「生命は何でも知っている」
自然医療とは、このように考えるありかたと言えるのでしょう。
日々、何を食べれば良いのか?に始まり、病気やケガの治癒の仕方に至るまで。
私たちの体は元気で快活に、この人生を歩んでいくためのすべてを
“熟知している”
そう考える医療のあり方が「自然医療」ではないかと思うのです。
完全である人体の性能を最大限に引き出し、そのチカラを高めていくための方法。それこそが自然医療。
でも、「現代医療」の方はといえば、人体をこのようには考えません。人体とは、
「弱くて、脆くて、情けなくて・・・」
常に外部からの手助けを必要とする惨めで弱い、不完全な存在。このように生命を捉えているのです。
不完全なのだから、その道の“専門家”である医者の介入がいつだって必要になる。
クスリや手術といった医療行為を駆使して、不完全さを補わなくてはならない。人体に起こる事がらを人体自身で解決するのは難しい・・・。
検査・クスリ・手術といった「医の力」を駆使して、どうにか健康体を保たせる。
現代医療とはこのように考えるあり方、それは人体をあたかも機械のように捉えるあり方といえるのです。
(※山ウドの芽吹きです!)
■苦しみへの対策
野菜は本来、自分に必要な養分を根から摂り入れるだけの力を備えているものです。
でも、多くの農家はその力を決して認めようとはしないのです。
野菜は、肥料が育てるもの。この考え方に基づいて、日々野菜に接しているのです。
“窒素・リン酸・カリ”
略して『NPK』は植物にとっての三大栄養素といわれていますが、これをまとめて栄養のカタマリに仕上げたものが肥料。
要するに肥料とは高濃度の栄養剤で、より速く!より大きく!育てるために使われているもの。
・化学肥料とは、それを化学の力で混じりっ気なしに不純物を排除して作られたもの。
・有機肥料とは、自然物を用いて不純物をも混ざった形で、粗く構成されているもの。
どちらを使うにしろ、野菜に対して凝縮した栄養のカタマリを投入する行為に違いははない。
風邪の症状に、合成の風邪薬を使うのか?それとも漢方系の薬を使うのか?
その違いに過ぎないというワケです。
栄養のカタマリを次々に与えられた野菜たちはどのように反応するのか?といえば、自分の体を
「大きくすること」
そのことで、過剰な栄養分を何とか処理しようと躍起になるのです。
私たちも栄養過多で皮下脂肪がつけば、散歩をしたり、運動をしたりして、余分なカロリーを消化しようと試みます。
でも、野菜はタネが落ちた場所から動くことができません。そうなると野菜は、栄養過多を解消しようと、
・背丈を伸ばす
・枝を次々に繰り出す
・葉の枚数を多くする
・葉の面積を肥大化させる
このような作業を繰り返すことで、あり余る肥料成分を消化しようと懸命になる。
有機であれ、化学であれ、肥料を与えた野菜が肥大化するのはこうした理由と推測できると思うのです。
食べ過ぎて苦しい。苦しさのあまり無理やり体を巨大化せざるを得なくなる。
自然の摂理に反しているのが、肥料を使った野菜の特徴ではないかと思うのです。
■不健康の実態は?
以前、肥満症と腸内細菌との関係について述べさせて頂きました。
健康な脂肪細胞は、1つ1つの細胞が小さくそれがたくさん密集した形になっている。
でも病的な脂肪細胞は、1つ1つの細胞が肥大化して数がかなり少ない。大きな細胞が何個か寄り集まっているような状態。
健康と不健康との間には、このような違いが認められる。不健康な細胞は炎症を起こしたかのような
「病的な状態」
に陥っていることが実験で確かめられている。この模様は、以下の記事にて紹介しました。
※参考:『ヤセない理由は過食と運動不足が原因なの?自然派痩身法の奥義に迫る!』
過剰な肥料を与えられた野菜たちは、各部位を無理やり肥大化させざるを得ない状況に追い込まれてしまう。
肥料を使えば、輪ゴムを思いっきり伸ばしたかのような形での細胞の肥大化が進んでしまう。
見た目は確かに大きいけれども、重量感に乏しい、
“スカスカ”
の野菜。こうした姿になりやすいのです。
タネが落ちた場所から動くことができない。そんな植物たちが外的から身を守るための防御機関は、カタくて厚い
「細胞壁」
なのですが、肥料を与えるとこの細胞壁の構築がどうしても疎かになってしまう。
※参考:『有機肥料と化学肥料の違いから生きものの自然を考察してみる!』
こうして自らを守る手段が弱体化していき、虫や病原菌に侵されやすくなっていく。こうして“農薬”をバラ撒かざるを得なくなる。
このような悪循環に陥ってしまうのです。
■2種類の野菜
これに対して、肥料も農薬も使わない自然栽培の野菜はといえば、総じて、
・丈が低い
・葉は小さい
・葉の枚数も少ない
・葉や茎の色は薄くて淡い
果肉部分は小ぶりではあるけれど、手にズシリとした重量感を覚えやすい。
細胞壁の構築もしっかりできるので、農薬を一切必要としない強い生命体として成長していく。
食は生命の基本事項になりますが、それは野菜だって同じ。何をエサにするかの違いで全く違う姿になってしまう・・・。
図体ばかりが肥大化して、自分で虫や病気を克服することが難しくなってしまう。
こうした姿に陥りやすくなってしまうのです。この世には、
「野菜と肥料野菜」
の2つが存在している。
野菜とは読んで字の如く、“野の菜”で野の力によって育まれていくもの。肥料が育てるようなものではないのです。
力の乏しい肥料野菜を食べるのは、正直、損ではなかろうか?
生命力溢れる強い食材を食べることで、病気に負けない強い心身を養っていく。
医者を遠ざけ、クスリを拒む生き方を志向するなら、肥料も農薬も、そもそも一切必要としなかった強い命。
虫や病原菌に侵されることがなく、健康で元気に育った力溢れる野菜たちを食べる必要があるのではないか?
私はこのように思っているのですが、あなたはいかが思われるでしょうか?
■無肥料無農薬米・自然栽培と天然菌の味噌・発酵食品の通販&店舗リスト
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る