「B級戦法」と今月の将棋倶楽部24の結果 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんにちは。雁木師でございます。今日は来月から始まるNHK将棋講座のテーマ「B級戦法」と今月の将棋倶楽部24の結果報告を行いたいと思います。長文となりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

まずは、「B級戦法」について。4月からのNHK将棋フォーカスの講座は、阿久津主税(あくつ・ちから)八段による「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルです。ここでいう「B級グルメ」とは、将棋における「B級戦法」と呼ばれるプロの公式戦ではなかなか見ないけど有力な戦法と言えるものです。一体どんな戦法が紹介されるのか…。今月16日に発売されたNHK将棋講座テキストの4月号を読んでみました。

4月号のテーマは「奇襲戦法」ということで、いかにも魅力的かつ指されると嫌だなあという戦法が書かれています。私の今の自分の将棋スタイルを表現するなら「本格派居飛車党」と思っています。基本的には矢倉、角換わりが軸で、最近は相掛かりや左美濃もやっています。振り飛車相手には以前は右玉を連採することをいとわなかったですが、最近はelmo囲いを多く使っています。今回の講座で紹介されるであろう派手な奇襲や奇をてらう将棋は好んで指すことはほぼありません

しかし一時期は「角頭歩戦法」を将棋ウォーズで試してみたことがありました。激しい変化になることが多く面白かったですが、あまり勝率は良くなかったと思います。面白そうな講座でどんな戦法が今後取り上げられるのか。個人的には英春流を検証していることもあり、「かまいたち戦法」をぜひ阿久津八段目線で解説してほしいと思っています。プロ棋士が「かまいたち」をどう深めていくかはとても興味深いところです。新講座のスタートは4/5(日)のNHK将棋フォーカス放送分から。「B級グルメ戦法」の世界に注目が集まりそうです。

 

次に、今月の将棋倶楽部24の結果です。私は24にいくつかのルールを設けて指しています。詳細はこちらから。今週は解析に「ShogiDroid」を使い、先週は8局、今週も8局解析しました。それでは結果報告に入ります。

 
総合成績:38勝42敗。勝率.475
手番別の勝敗は以下の通りです。
手番別勝率:先手番勝率.366  後手番勝率.540
先週は五分の星も今週は大きく負け越し今月は負け越しで終えました。先週の星の流れは、連勝と連敗が交互に続いた状態で五分。今週は序盤に3連敗、中盤に6連敗、終盤に4連敗と連敗が目立って負け越しです。内容は先週も今週も平均手数が100手を割りました。それだけ早い段階で勝負ありという局面が多く、粘り切れない将棋が多かったという印象です。次に、戦型別の勝敗を見ていきます。
まずは自分から見た戦型から。今月は比較的分散傾向。以前のような特定の戦法に極端に集中する傾向から変化が見られます。多かったのは最も多かったのはelmo囲い。今や右玉に変わる対振り飛車の最右翼ですが先週から減少傾向。後程相手から見た戦型別勝敗でも説明しますが、相手の振り飛車の採用が減っていることも影響しています。2番手は角換わり。これも先週までは安定して3週連続で5局採用が続きましたが、今週は2局に採用数が減少。変わって相掛かりが頭角を現し、新機軸候補に名乗り出ました。今月は10局以上採用された戦型は4つ。今年はここまで1月は3つ、2月も3つときていたのでここにきて分散の傾向がみられています。次に相手から見た戦型を見ていきます。
相手から見た戦型は居飛車は角換わり、振り飛車は中飛車が最も多く指されました。角換わりは腰掛け銀が多いですが棒銀、早繰り銀も出ています。中飛車はゴキゲン中飛車はもちろん多いですが、角道を止める中飛車も目立ちました。中飛車への対抗策としては、自分の場合はメインはelmo囲い。右玉や左美濃も使います。居飛車では矢倉や相掛かりが2番手、振り飛車は三間飛車が2番手ですが最も多く指された角換わりや中飛車と比べて数が少ないです。勝率に関して言えばほぼ五分五分ですので、それ以外の戦型での勝ち星が勝敗を分ける形です。先週までは居飛車と振り飛車のバランスが取れてましたが、今週はほぼ居飛車に偏っています。その影響で自分の戦型のelmo囲いが予想以上に伸びず、相掛かりが増えました。その一方、自分の戦型に三間飛車が減りました。これは三間飛車藤井システムの勝率が芳しくなかったことから、思い切って相掛かりに切り替えたという背景があります。
 
