「クスリはコワイので・・・」
安易に使ってはならないし、できれば使いたくない。
そうなると、頼りにするのが、
“漢方や民間療法”
レンコン湿布やビワの葉、ガンに効くといわれるサルノコシカケ。
これらは広く知られた療法です。
化学合成薬はキケンだけど、民間療法なら
「安心安全」
色んな療法があるのですが、症状に対して何らかの手当を行う。
このことに変わりはないのです。
でも、
それは本当に自然な対処法と言えるのでしょうか?
私たちの体にとってムリのないやり方、そう言い切れるのでしょうか?
そこで今回は、「手当て」について考えることで、
医者を遠ざけ、クスリを拒む。
そんな生き方のエッセンスについて考えてみたいと思います。
■熱の場合は?
カゼで熱が出る。
“高熱が出たら大変!”
特に、小さなお子さんの発熱であれば、
脳炎や脳症などの深刻な事態を招きかねない。
解熱剤は使いたくないけど、
一刻も早く手当をしなければ!
そこで、用いられるのが、
「民間療法や漢方」
になるのです。
熱の場合は、レンコン湿布やビワの葉などを使うようですが、
きっと、
“何らかの効果”
があるのでしょう。
熱は下がるし、穏やかに眠れるし、深刻な事態を回避できた!
そう思って喜ぶのかも知れません。
確かに、化学合成の解熱剤のような激しい副作用の心配はないのかも知れません。
でも、
「発熱を悪!」と見て外部の力を用いて、
強制的に熱を引き下げる
このことに、解熱剤も民間療法も変わりはないのです。
それが本当に体にとってムリがなく、
「自然な対処といえるのか?」
この問題が残るのです。
■免疫反応とは?
このブログで再三、申し上げておりますが、
発熱は
“体の必要”
があって起こる症状です。
カゼはウイルスが侵入し、口や鼻などの粘膜で増殖し、発症に至るものです。
これに対して体は、体温を上げることで対抗する。
体は、カゼのウィルスが熱に弱いことを熟知しているので、
「わざわざ熱を上げようとする」
そのことで、ウィルスの活動を弱めようとしているのです。
そうした免疫力の発動を、外部の力で止めてしまうことに
問題はないのか?
それが化学合成された解熱剤であろうと、レンコン湿布であろうと、
免疫力の発動にストップ
をかけていることに変わりはない。
手段は違えど、やってることは全く同じ。
こういうことになるのです。
カゼの発熱は、体温を管理する、脳の体温中枢が、
“40℃まで上げる!”
こう決めているからこそ、高熱が出るわけです。
そこに何らかの対処をしてしまえば、熱は設定温度の40℃まで
上がり切ることができなくなってしまう。
解熱剤だろうと、レンコンだろうと、効果のある間は熱は下がる。
でも、薬効が薄れれば、体温中枢は40℃まで上げる!と決めているので、
再び熱が上昇していく。
これが、
「カゼが長引く」、「カゼがぶり返す」
仕組みというわけです。
体の自然に任せれば、
体温中枢の設定した40℃まで上がり切った段階で、
閉じていた毛穴が開き、
“ドワッと汗”
が流れ出る。これをサインに平熱に向かって下がっていく。
その間、48時間~54時間と医学では解説されますが、
余計な手出しを行うことで、逆に長引かせてしまうのです。
白血球は私たちを菌や異物の侵入から守ってくれるありがたい免疫部隊なのですが、
齋藤真嗣医師によると、白血球の精度は
体温が1℃下がれば30%低下し、逆に1℃上がれば精度が
“500~600倍”
に跳ね上がると指摘しています。
熱の上昇に応じて、リンパ球などの活動が活発になり、ウィルスと戦ったり、
体内の老廃物を次々に処理して、排出してくれる。
外部からの力で、無理やり熱を下げてしまうことは、免疫力の発動を
「止めてしまう」
ことを意味している。
化学合成薬だからダメで、レンコンやビワの葉だから良い。
そのようにはならないわけなのです。
新潟大学名誉教授の故・安保徹氏が、
「体を鍛えるのは運動、免疫力を鍛えるのはカゼを引くこと」
そう指摘する理由は、発熱による体温上昇こそが体の防衛力・浄化力を高める
“絶好の機会”
だから体の為すがままにさせることが大事。
このような指摘といえるのです。
■敵視せず普段の努力!
下痢にしても同じです。
何か悪いものを食べて体外に排出しようと、わざわざ下痢を起こしているのに、
「下痢止め剤」で症状を止めてしまえば、悪いものは体に残ったままになります。
またアトピーでステロイド剤を使いたくないからと、
「自分の尿」
を患部に塗り込む民間療法もあるようですが、これもあまりに
一面的な方法ではないか?
