今月の将棋倶楽部24の結果と今年の24総括 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんばんは。雁木師でございます。今日は今月の将棋倶楽部24の結果と今年の24を総括したいと思います。なお今回は、自戦譜紹介はお休みします。長文となりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

まずは今月の24の結果から。私は24にいくつかのルールを設けて指しています。詳細はこちら。なお、解析には「ShogiDroid」を使用し、先週は8局、今週は8局解析しました。では結果報告に入ります。

総合成績:36勝44敗。勝率.450
手番別の勝敗は以下の通りです。
手番別勝率:先手番勝率.378 後手番勝率.511
今月は負け越しで終えました。星の流れを見ると、先週は勝ち負けが交互に続くスタートから2連勝2連敗4連勝2連敗と波が激しく、最終盤の3連敗が響き指し分け。今週は6連敗スタートから始まり、その後も2連勝3連敗と不振が続きました。後半に4連勝で巻き返すも負け越しで終えました。内容は先週の日曜日から急速に悪くなった感じで、勝った将棋も一瞬のアヤに救われた感じです。自分の将棋に迷いがあったような気もします。次に戦型別の勝敗を見ていきます。
まずは自分から見た戦型から。今月はelmo囲いが多かったです。elmo囲いに関してはオリジナルの5筋位取りと右四間飛車のコラボレーションができなくなり、苦戦を強いられている格好です。そんな中で、右玉が復活の傾向にあります。主に中飛車相手ですが相居飛車でも存在感も発揮。今週は3局連続で右玉を採用したこともありました。
相居飛車では矢倉が多いものの負け越し。相矢倉の将棋で勝てなくなったことが響いています。次に相手から見た戦型を見ていきます。
相手から見た戦型は振り飛車では中飛車、居飛車では矢倉が最も多かったです。中飛車はゴキゲン中飛車も多いですが、角道を止めた中飛車も目立ちました。対抗策は超速中心から右玉へ転換しています。矢倉は急戦矢倉が中心ですが、意外と金矢倉の昔気質の将棋も多かったです。主導権を握れるかが現代将棋のカギ。先手を取られてしまうとずるずる不利に持ち込まれることが目立ちます。序盤からの駒組みに神経を使う将棋が増えた要因でしょうか。
 
 

以上が今月の将棋倶楽部24の結果です。現在のレートは777点、最高レートは1,106点です。先週は指し分け、今週は負け越しとレートの低下した状態で終えました。また浮上できるように、一から練り直しです。

 

さて今年の将棋倶楽部24の実施は今週が最後です。そこでここからは、今年の将棋倶楽部24を振り返りたいと思います。

2020年成績:475勝485敗。勝率.494
手番別の勝敗を見ていきます。
手番別勝率:先手番勝率.464 後手番勝率.523
 
今年の24は負け越しでした。手番を見る限りでは先手番で勝てなかったことが響きました。手番の流れを見る限りでは「後手番地獄」が続いたこともありましたが、個人的にはそこまで影響していないと思います。相居飛車だと手番で戦術に変化が出てきますが、対抗形では影響は少ないとされています。とはいえ、一般的に先手番が高いとされる将棋で勝ててないのは何とかしたいところです。では戦型別の勝敗を見ていきます。
まずは自分から見た戦型から。この表だけでは見づらいので文面で今年全体を説明します。今年最も多く指した戦型は居飛車はelmo囲い、振り飛車は三間飛車です。elmo囲いは夏場に採用数を減らしましたが、9月に復活。やはり鈴木肇さんの著書を読んだことが影響しました。そこから自分なりの新戦法を編み出し、実戦で繰り出してみたという感じです。年間採用数は昨年比の約2.5倍ほど増えたでしょうか。
三間飛車増加の理由は三間飛車藤井システムを5~6月にかけて連採したことが要因です。ただし、一過性のもので継続的に基軸となって採用されたわけではありませんでした。後程月別の振り返りを行いますが、やはり居飛車ベースの自分の将棋には合わないのかと思いました。ただし、雁木や右玉への含みで復活の可能性はないとも言い切れないところです。三間飛車の年間採用数は昨年と比較して数字自体は大きな変化はありません。ただし、昨年はコンスタントに採用していたので今後は減少傾向が続きそうです。
その他の戦型に目を転じますと、角換わりは昨年比で少し増加。右玉は大幅に減少。矢倉、左美濃、相掛かりが一気に採用数を増やしました。軸となっている戦法が現状はelmo囲いのみ。相居飛車は角換わり、矢倉、相掛かりを中心になるかと思います。次に相手から見た戦型を見ていきます。
文字が細かいので見えづらいかと思いますので、こちらも文面で説明したいと思います。相手から見た戦型は年間で最も多かったのは中飛車です。中飛車は年間を通して安定して採用数がありました。ゴキゲン中飛車と先手中飛車が中心ですが、後半から角道を止めた中飛車も登場。バリエーションと分かりやすさが安定した採用数につながりました。年間採用数は昨年より微増です。
2番目に多かったのが四間飛車です。四間飛車も安定した採用数です。基本は美濃囲いの定跡系ですが、最近では美濃囲い一辺倒からの脱却を図る将棋も目立ちます。年間採用数は昨年より微減です。今年の振り飛車は中飛車と四間飛車が軸。三間飛車も交えた振り飛車が軸になりました。
居飛車では矢倉が最も多く、角換わりが続きます。矢倉は急戦型も多いですが昔ながらの金矢倉も目立ちます。矢倉への対策は相矢倉も有効ですが、最近は左美濃で対抗することもあります。
角換わりは腰掛け銀が流行りですが、早繰り銀や棒銀の将棋もあります。最近の角換わりは早い段階で決着がつくこともあります。矢倉も角換わりも採用数は昨年に比べて増加しました。その他には相掛かりや横歩取りが増えました。その一方で「その他」と呼ばれる力戦は昨年より減少しました。居飛車と振り飛車の採用比率は6:4で居飛車が多かったです。
 
