52ヘルツのクジラたち | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

昨日、イオンシネマ広島で『52ヘルツのクジラたち』を観た。

 

 

 

同名小説を原作に、『ピュア』(1996)と『18/40』(2023)の龍居由佳里が脚色、『フライ,ダディ,フライ』(2005)と『ソロモンの偽証』(2015)の成島出監督が撮った作品である。

 

ネグレクト、モラルハラスメント、ドメスティックバイオレンス、トランスジェンダーといった社会問題となっていることが描かれていて、結構気が重くなるシーンはあった。

 

ヒロイン役を演じた杉咲花は殴られたり首絞められたりドリンクぶっかけられたりと受け身演技に徹していて、繊細な役柄を巧みに演じていたと思う。

 

でも杉咲花という女優の面白いところは、不思議と弱々しさを感じないのだ。その理由は目力にあると思う。

 

杉咲花は激高演技させても凄味があるんだけど、静かに真顔でも目に何処か鬼気迫る狂気が宿っているのだ。サイコ演技をする時大抵口を歪ませたりニタニタ笑いしたりと一々顔がうるさくなりがちなのだが、杉咲花はそんな小細工なしでも凄味が出せるのだ。特に杉咲花と西野七瀬の対峙シーン。心なしか西野七瀬が杉咲花にビビッているように見えた。

 

最近公開された『市子』(2023)は杉咲花の演技力に些かおんぶに抱っこ状態であったが、本作はキャスト達それぞれの好演が光っていた。中でも杉咲花に手を差し伸べたトランスジェンダーの青年役を演じた志尊淳が印象深かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近見た映画はこれ

 

Ameba映画部