と感じます。
尿の中のアンモニアが患部の炎症を抑えるてというのですが、
尿にはそれ以外にさまざまなものが含まれています。
体の中の異物や老廃物も色々と含んでいるので、炎症箇所に塗り込んでしまえば、
せっかく排出したものを再度、皮膚から摂り込むことになってしまいます。
ニオイも当然あるので、症状の苦しみに加えて、嗅覚からの負担を強いることになる。
症状を悪いものと考え
“敵視!”
してしまうと、こうした危うい療法につかまりやすくなるのです。
熱が出たら、ジタバタせずに
体のことは体に任せる。
そして普段から、できるだけ人工の化学物質を遠ざけ、
衣食住の生活環境をなるべく自然に整えておく。
日頃からケアしているから、
「自分は大丈夫」
こうした自信と安心とを持って、症状と向き合うことができるのです。
でも、
カゼで脳炎や脳症を引き起こすって聞いたけど、
“それでも対処しない方がいいの?”
そう思われるかもしれませんが、脳炎も脳症も脳膜炎も、
カゼとは無関係な症状
です。
すでに症状にかかっていて、カゼをきっかけに表面化するだけと解説されます。
カゼの熱が脳炎などを起こす原因ではないということです。
※参考
『イノチ短しカゼひけ乙女・健康と美容のためのナチュラル医療・発熱学【冬編】』
■休息さえも許されない!
でも、
体の自然な反応に任せるのは良いけれど、その間の仕事は休まなくてはならなくなる。
“休んだら、お給料だって減っちゃうし・・・”
そう思う方も少なくないでしょう。
確かに、自然治癒力に回復を委ねていれば、その間の仕事は難しくなってしまう。
私たちは自らの健康を犠牲にしてでも、仕事を最優先せざるを得ない。
そうでもしないと、自分や家族を守ることができなくなってしまう。
分かっていても、
解熱剤や下痢止め、ステロイド剤などを使わざるを得ない面だってあるのです。
確かにそれはそうなのですが・・・、
でも、
日本は世界一の
“お金持ち国家”
です。
対外純資産は3兆ドル、約300兆円を超える世界最大の富裕国で、
2位以下のドイツ、中国、香港を大きく引き離す、
ダントツトップの資産を誇る国なのです。
そんな国に生きる国民が、わずかな休息さえも
許されない。
開いた口が塞がらない、このような不条理がまかり通っているのです。
戦後の焼け野原から立ち上がった日本人は、
“モノづくりニッポン!”
として、良質な製品を安く、世界に供給し続けてきました。
それにより、莫大な貿易黒字を積み上げてきたのです。
でも、
貿易金額の決済は基本的にドルで行われるため、日本でドルは使えない。
ドルを日本円に換金できれば良いのでしょうが、300兆円を超える日本円を持っている国。
そんなの世界のどこにも存在しない。
莫大過ぎて換金できないまま、ひたすら
“ブタ積み”
されるばかり。
ドルを使うアメリカなどに“貸しっ放し”になっているのが現状なのです。
私たちは身を粉にして働きに働いても、その対価は一向に還元されることはない。
「世界一のお金持ち国家」なんていわれても、何のことだかピンと来ないわけなのです。
■世界の迷惑!
日本製品の最大の売り先はアメリカ。
アメリカ相手に莫大な貿易黒字を稼ぎ続けてきたのですが、
こっちの黒字は、
“相手の赤字”
から生み出されるもの。
それが貿易摩擦となって、一触即発の事態を迎えるに至ったのです。
日本人が勤勉に働けば働くほど、世界中の大迷惑となってしまう。
非難、排除、暴動などが巻き起こり、この不均衡な関係を是正しようと、
主要各国がこぞって協調介入を行ったのが1985年の
「プラザ合意」
この合意により、日本人はそれまでの働き方、生き方を一変させる必要が生じたはずなのです。
プラザ合意以前は、1ドル200円前後だったドル円相場が、
この後、急激な円高が進み、
”1ドル100円前後”
と約2倍に跳ね上がっていきました。
合意前は100円の製品を1ドルで売っていたものが、突然、
「2ドル」
で売らなくてはならなくなった。
輸出品の販売価格が突如として、2倍に跳ね上がってしまったのです。
ちょっと前まで1ドルで買えたものが、“突然2ドル!”になるのだから、当然売れなくなる。
売り過ぎているから、独り勝ちにもホドがあるから、そこに歯止めをかけるために、
円高・ドル安誘導
を各国こぞって協調介入したわけです。
それは日本人の売り方、働き方、生き方の変更を余儀なくされる
“大変革のシーン”
だったのですが、そうはならなかった。
日本の輸出企業はどう対処したかというと、
「コストカット」
“サービス残業・休日出勤”に象徴されるように、働く私たちの給料。
その大幅カットで対処したのです。
■コストカットの名のもとに!