以上、今年の将棋倶楽部24の全体を振り返りましたが、その月によって戦い方が大幅に変化したことがこのような成績に結びついた要因ではないかと思います。そこでここからは、自分から見た戦型を軸に月別に振り返りたいと思います。まずは上半期から。
 
1月のピックアップしておきたい事柄として、英春流への挑戦は語らずにはいられません。今年の最初に英春流に関する書籍を紹介させていただきました。結果として英春流のマスターに至ることはできませんでしたが、このときに染みついた定跡系への変化が後に自分の将棋に影響していきます。
 
2月は右玉がマイブームとなりました。もともと右玉は対振り飛車でのエース格でしたが、紆余曲折あって減少。しかし、英春流の反動がここで一気に噴出。右玉は振り飛車相手に多かったのですが、2月の最終週は不振に陥ったことがこの後どう影響するか…。
 
3月になり、右玉依存からの脱却を図った私。その流れがelmo囲いを主力戦法に押し上げる契機となりました。角換わりや相掛かりと言った相居飛車の将棋も増え、「技巧派」から「本格派」へのモデルチェンジを模索します。
 
4月から実施方式を変更。基本として、毎週4日間に分けて実施することにしました。この時期は本格派への転身を目指したこともありelmo囲いを連採するようになります。一方で相居飛車の将棋はやや苦戦を強いられることに、エース格の角換わりで星を落とすことになります。
 
5月に入り、私は再び大胆なモデルチェンジを図ります。居飛車党本格派から三間飛車藤井システムを基軸としたのらりくらり型の将棋への転身です。相振り飛車も辞さない覚悟で三間飛車を振ることいくばくか…。その背景には居飛車で勝てなくなったことが要因ではないかと思います。
 
6月になると、三間飛車への依存度がさらに強くなりました。この月の三間飛車の採用率は85%超え。三間飛車藤井システムへのこだわりが強かったと思います。ただしやみくもに三間飛車に拘ったのではなく、三間飛車から居飛車に振り直す将棋もありました。ゆえののらりくらり型の将棋だったと思います。
 
と、ここまで上半期の流れを見てきました。1月の英春流への挑戦から始まり、気づいたら三間飛車党に転身していたという上半期でした。変わり身が速いのか、我慢ができないのか…私はおそらく後者だと思います。そうでもしなければ短期間で主軸戦法がコロコロ変わるということもないのかと思います。では、下半期も振り返りたいと思います。
 
7月から解析にタブレットを導入。戦型は再びモデルチェンジです。のらりくらり型は変わりませんが、三間飛車から再び右玉へ路線を変更することになり、受けを主体にした将棋への切り替えを図ります。振り飛車と見せかけて右玉というスタイルが確立されるのかと思いましたが…。
 
8月になると再び戦法が変化。角換わりとelmo囲いを軸とした将棋にシフトチェンジ。右玉は急速に採用数を落とし、再び本格派に帰結します。独自の型の構築に苦労しているという感じでしょうか。
 
9月も路線自体は本格派ですが、elmo囲いに新しいエッセンスを取り入れた「5筋位取りエルモ囲い右四間飛車」を対振り飛車で連採。試行錯誤もあって大きく負け越すも、相居飛車の戦いでの貯金で勝ち越しています。
 
10月に入り、対振り飛車の戦法に変化が出てきます。これまではelmo囲い一辺倒でしたが、ゴキゲン中飛車対策の代表格である超速が台頭してきました。一方で相居飛車の将棋も変化が見えました。角換わりを基軸とした将棋から、相掛かりや横歩取りを軸とした激しい将棋が増えたのもこのころからです。
 
 

11月から将棋倶楽部24は道場に新バージョンが登場。新しい様式に慣れながらの戦いが続きます。戦型は「爆速棒銀」の筋を軸とした駆け引きが目立ち、早繰り銀や相掛かりが目立ちました。基本としては前月と路線は変更ありません。

 

そして今月。冒頭で話しましたが、後半の失速が響き絶不調に終わりました。基本路線は相居飛車は相掛かりから矢倉が軸。対抗形はelmo囲い一辺倒からの脱却を目指し右玉を取り入れています。

 

 

以上、今年の24を月別に見ていきました。全体として負け越しで終えたのは様々な要因がありますが、やはり軸となる戦法が不振になったときにどう対応するかが一つの課題となります。それが顕著に出たのが振り飛車対策です。将棋のスタイルも短期サイクルでコロコロ変わる癖を直さなくてはいけないと思います。

 

 

 

さて、来年の将棋倶楽部24の実施開始は1/7(木)。年明け最初の結果報告は1/17(日)を予定しています。なお年内の更新はもう1回行う予定です。次回の年内最後には「あつまれ!描く将」に関する話をしたいと思います。

 

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 
 
 

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