高校生活スタート。 | 文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

高等支援学校3年生の娘と、高校1年生の息子の母です。
勉強にサッカーに大忙しの息子がR4.3月、13歳の時に
悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)と診断されました。
8ヶ月の入院治療を終えて、いまは外来で維持相の治療中です。

息子の高校生活が始まった。

 

肝機能障害で抗がん剤を中断して、体調は回復してきた。食欲はあまり無いが、朝起きられるようになってきた。

 

が、入学式の日。

 

午後からの式なので、朝具合が悪い息子でも大丈夫だろうと思っていた。高校に着いて玄関から入ろうとすると

 

「ちょっと待って。具合悪い…」息子がつぶやいた。立ち止まり深呼吸を繰り返す。確かに顔色が悪い。

 

「まだ時間あるから大丈夫。落ち着いてから入ろう。」声をかけて様子を見た。

 

そのうち、同じ中学から来た友人たちが集まってきた。幸い、何人か同じクラスになったようだ。話をしているうちに気が紛れたのか、しばらくしてから校内に入った。

 

式やホームルームは、まあなんとか無事にやり過ごしたようだった。

 

次の日、朝は自分で起きてきたけれど顔色が悪い。でも本人は黙々と学校の準備をしているし何も言ってこないので、とりあえず様子を見て送り出した。

 

そして今日。前日よりも顔色が悪い。様子を伺いながら、私も仕事に行くため一緒に家を出た。

 

「吐き気する…」と立ち止まり「抗がん剤やめても、大して体調変わんない気がする。」と息子。

 

「朝は自分で起きれるようになったよね。」と私。

 

「…緊張から来てるんだよね、この吐き気。」息子は言った。

 

「学校には病気のことや朝の体調が悪いことは説明してあるよ。保健室の先生にも話してあるし、遅刻しても大丈夫なんだよ。」

 

私が言うと、息子はうなづいて歩いて行った。今日は初めての実力テストなので、絶対に遅刻したり休みたくはないんだろう。吐き気が緊張からきていると自覚して口に出せたのは、一つ成長できたところかもしれない。

 

 

 

どうか吐き気が治まりますように、と祈った。これ以上つらい思いをしないで済みますように。どうか高校生活が順調にいきますように。

 

いつものことだけれど、親は無力だなあ…。