江戸奇談怪談集
須永朝彦 編訳 ちくま学芸文庫自分の生まれる前の時代の人々の営みは現代のようにそれなりににぎやかであったのだろうと思う。人々は他人のことを気にして装い、話し合い、情報を伝えあい、笑ったり、泣いたり、ごまかしたり、それなりに生きている。江戸時代の文章から奇談、怪談に類するところを抜粋してまとめてある。少しづつ読み進めているのだが、現代の怪談集もはやりだが匹敵する面白さ。原典引用の書目は44以上でその中で1話以上複数の引用や引用中複数のテーマに至る文がある。だから100物語以上のエピソードがある。常陸の国のうつろ船の伝聞や稲生の物の怪の話、八百比丘尼は有名だが、それ以外にも面白いものがある。例えば 橘**(変換できない旧字)の西遊記から書き出す。「豆腐の怪」は薩摩の国の今泉というところの話。豆腐が各家の戸口に置かれ人々が怪しんで様子を見たが終いには食べたとのこと。その後の怪異はないとのこと。まさに奇談である。こういう話が好きである。本書はいろんなところからの編纂なので文章は様々である。寝物語にちょうどいい。ただ値段が高い。1400円も文庫でするとはちょっと考える。今、図書館で借りて読んでいる。