広島大学演劇団卒業公演「あゆみ」 | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

昨夜、東広島市市民センターアザレアホールにて上演された広島大学演劇団卒業公演「あゆみ」を観劇。

 

 

 

劇団「ままごと」を主宰する劇作家兼演出家の柴幸男が2008年に発表した戯曲を舞台化したもの。広大演劇団は柴幸男の戯曲を結構舞台化しているようで、以前足を運んだ時は「妥協点P」を上演していた。

 

会場のフロア中央に白い敷物が敷かれたシンプルな舞台で、その両サイドに客席が設置された形であった。舞台上には白いテーブルみたいなものが置かれただけのシンプルさ。

 

タイトル通り、ある女性の最初の一歩から最後の一歩までの一生をひたすら歩くシーンだけで構成したもので、7人の演じ手達が老若男女から犬にいたるまで複数の役を演じていた。

 

秀逸だったのは、小道具として「あゆみ」に欠かせないモノを敢えて用いていたこと。読書するシーンや電話するシーンではサンダルを代わりに、雨のシーンでは靴べらを傘の代わりに、ドリンクを飲むシーンでは幼児用の長靴を代わりに、そして写真を撮るシーンではローファーをカメラの代わりに用いていてウマイなと思ったし、こういうのは個人的に好きだな。

 

確かに人生はひたすら歩んでいる。面白いことに歩みを止めると、人間っていうものは一気に老け込んで行くものだな。だからこの視点はかなり深いなと思った。

 

なお今日も11時と15時の2回上演されます。