人間万事塞翁が馬(随筆)【30】老後への不安 | 遊行聖の寺社巡り三昧                            Yugyohijiri no Jishameguri Zanmai

15日間に及ぶ前立腺癌放射線治療の翌々日、予定通り滋賀・京都へ三泊四日の遊行に美月と出掛けました。

遊行の効率から大津市の定宿、琵琶湖ホテルに三連泊しました。

滋賀県では、国宝十一面観音がある向源寺、木之元地蔵尊、元三大師お誕生寺の玉泉寺(再訪)、紫陽花が盛りの金剛輪寺、「比叡探訪」ツアーに参加した延暦寺を巡りました。

素晴らしいご尊格に大感動する反面、滋賀県が誇る「飛び出し坊や」と戯れているのですから信心が厚いとは決して言えません。

「比叡探訪」ツアーに参加しながらも美月と最も盛り上がったのは、延暦寺にある時宗一遍上人と空也上人の看板でした。

彫像・絵画共に立たされ坊主のお姿しか見たことがない一遍上人が、民衆に歓喜で迎えられて肩車されているのに仰天しました。

また、神妙な表情で6体の阿弥陀仏を口から放つ空也上人が、驚くほど明るい表情で民衆と踊っている姿には驚愕するしかありませんでした。

また京都においては、庭が美しい青蓮院門跡、浄土宗総本山知恩院、仏像マニアの聖地である教王護国寺(東寺)を巡りました。

やはり素晴らしいご尊格を奉拝しつつも、修行の足りなさから、知恩院売店にある「念仏を唱える自販機」で美月と大いに盛り上がってしまう始末です。

果たして死ぬまでに心から仏教に帰依出来るか不安になります。

更なる不安は浪費癖です。

今回の遊行でも授与品だけで10万円を超える買い物をしてしまいました。

遊行当初は日蓮宗アプリでポイントを稼ぐだけでしたが、絵馬、元三大師お札・グッズ、御朱印へと買い物が増えて行きました。

今回の遊行で御朱印帖が5冊増えました。

「オモシロ絵馬」【1】鬼鎮神社で、可愛い陶器製のおみくじ(セラみくじ)をご紹介しました。

これは美月の蒐集癖から始まっているのですが、現在ではこのようなコレクションとなっています。

そして仏像に興味を持ち始めてからは、どうしても撮影不可が多いため、図録や写真集を購入するようになりました。

更に不味いことには、教王護国寺の仏像に感銘を受けたため、売店で売っていた仏像フィギュアに手を出してしまいました。

これは東寺が認定する(株)京都ミニ仏像工房の地天が持ち上げる兜跋毘沙門天のフィギュアです。

そして同じくシバァ神と后のウマーを踏みつける降三世明王になります。

最後は、海洋堂が作成した東寺講堂の立体曼荼羅を構成する国宝帝釈天騎象像です。

実に素晴らしい出来映えで、私の蒐集癖がこの三体で満足するはずもなく、年金生活が始まるや、エンゲル係数ならぬブディズム係数が大幅上昇するのは間違いありません。

どうしたら良いものか・・