 
ではここからは、自戦譜を見ていきます。今回は、最近私の中でじわじわ来ている相掛かりを見ていきます。先週の24の将棋から、後手番が私です(持ち時間設定は「15分」)。
 
初手からの指し手
☗2六歩 ☖8四歩
☗2五歩 ☖8五歩
☗7八金 ☖3二金
と進んで相掛かりが確定しました。
 


前に佐藤慎一五段の書籍紹介でも触れましたが、従来ならここですぐに☗2四歩と飛車先の歩を交換するのが主流とされてきました。しかし現在はすぐに☗2四歩とは突かないのが主流となっているようです。本譜も相手は上図から☗7六歩と角道を開けてきます。私は☖7二銀と右銀を上げたところで飛車先の歩を交換しました。以降は、お互いに隙を作らないように駒組みを行います。そして迎えた下図の局面。ここから相手が仕掛けます。
 


仕掛けの手は☗7五歩。☖同歩と取れば☗7四歩の桂取りから後手の右辺をゆさぶることができます。私はそれを許してはいけないと☖8四飛と浮いて7四の歩を守ります。ここから一気に局面が動きました。☖8四飛以降
☗2二角成 ☖同銀
☗5六角
と相手が角交換から7四の地点を狙ってきたのです。
 


☗7四歩が成立すれば先手は桂得が確定します。しかし、この手は悪手とアプリは判断。その理由は次の一手が激痛だったからです。
☖4四角
 


先手の飛車の位置が両狙いの餌食の地点にあり、結局飛香両取りが受かりません。戻って☗5六角に代えて☗8八銀と受ければまだ分からなかったか。以下は☗2五飛と逃げるも☖3三桂がまたもや飛車アタリ。☗2七飛と逃げたところで、☖9九角成と香車を入手します。以下
☗7四歩 ☖5四香
☗7三歩成 ☖同銀
☗3四角
と進行して下図の局面です。


 
☗3四角は☗4四桂の王手金取りを狙った一手。これに対しては☖5七香成が王手角取りの返し技。以下は☗同玉に☖3四飛と角を取ってほぼ勝負あり。以降は相手の中住まいを桂馬で崩し、54手で私の勝ちとなりました。
 


投了図以降は☗7七同金なら☖同馬が厳しく、先手が飛車を取っても攻勢に転じることは難しいでしょうか。アプリでは、☗5九金と金を寄って玉周りを固める手を推奨していますが、一旦☖7六龍と引いて堅実に優位を維持すれば大丈夫というところです。
 
この一局を振り返ると、やはりカギを握ったのが☗2二角成につながった仕掛けでしょうか。本譜は☖4四角がとても厳しい一着で、となると前述したように☗5六角と角を手放す前に☗8八銀とキズを消す一手があればまだ互角だったでしょうか。相掛かりは神経を使う将棋とも言われています。自由度が高い分、構想力が問われるゆえなのですが工夫次第で面白くなるかなというところです。最近はプロ棋戦でも相掛かりが多く出てきましたが、高度な技の応酬にも注目してみたいです。
 
 

以上が今週の将棋倶楽部24の結果です。現在のレートは769点、最高レートは1,106点です。今週大きく負け越したことでレートが急降下。また修正して、来月を迎えればと思います。

 

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 将棋へ
にほんブログ村