2020年07月07日(火曜日) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

 ピカソの作品には、「整えられる前」の事実がある。
 私たちは、すべて「整える」ことを教えられる。
 「整えられたもの」が他者との「共有できる認識」になる。一点透視の遠近法は、私たちに「ものの見え方」を整える。そして、私たちは、「整えられた世界」へ入ってゆき、最初に見た事実を忘れてしまう。
 ピカソは、その「整えられた世界」を破壊し、「整えられる前」の視力に帰っていく。「整えられる前の欲望」のままに、世界を再現する。

 私は、ことばで、同じことをしたい。
 「結論」へ向けてことばを整えていくのではなく、「書き始めること」が結論なのだ、「書いている(書きつづけている)事実」が結論なのだ。
 書くことがなくなったら、それで終わり。