自民党憲法改正草案を読む/番外349(情報の読み方)
2020年05月08日の読売新聞(西部版・14版)の28面の見出し。
国内感染100人下回る/3月30日以来 福岡は1人
この「見出し」の数字は、記事そのものであり、「正確」だ。
しかし、正確さを考えるとき、それが事実と合致しているかだけではなく、なぜその数字が選ばれたのかを考えないといけない。つまり、「事実」の取り出し方の「正確さ」というものがある。
100人検査して100人陽性だったというのと、1000人検査して100人陽性だったというのでは、同じ100人でも「正確さ」に不備がある。「感染率」が違うから、100人と言っても「事実の重さ」が違う。
この記事は、もうひとつ「情報」がある。見出しにはなっていない。(番号は、私がつけた。)
①国内では7日、新たな感染者が計96人確認された。(略)死者は東京都で5人、大阪府3人、兵庫県2人などだった。(合計数は不明)
②6日の国内の感染者は東京都38人、北海道23人、大阪府12人、福岡県1人など全国で105人。死者は東京5人、群馬2人など6都道県で計11人に上った。
「死亡率」が以前は2%前後、最近は3%くらいで推移し、少しずつ上昇する傾向にある。8日午前0時現在の累計では、感染者1万6287人、死者603人、死亡率3・7%である。死亡率は、私が計算した。つまり新聞には書かれていない。
で、6日だけの増えた感染者と死者の関係でみると。感染者105人、死者11人だから、死亡率は10・5%である。死者は当然、治療中だった人だろうから、その日の感染者と死者の割合を出してみてもどうしようもないのかもしれないが、死者が増えているなあ、という「実感」にはなる。最近、死者の割合が増えているなあ、ということを実感させてくれる。
最終的にどうなるのかわからないが、このまま感染者は少なくなるけれど死者が増えていくということがつづけば、死亡率は当然高くなる。イギリス、フランス、スペイン、イタリアのように10%を越すだろう。フランスは20%近くの死亡率である。
日本の死亡率を2%におさえるという「目標値(?)」はすでに破綻している。私は、公表されている数字が事実を正確に反映しているとは考えていない。操作された数字だと疑っている。その疑っている数字の中にあらわれる「変化」(死亡率の上昇)は、でも、ごまかせない。だから、ここにこそ、「真実」が隠れていると思う。死亡率はきっと10%に、これから近づいていくと思う。「肺炎」で死亡したが、新型コロナ感染者であるかどうかわからない(検査されていない人がいる)という告発がネットなどでは流布している。そういう人をふくめるとすでに10%を超えているかもしれないが、そういう「わからない」部分を除外しても、いまのように「感染者」を絞り込む(検査をさせない)という操作をつづけても、死亡率は徐々に上がると思う。
どの国の対策がいちばん効果的だったのか(科学的に正しかったのか)という判断は難しいと思うが、ドイツの死亡率の低さ、感染者16万8276人、死亡者7277人、死亡率4%が際立つ。日本の現在の死亡率はそのドイツをさえも下回っているが、とても不思議である。数字の操作がおこなわれているとしか、思えない。その操作の「むり」が、これから徐々に表面化してくると思う。
私はいつでも書かれていない情報に意味があると思う。「検査数」のように、新聞を読んでいるだけの私にはわからない情報もあれば、そこに書かれている情報を組み合わせることで見出せる隠れた情報(死亡率)のようなものもある。死亡率は「隠されている情報」というより、「隠すことのできない情報」と呼んだ方がいいかもしれない。私は、そういう「どうしても露顕してしまう情報」の方を信じる。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。