病床六尺
正岡子規 岩波文庫 1927 2022改訂版新聞に連載された日記的随筆。口述筆記後の原稿が2日後に載るという今でいうブログのようなものだろうか。内容は 病勢の報告、時評、俳句・書画絵画についての評に至る。幅広い好奇心と知見、アイディアがある。能楽界のこと、山梨の一村の風習、当時の世相、女子教育、家庭教育にも触れている。以下 特に感じ入ったところの回p42 17 甲州の吉田から~ 甲斐絹の織手p84 42 今朝起きると一封の手紙~p87 44 警視庁は衛生のためという理由を以て東京の牛乳屋に~p126 66 女子の教育が~ 看護の修行ではなくp129 67 家庭の教育ということは~ 女子には殊にp132 69 病気の介抱に精神的と形式的との~ 中村彝の「芸術の無限感」にあるような、健康のありがたみは病人のものである 旨を思い出して、そちらもついでに読み返してしまった。日を決めているようだが、見舞客など訪ねてきて話し合っている様子がある。しかし俳句の世界は素人だし、固有の人物名や書画の知識がなければ読むのがつらい。新潮文庫ほかで芥川や他の文豪のような小説に注釈があるように註が切実に欲しいと思えた。