連休中は大会シーズン。夫と娘と一緒に応援に行った。
いろんなチームが集まる試合会場に家族で出かけるのは久しぶりだ。天気が良かったこともあって、大勢の人が応援にきていた。
息子はスタメンで出場した。ポジションはCB。本当はボランチがやりたいようだけれど、CBを出来る人が少ないらしい。クラブチームでも同じ事情でCBをやることが多かったなあ。
試合が始まり選手たちが走り出した。息子の姿は周りと比べて明らかに細い。相手のFWとのマッチアップで体を当てられ、何度も何度も転ばされた。
体の強さが自慢の息子だった。競り合えば必ず勝つ。自他共に認めていた。その息子が何度も転ぶ。そのたび起き上がり、ボールに向かっていく。また転ぶ。
その姿を見るのはつらかった。
でも、遠目で表情は分からないけれど、息子は楽しんでいる、と感じた。サッカーが出来る幸せを感じて転ぶことも楽しんで、今できる全力でプレーしていたんだと思う。
相手チームは強く、体力的に相当厳しかっただろうけどフル出場した(負けた)。
そして、たくさんの知人たちに声をかけられた。
「どうしてた?!」
「今どこのチーム?」
「息子くん、試合に出てるの?」
「心配してたんだよ!」
「噂には聞いてたんだけど…」
などと皆さんから口々に言われて、ちょっとびっくり。
話をまとめると、息子は「ある日突然地元サッカー界から姿を消した」扱いになっていたようだ。
小さい頃からからサッカーをしているので、他のチームのサッカー仲間や親御さんたちとも交流があった。でも病気のことを話したのは、同じチームの中でもほんの一握り。その人たちもあまり口外しなかったようなので、息子の不在は謎に包まれていたらしい。
「息子くん、サッカーを辞めるはずがないと思ってたんだけど試合に出てないしベンチにもいないし…ケガにしてはずいぶん長く姿を見かけないし、どうしたんだろうって思ってたんだよ~。」
大きな病気で長く入院をしていてクラブチームを辞めたこと、最近ようやく高校の部活で復帰したことを話すと、驚く人や涙を浮かべる人、反応は様々。でも、どの人もプレーする息子の姿を見て喜んでくれた。
サッカーで繋がったご縁は有り難いもの。息子自身はピンとこないだろうが、こうして周りから応援してもらえるのは本当に嬉しいことだと思った。
家に帰ってから確認してみると、息子は体中アザだらけ。そして右膝からはだらだらと出血が!ちょっと素人には手に負えない感じなので翌日病院に行くことに。
「白血球低いんだからさ、ケガして欲しくないんだけど。」
「仕方ないじゃん。サッカーやってんだから。」
以前のように体が強くなるには、まだまだ時間がかかりそう。それまではケガに備えて、救急用品を揃えておきましょうか。