第十五回 MIDI検定二級一次試験イベントリスト問題(a) の解説です。
試験問題および解答は,AMEI 公式ウェブサイトから,
ダウンロード可能です。
簡単に問題の説明をすると,
楽譜の内容と“明確に異なる”部分を含むイベントリストの“一行”を解答する。
というものです。
前提条件は下記の通りです。
・ノートナンバー60(中央ド)は「C3」として表示する。
・分解能は,四分音符=480 [tick] とする。
・ベンドレンジは「2」とする。
・調号や臨時記号でbが付いたノートは異名同音の#の付いた音名で表記する。
(例. Bb → A#,Cb → B, etc…)
では,問題を見ていきます。
正解は,下記の通りです。
では,詳しく見ていきます。
解答リスト番号33
(誤)Note / Event type A♯3 → (正)Note / Event type G♯3
解答リスト番号33 のNote が誤りです。
臨時記号により,A ,Eにフラットが付くので、
当該箇所のノート「A3」は,「A♭3」となります。
さらに前提条件に,
調号や臨時記号でbが付いたノートは異名同音の#の付いた音名で表記する
とあるので,異名同音で書き直した,
「A♭3」→「G♯3」
が,正解となります。
この間違いは頻出なので,見落とさない様にしましょう。
本問で押さえておきたい所を記しておきます。
・臨時記号によるノートの変化
・スタッカート,スラー,タイによるGate Time 補正
下記は,補足となります。
⚪︎タイを含むGate time の計算方法 [補足]
間違いでは無いのですが,一応触れておきますと,
解答リスト番号31, 37
(○)Gate time / Value 324 → (◎)Gate time / Value 336
上記のように,
Gate time 336[tick]
の方が,形式的により良いかと思います。
まず,押さえておくことは,
今回のイベントリストのGate Timeを俯瞰してみると,
スタッカートやスラーの表記が無い通常の音に関して,
Gate Time補正が90[%]
となっている事と,
分解能は,四分音符=480 [tick] なので,
十六分音符:120[tick]
八分音符:240[tick]
である事です。
この二点を踏まえて,
この Gate time 324[tick]は,
(120[tick]+240[tick])× 90/100 = 324[tick]
というように,
両ノートを足してから,90[%]を掛ける
という算出方法である事が分かります。
しかし,MIDI検定において,
通常のタイを含むGate timeの計算は,
後方のノートに90[%]を掛けてから,両ノートを足す
とすることが多いです。
こちらの算出方法だと,
120[tick]+(240[tick]× 90/100) = 336[tick]
となります。
こちらの算出方法の方が汎用性がありますので,
覚えておくと良いと思います。
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ということで,
この問題の正解は,
「解答用リスト番号33」
となります。