美瑛 | しらさぎ二郎のブログ

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写真、しらさぎ家のお料理、マンガ。この分野を中心に楽しくてタメになるブログを目指します。

 

 

 

 

 

青い池

 

 

 

 

 

2016年の7月に美瑛に行きました。

旭川空港でレンタカーで1時間ほど

駐車場に車を止めて

白樺林の中を歩いて行くと見えてきました。

『青い池』

 

 

 

幻想的で美しい

 

 

この青い池の上流に白鬚の滝があります

 

 

 

十勝岳連峰の地下水が溶岩層の割れ目から広髭のように落ちて行く滝

落差はやく30メートル

滝の落ち込む美瑛川にコバルトブルーの流れを生み出します

私たちが宿泊した白金温泉の宿から歩いて行けます。

 

 

 

北海道のほぼ中央にある

十勝岳

 

 

 

 

 

 

大正15年(1926)

5月24日

十勝岳噴火

 

この噴火より溶岩が積雪を溶かして泥流となり、

美瑛川、富良野川に流れおち

人や家畜、田畑を飲み込みまた鉄道や橋を破壊しました。

死者・行方不明者合わせて144人

 

 

 

 

この時の十勝岳噴火は三浦綾子の

『泥流地帯』

に詳しく書かれています

 

 

福島県から入植した石村家

一家の大黒柱の父親を事故で亡くし

その後家族で一生懸命に働いて30年

それなのに

この泥流で祖父母も姉、妹も無惨な死を遂げました。

苦労して開墾した田畑が一瞬で

無惨にも泥流に飲み込まれてしまった。

 

 

この小説のさいごにいつまでも忘れられないのが

生き残った石村家の兄弟の会話です

 

耕作;なあ、兄ちゃん。

真面目に生きているものがどうしてこんな酷い目にあって死ぬんだべ

こんな惨たらしい死に方するなんて・・・

真面目に生きていても馬鹿くさい。

 

拓一;俺はな、耕作

あのまま泥流の中で俺が死んだとし

ても、馬鹿くさかったとは思わんぞ。

もう一度生まれ変わったとしても、俺はやっぱり真面目に生きるつもりだぞ。

 

 

 

死んだ、じっちゃんだって、ばっちゃんだって俺と同じ気持ちだべ

恐らく馬鹿くさいとは思わんべ

生まれ変わったら遊んで暮らそうとか、

生ま狡く暮らそうなどとは思わんべな。

 

耕作は黙って頷いた

  

 三浦綾子・泥流地帯より

 

 

 

自然はなんと酷いことをするのでしょうか。

内地から入植して

厳しい自然の中で家族で力を合わせて働き

大平原で畑を耕して30年

 

それが一瞬のうちに泥流に覆われてしまい何もかも流されてしまう。

人の命さえも

 

 

 

そんなあ、あんなに家族揃って開墾したのに・・・

 

 

 

 

    スタースタースター

 

 

昭和63年(1988)十勝岳が再び噴火

十勝岳の堆積物による火山泥流災害を防ぐため美瑛川本流に堤防が建設されました。

平成元年(1989)に着工されその半年後に完成

 

それからそこに溜まった水は池になり青くなって

いつしか『青い池』と呼ばれるようになりました。

 

 

 

この青い色はここで亡くなった人たちの

涙の色でしょうか。

 

 

 

 

 

『十勝岳爆発遭遇記念碑』

 

上富良野町

 

 

 

自然の力は恐ろしい

いつ、どこで私たちに牙を剥いてくるかわかりません。

 

 

 

 

それにしても

青い池は四季折々の変化で美しい姿を見せてくれます

秋の紅葉、新緑の季節

 

そして冬景色は素晴らしい!

 

映像でしか見たことがありません

いつの日か冬の美瑛に行ってみたいと思っています

 

 

 

 

きょうの料理

 

ラムロースト

 

 

 

 

ご訪問ありがとうございました

 

 

 

文、料理;しらさぎさちこ

イラスト;しらさぎさやか

写真;しらさぎ二郎