遊行聖の寺社巡り三昧                            Yugyohijiri no Jishameguri Zanmai

8月を迎えて、連日の暑さにもめげず、百日紅の花が夏空に咲き誇っています。

誕生月ともあって8月は大好きでしたが、このところの猛暑、そして体調の悪化もあって自由に出掛けることも儘ならなくなりました。

ロキソニンやカロナール(鎮痛薬)では痛みが緩和せず、オキノーム散(麻薬性鎮痛薬)を頓服する回数が増え、愛猫慈恵ちゃんとソファで横になることが多くなりました。

(奈良新薬師寺の薬師如来と十二神将)

新治療法であるプルヴィクト治療を受けられるか否かも含めて、この8月は前立腺癌との戦いも最終段階を迎えることとなりそうです。

近況はそのぐらいに留めて、美月との坂東三十三観音霊場遊行は、群馬県を終えて栃木県へと歩みを進めて参ります。

2024年9月、私と美月は栃木市にある第十七番札所、出流山満願寺を訪ねました。

以前もご紹介しましたが、満願寺周辺の佐野市葛生地区は江戸期から石灰岩の産地であり、現在も広大な露天掘りの採掘現場を見ることが出来ます。

これは2億6千万年前の海中で小さな貝殻から形成された石灰岩であり、現在、我がもの顔で闊歩する人間には想像もつかない地球が実在していた証左なのです。

その石灰岩の地層から発見された旧石器時代の人骨が『くずう原人』であり、学問的な真偽は不明ですが、町おこしキャラとして活躍しています。

他にも歴史好きには幕末期の出流山事件(倒幕の挙兵)の舞台であり、グルメには『出流そば』など、山奥にありながら満願寺は古刹・名刹であったと思われます。

山門の仁王像は迫力があり、室町時代の作であるとホームページには記載されています。

その先には巨大な信徒会館が行く手を塞いでおり、宿泊のみならず座禅や精進料理などの多目的施設のようですが、外観が若干古びていて山奥だけに廃墟感を抱いてしまいます。

それでは弘法大師様、参詣させて頂きます。

 

(*)熊本地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

関東は梅雨明けしたものの不安定な天候が続いています。

私は25歳の時、生まれ育った関東から、初めて九州は佐賀県に転勤となりました。

雷雨の折、「九州は天候が激しい」と驚いたのですが、それも38年経った現在のゲリラ豪雨より穏やかなものだったかもしれません。

皆様、日頃から用意周到な備えを欠かさないよう心掛けましょう。

角大師グッズを頂くためだけに、美月と秩父の南石山常楽寺まで出掛けた話に戻ります。

そもそも曹洞宗寺院の常楽寺に何故角大師がおられるのか不思議でしたが、明治期までは秩父で唯一の天台宗寺院だったことを美月に教えられました。

元三大師・角大師は天台僧である良源の厄除信仰だけに面白い事例です。

授与品に関して何より特筆すべきは、2種の角大師Tシャツを販売していたことです。

私が知る限り角大師のTシャツを授与頂けるのは常楽寺だけですが、マニアを称する私でもさすがにこれは恥ずかしく、未だ袖を通して街を歩いたことはありません。

こちらは御朱印となりますが、公式ホームページのタイトルバックと同様に、秩父の山々を染める夕景が使われています。

護符は玄関に貼るようにシール仕様になっています。

また角大師の缶バッチも販売していました。

私は2年近くリュックに大の黒白缶バッチをつけていましたが、誰からも「これは何ですか?」と問われたことはありませんでした・・確かに怖いですね。

ところがこちらは絵馬となりますが、まん丸お目目のぽっちゃり君であり、今までご覧頂いてきた薄笑いが恐ろしい角大師とは全く異なった図像です。

またこちらは紙の護符になりますが、ぽっちゃり君とも薄笑い角大師とも異なり、おとぼけオジサンのような図像になっています。

どうやら薄笑い角大師は、Tシャツに”STOP COVIT-19”と書かれているように、コロナが蔓延した際、疫病除けに新しくデザインされたものであろうと思われます。

天台宗寺院ではないからこそ、自由なデザインで制作出来るのでしょうが、それならば私が大好きな光明山龍門寺(神奈川県秦野市)ぐらいのクオリティーが欲しいものです。

前回お示しした群馬県渋川市にある五徳山水澤寺の「亀乗り」護符は、妙見菩薩であろうと安易に考えて、今回は『仏像を訪ねて』を書こうと思っていました。

(『紙本著色千葉妙見大縁起絵巻』より)

しかし北辰(妙見)信仰は、星宿信仰に道教、密教、陰陽道が混交しており、日蓮宗との関係も含めて、とても表面を齧っただけで文章に出来るものではありません。

(奈良法輪寺の妙見菩薩像:こちらは恰好が良い「龍乗り」の立像です)

従って妙見菩薩については、しばらく勉強の時間を頂いてから書こうと思っています。

大変申し訳ございませんでした。

閑話休題、皆様のブログを拝読していますと、本年は秩父三十四観音霊場が12年に一度の午歳総開帳で大変賑わっているようです。

私と美月は角大師護符蒐集で熊谷に投宿した際、秩父鉄道のSLパレオエクスプレスと出逢ったことから、埼玉県では未踏である秩父に憧憬の念を抱いていました。

私の父母が毎年「秩父夜祭」へ出掛けていたことにも影響されていたのかもしれません。

2022年8月、未だ秩父三十四観音霊場はおろか日本百観音霊場も知らず、ただ角大師の護符が南石山常楽寺で授与頂けるらしいとの情報だけで秩父へ出掛けました。

往路は池袋駅から西武鉄道の特急ラビューに初めて乗りましたが、スイッチバックあり単線ありで快適な旅行気分を味わうことが出来ました。

西武秩父駅から徒歩で常楽寺へ向かって参詣した後、道すがらの秩父神社にも寄らず、秩父鉄道の秩父駅からSLパレオエクスプレスに乗って熊谷駅まで戻りました。

帰りのパレオでは私も美月も利き酒セットですっかり酩酊し、結局はラビューとパレオに乗っただけで、秩父の街を十分に満喫する遊行にはなりませんでした。

以来、秩父へ行く機会もなく、今考えると本当に勿体ない旅程だったと反省しています。

さて肝心の常楽寺に話を戻しますと、その寺院は天台宗でもないのに角大師グッズの宝庫だったのです。