江藤農相がNHKのテレビ(2025年5月17日、サタデーウォッチ9)で、とんでもないことを言っている。
コメの小売価格の高騰について、「米は玄米でも食べられる。精米をせずに食べれば(玄米を食べれば、玄米を買えば)、精米の手間が省けてコストが下がる。支出は少なくてすむ」。
きちんと見ていたわけではないから、私の聞き間違いかもしれないが(そして正確な発言の記録ではないが)、これはあまりにもお粗末な発言である。
論理的には江藤は間違っていない。たしかに精米過程を経なければ、価格は安くなるはずである。しかし、実際の小売価格は、精米したものより玄米の方が高い。
私が購入しているエフコープ生協(福岡)の5月4週分の価格を見ると、玄米は1商品しかなくて、2キロ2030円(税込み2192円)、精米は2キロ1930円(税込み2084円)である。他の週も同じだったと記憶している。
これはたぶん、他の小売店でも同じだろう。
江藤は、スーパーへ行ってみたと言っていたが、実際には言っていないのだろう。コメの値段を確かめていないのだろう。
インタビューしていたNHKのアナウンサー(だと思う、男と女)もコメの値段を知らないのだろう。知っていても、それは記者が書いてきた記事でしか知らないのだろう。だから、江藤の発言に対して「いや、玄米の方が精米したものより高い」と反論できない。たんに江藤の発言を追認しているだけである。これでは、報道機関の仕事をしているとは言えない。
精米の流通の仕方と玄米の流通の仕方(管理の仕方)が違うために、玄米の方が高くなっているのだと思うが、そういうことも含めて、きちんと取材しないから、こんなでたらめな報道になるのだ。政府のいいなりの報道になるのだ。