嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(75) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

* (愛するということはそういうことだろう)

夕顔の白い花を
大地から小鉢に植えかえることだろう

 これは逆の言い方も成り立つ。

夕顔の白い花を
小鉢から大地に植えかえることだろう

 「愛」とは、そういう「逆」が成り立つほど、「領域」が広い。
 それは「愛する/愛される」(能動/受動)においても言える。そのとき次第なのだ。でも、そのとき次第といいながら、この「逆」をつらぬく変わらぬものがある。
 植え「かえる」という「動詞(運動)」である。「場所」が問題なのではなく、「かえる」という行動が「愛する」ということなのだ。「植えかえない」という選択(行動)もあるが、「しない」よりも「する」方が「愛」が大きいと思う。




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)