嗚呼、勘違い(1) | 白クマの妻は今

白クマの妻は今

外国の白クマを夫にしたら予想外のイケメン子グマが2匹も出てきた。どぉする?

その知らせが、いつ、どう届くのか、私は知らなかった。

 

大田区の特別養護老人ホームに母、クマ姑を入居させるための

応募手続きを知って大慌てで書類を揃えて

期日に滑り込んだのが昨年の8月末日。

 

そこから第一次の評価で残していただけて

第二次評価に進み、私が選んだ7施設それぞれから待機順と、

施設によっては待機総数のお知らせが来たのが10~11月。

 

運が良ければ半年待ち。

悪ければ2年待ち。

もっと悪ければ待ってる間にお亡くなりになる。

そういうものだと初めて知った。

 

それで勝手に今年の夏くらいに

連絡が来ればラッキーなんだなと思っていた。

 

お世話になっているケアマネージャーさんと

そんな話題になって、ふと

「連絡ってどう来るんですか?」と尋ね、

「施設から直接電話が来るんですよ」

と聞いたのが先週の木曜日だった。

 

何となく勝手に郵便で来るのかと思っていたが違っていた。

 

噂をすれば影と言うが、土曜日に第一希望でもなんでもない

施設から電話が入った時は、冗談抜きでスマホを持つ

手が震えた。

 

まさに頭は走馬灯。

心臓はばっくばく。

アドレナリンのダムが決壊で、

自分で自分の制御が不能になった。

 

電話でご担当様から伝えられたのは、

とにかくこれを持って他に応募していた6ヶ所の施設への

応募が取り消されるということ。

 

また、もし万が一、何らかの理由で私側がこの施設への

入居を断った場合は応募そのものが取り消しとなり、

再度、特別養護老人ホームへの入居を希望する場合は

新たな応募となること。

 

これらに関しては、今までの調べで私はすでに理解していた。

 

まずは施設に見学に来てほしいということで、

翌日、日曜日(昨日)の予約をした。

 

ありとあらゆる想いと、こうなったからにはやらねばならぬ

予定を立てることで非常に混乱し、焦りまくった。

 

クマ姑の荷物をまとめること。

クマ姑にどう説明して納得させるか。

引っ越し業者の手配。

 

現在の住居にいつまでいられるかを

不動産会社に確かめること。

私自身の次なる住居の確保と引っ越しの算段。

 

それらの時期の設定と上司への連絡および休暇の申請。

生活資金の見直し。

 

3月にやってくる予定の子グマ弟の滞在。

庭の園芸植物の仕舞い方。

クマ姑がどれほどかに楽しみにしている

シンピジュームの花を見せられずに送り出すのかどうか。

 

そんな私の脳内を何ひとつ知らないクマ姑を前に

いつも通りに昼食を用意し、掃除と洗濯と買い物をし、

夕食を食べさせてシャワー浴をさせた。

 

いつもは半分うんざりしつつの介護が、

あと何回できるかわからないという気持ちで

いっぱいになり、特に丁寧になった。

 

日曜の午後にどきどきしまくりながら施設に出向き、

担当さんと挨拶して見学となり、詳細の説明を受けた。

 

そして私は内心、脱力失笑することになった。

 

大田区のウェブサイトにはどこにもそんな記述はないし、

関係各者は誰も説明をしてくれなかったのだが、

この段階では私が応募した7施設の中で、

どこに入るのかが決まっただけであって、

まだまだ空室待ちは時期未定のまま続くと言うのだ。

 

は?

は。

ははははは。

さいですか。

 

(この項、つづく)