cent(セント)は,
音程を測定する為の対数単位
であり.
様々な音律の周波数を比較する時
等に有効です.
通貨の単位にもcentが用いられていますが,
音のcentも通貨のcentも,
ラテン語で「100」を意味する,
”centum(ケントゥム)”
が語源です.
初めに定義ですが,
十二平均律における半音間隔を100[cents]とする
早速,語源である「100」との関わりが出て来ました.
またこの定義より,
全音(2半音): 200[cents]
1octave(12半音): 1200[cents]
であることも分かります.
2つの周波数 f0と fxのcent値は,
下記の式で算出されます.
・centの式の導出
では,どの様に式( * )が導出されるのか,
を考えてみます.
octave関係にある2つの周波数 f0と fxが存在するとして,
それらのoctave比は,下記によって表されます.
例えば,A4(440[Hz])とA5(880[Hz])であれば,
式(1)に値を代入し,
と,1octaveの関係である事が分かります.
また,A2(110[Hz])とA6(1760[Hz])であれば,
と,4octaveの関係である事が分かります.
では,octave関係ではありませんが,
E4(330[Hz])とA4(440[Hz])との関係はどうでしょうか.
この様に,1octave内の関係を表そうとすると,
小数になってしまいます.
小数だと分かりづらいので,
何倍かして分かりやすくしたい所です.
何倍にしたら分かりやすいでしょうか.
主に2つのポイントを考慮します.
・1 octaveは12半音である.
・1半音の違いを100刻みで表すことが出来れば,かなり細かく比較出来る.
これらを加味し,
1半音の違いを100
とすると,
1octave(12半音)の違いは1200
となります.
よって,1200倍すると分かりやすそうです.
実際に,式(3)の両辺を1200倍すると,
となり,
E4(330)とA4(440[Hz])との関係は 約500 離れている
と,表せます.
この様に,1半音を更に100分割した単位が ,
cent(セント[cents])
です.
改めて,式(1)の両辺を1200倍した式を記述すると,
です.
ここで,
とすることで,
と表せ,
式( * )を導入する事が出来ました.
また,この式を常用対数(底が10の対数)で書き換えると,
と,なります.
つまり,
2つの音の周波数 f0と fx が既知である場合,
周波数 f0と fx との間隔のセント値は,
式(4)により算出可能です.
また,式( * )を変形し,
とすることにより,
周波数 f0と, 周波数 f0との間隔のセント値 n が既知である場合,
周波数 fx は,
式(5)により算出可能です.
以上,centに関してです.