つまるところ、私も50代後半となり、
色々と焼きが回ってきたということなのだろうと思った。
昨日のスマホ充電切れ事件からまもない朝、
美容室に行くのでポイントカードのようなものを
忘れずに持って行かねばと思い出した。
それで、そういったものをまとめているケースを見たが、
ない。
んーーー?
どこか他の場所に入れたのか?
ちょっとありえないな。
行く日が近いからと出しておいたとか?
そこから小物入れの引き出しを開けまくり、
他のケース類もチェック。
デスクまわりを端から端まで、掃除を兼ねているかのごとく
さらったが、やはり、ない。
財布もチェックしたし、ハンドバッグ全部を調べた。
なんなら先日新しく買って入れ替えた古いバッグまで見た。
ない。
こういったものを私は過去に一度たりともなくしたことが
ないので、自分で自分が信じられなかったのだが、
間違って捨ててしまったとでも言うのだろうか?
ひとり暮らしでは誰か他の人のせいにもできない。
みんな私が悪いのだ。
引き出しの裏や棚の脇や下まで、間違って落ちていないか
床に這いつくばって見てみたが、ない。
きいいいいーーーー!となりそうな自分をなだめ、
別にクレジットカードがなくなったわけではないのだから、
そんな紙のカードくらい、美容室で「なくしちゃって~」
と言えばまた作ってくれるよ。
どうせまだ新しい店には2回しか行ってないんだし。
と考えたが、なんとも不可解で悔しくて、
子供の頃から母、クマ姑に「七度探して人を疑え」と
教えられたのだからと、冗談抜きで七度以上そっちこっちを
探しまくったが、ない。
実にすっきりしない気持ちで美容室に向かい、
受け付けで「すみません。カードをなくしてしまって」
と言って案内された席に座り、担当のKくんが
(子グマ弟と同い年)目だけ笑って(マスク着用)やってきて
私の髪を漉きながら言った。
「クマ妻さんねえ。カードって前回、デジタル化しましょう
って言って、LINEで登録しましたよね?
それで紙のカードは破棄したと思いますけど~」
お。
おおおおお。
あー。
あああああ。
です。
はい。
そんなこともあったかも。<わずか3週間前
そう言われれば、じわじわとそんな記憶も蘇ってきた。
そして私は更にがっくりきた。
朝、冗談抜きで30分くらいかけて探してたんだよ。
最初からあるはずのないものを。
たまらん。
もう終わりだ。
こんな脳みそでは仕事で大きなミスをするのも
時間の問題だと思った方が良い。
やばいにもほどがある。
コロナの後遺症のブレインフォグのせいにしても
しょうがない。
なんだかもう、あまりと言えばあまりのことに
焼きが回るってこういうことだよなと思った。
そして、引き際という言葉も脳内をひらひらした。
老醜を晒すことなく一線から退き、後進に道を譲り、
まだ少しでも惜しまれるうちに去るのが美学であろうと
非常にまじめに考えた。
とりあえず、今夜は早く寝ようとも思った。