといえますね。
かわって一緒にみていた友達の11歳の女の子はお父さんが白人のオーストラリア人、お母さん東欧系の白人とむしろ主人公ライリーに似ていて、スポーツ万能の元気な人気者。
期せずして映画の世界とシンクロした体験となりました。
そういえば後ろに座っていた小さい子供はすっかり退屈していたから、この映画はアニメといっても、理解できる年齢であることが大切ですね。
私にとっては期待どおりの、見応えある映画で、楽しみました。
渦中にある子供にはむしろつらいし、反発するかな。
過ぎ去ってから、そういうことだったと懐かしむか、子供の心を理解するために大人がみると良い映画なのかもしれません。
四つ星半。