天塩（てしお）川をカヌーで
川下りをするために東京から天塩に紘一と正樹がやって来ました。
天塩川の川下り
日本一の長い川どこだろう
１、信濃川
２、利根川
３、石狩川
４、天塩川
なぜか天塩川だけ知名度が低い
カヌーで楽しく川下りをした後のことです
道北の歴史を研究している紘一のおじさん、熊田先生の話
大正時代に、鴻之舞には金山があった
佐渡の金山と並び、一時は東洋一といわれた
大正６年（1917）の開山、
その鴻之舞金山は資源枯渇のため昭和４８年（1973）閉山になった。
だから５６年の歴史ということになる。
へ〜
その跡地は今どうなっているんですか？
さあどうなっているんだべか？
聞いたところによると今では住む人もなく
ゴーストタウンになっていると聞いているが・・・
写真があったな
これだ
すっげ〜っ
インスタグラム
仲良し三人の女の子の一人が事故で亡くなった
その一年後に撮った写真がこれ
後ろにいる子が亡くなった子
合成写真ではないことは肩に乗せた手でわかる
俺たちもこんな写真が撮れないかなと思っていた、
このタイミングで、ゴーストタウンの話だ！
鴻之舞に行ったら心霊写真が撮れるかもしれない。
よし、俺たちも鴻之舞に行ってみよう！
すると、熊田先生が八十士川（やそしかわ）の話をしてくれました。
鴻之舞鉱山で亡くなった人は慰霊碑がある。
しかし八十士川では川に入ったきり
戻ってこなかった者もいるとか
予定変更
八十士川に行こう
ようし、心霊写真を撮るぞう〜
二人はまず紋別に向かいました
やっと着いた紋別
向こうに見える建物はなんだあ
さあ？？？
そして八十士川に着き、川を登っていくと
あたりが急に暗くなったきた
すると
向こうから大きな声がする
だれだあ〜
なんとその声は
若いのいいところに来た
今、小屋を修理しているところだ手伝ってくれ
これから冬になる小屋をなおしておかないと大変なことになる
なんで俺たちはこんなことをしてるんだ？
そして夕暮れまで働き
できたあ〜
疲れた〜
おっ出来上がったな
ありがたい！
これでこの冬も安心して寝られる
でもおじさんじゃなかった
与作さんはいつからここ住んでいるんですか？
いつからってか？
そうだなあ〜
もうそうとう昔のことになる
内地で百姓をしていたが洪水が相次ぎ北海道開拓の話があった。
小作だった俺が北海道に行けば自分の畑が持てる
その時は新天地に希望を託した
それでサロマベツへ家族を連れて仲間と一緒に当沸村に向かった
内地からここに辿り着くまでの間、苦労の連続だった。
青函連絡船内で船火事にあった
入植地にたどりついても
その後の苦労は並大抵のものでなかった
気象条件は厳しく気温は氷点下の日が多い
子供が病気になっても薬もなかった、とうとう死んでしまった。
冷たくなった子供を埋葬するのは辛かった。
亡くなった娘の痩せ細った腕に涙が落ちた。
６月にやっと雪解け、自分の土地の開墾に励んだが
この極寒の地、芋やカボチャ、蕎麦しかできない
しかも収穫はごくわずか、冬を越せるかどうか・・・
芋、カボチャも子供達に腹いっぱい食べさせることもできない
これからどしたらいいんだ。
家族を抱えて不安がいっぱいだった
そこに北では砂金が取れるという話を聞いた
いてもたってもいられず
少しでも家族のためになればと思いここまでやってきた
もう昔話はこの辺でいいだろう
思い出すと辛い
君たちありがとう、もうすぐ暗くなるこの辺は熊も出る
冬眠前の熊は危険だはやく帰れ
どうだ、いい写真が撮れてるかあ
うん、撮れてる撮れてる
心霊写真は一つも撮れなかったけれどいい話を聞いてきた
それにあんなに感謝されたんだここに来てよかったな
おじさんこの写真を見せたらびっくりするだろうな！
天塩に戻っておじさんに写真を見せると
これはなんだあ？
え〜っ
こんな写真どこで撮った？！
どうなってるんだ？
ながながとお付き合いありがとうございました。
与作さんの話
調べてみると悲しい言い伝えがたくさんあります。
明治時代の開拓者は大変だったのですね。
まとまったらまた報告しますのでその時はまたお付き合いください。
きょうの料理
マグロとアボガドのタルタル
ご訪問ありがとうございました
文、料理；しらさぎさちこ
イラスト；しらさぎさやか
写真；しらさぎ二郎