本当は2ドルで売らなくてはならないものを
“1ドルのまま売り続ける”
それに必要なのはタダ働き。
このような世界が驚く、非常識なコストカットに打って出たのです。
非常識な行いも、みんなで渡れば
「コワくない」
経団連、政府、与党・野党、マスコミとこぞって、
“予算がない!”
“財政赤字拡大中!”
“輸出こそが日本の生命線!”
ウソ八百の大合唱の嵐の中で、
「そうであるなら仕方がない」
と妙な納得させられ、上手に私たちは丸め込まれてきたのです。
正当な対価が払われないまま、30年が経過。
今もまったく無反省のまま、続けられているのです。
私たちがダブルワーク、トリプルワークを強いられる中、
企業の方は7年連続の
“内部留保(利益剰余金)の拡大”
を続けている。
その額、2018年度で463兆円という莫大な額が企業の懐に収まったままになっているのです。
内部留保を溜め込む方法はカンタン、
安~い法人税を支払って、低く人件費を抑えれば溜まっていく仕組みになります。
かつては高い法人税だったからこそ、企業は、
「国に払うくらいなら従業員にバラ撒こう」
こういう感じで、日本人の給料は上がり続けてきたのです。
1968年の大卒初任給は3万6,000円だったものが、
プラザ合意の1985年には14万円。
その後微増は続いたけど、90年代に入ると20万円で頭打ち。
そのまま今日に至っているのです。
その間、法人税は下げられ続け、
減税・控除の一辺倒。
減税による穴埋めは
“庶民に負担してもらいます”
こうして消費税が上げられ続けてきたのです。
内部留保の大部分は本来、私たちが受け取るはずのお金であって、
“未払いの給与の総額”
そういっても過言ではありません。
経費節減!コストカット!の大号令のもとに、上がっていくはずの給料は抑えられ、
諸手当も相次ぐカット。
正規労働は次々に派遣労働に切り替えられていく。
“一億総中流”といわれるほど、分厚かった中間層は雲消霧散に消え去って、
「勝ち組・負け組、上級国民・下級国民」
といった極端な二極化が進んでいった。
こうして、カゼを引いて2、3日休むことさえ許されず、体にキケンな解熱剤や下痢止め、ステロイド剤を使い続けてまでも働き続けなくてはならない。
このような理不尽がまかり通っているのです。
■いつまで許すのか?
プラザ合意で各国協調介入を行った意味は、
日本人よ、世界中の迷惑だから、
「これ以上働かないでくれ」
「これ以上良品を世界に輸出しないでくれ」
ココにあったはずです。
当時盛んに言われた合言葉が、
“内需拡大”
で、世界にモノを売るのではなく、国内消費を高めることが前提の合意であったはずなのです。
莫大な貿易黒字の解消方法は、貿易赤字を拡大する以外にない。
週休2日を週休4日にするなどして、これ以上、世界に向けてモノを売らない。
増えた余暇はドライブ旅行なんかを多くの人が楽しめば、ガソリン消費は増えて、
石油を多く買うようになる。
石油はドルで決済されるので、その分が赤字になり、貿易黒字は減少していく。
こうした目的で、「プラザ合意」は行われたはずなのです。
そうであるにも関わらず、日本の輸出企業は世界への輸出を止めなかった。
内需拡大も週休を増やすことなども
“どこ吹く風”
私たちに当然支払わるべき給与を払わず、あいも変わらず、
「輸出!輸出!」
と煽り続けているのが経団連のオジサマたち。
現在、トランプ大統領が日本にガラクタの兵器や農産物などを強引に押し売りしてくる理由は、
貿易赤字の解消のため。
日米貿易協定も、この文脈で理解しないと、コトの本質に、
辿り着けないのではないか?
と感じるのです。
この状況に私たちはいつまで許し続けるのか?
日本人の健康はますます悪化していくことは目に見えている。
医者を遠ざけ、クスリを拒む生き方の実現には、
コトの真相を見抜き、変化に向けて多くの人が動き出す必要を感じています。
■参考文献
体温を上げると健康になる
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免疫革命
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私が総理大臣ならこうする 日本と世界の新世紀ビジョン
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・『大卒初任給』
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る