だいぶ前の話になりますが
北京から来た中国人の留学生に我が家で作った焼き豚を出した時、
焼豚は中国語で叉焼というのだと思い
チャーシューですと言ったらびっくりされてしまいました。
「これがチャーシューですか?」
え!
チャーシュー(叉焼)と焼豚は違うの?
早速調べてみました。
叉焼、中国語では叉焼肉と呼ばれています。
叉焼には串焼きという意味もあり中国では串に刺して作っています
叉焼は豚のブロック肉を調味液に漬け込んで専用の炉で焼き上げます。
本場中国では紅麹を使った紅糟という調味料を使い赤く仕上げています。
また日本の焼豚と違い八角などの香辛料がふんだんに使われています。
チャーシュー麺に使われているチャーシュー
実はチャーシューではなく煮豚が多いとか。
え!
チャーシュー麺でしょ!?
そう、そう思うでしょ
私もそうだと思っていました。
でもね
ほとんどのラーメン屋のチャーシューは
煮豚なんです。
ほんと???
煮豚とは中国の醬肉(ジャンロウ)と言う豚肉料理を日本風にアレンジしたもの
焼豚が漬け汁につけた肉の塊を凧糸で縛りフライパンで焼き色をつけてから
煮込むのに対して
煮豚は凧糸で縛った肉の塊を香辛料を入れて弱火でじっくり煮込みます。
若い人に人気のこのメニュー
以前は麺の上にチャーシューが数枚
最近では麺が見えないほどたっぷりとチャーシューがのってます
わっ
こんなに大きなチャーシューがたくさん!?
旭川ラーメン
「オシンコの森の熊さん」
(不思議な名前ですね)
これで驚かないでください
ネットで調べたら大阪のラーメン屋さんには
丼からはみ出すほどのチャーシューがありました
一体この構造はどうなっているのでしょうか。
チャーシューの中に麺が入っている!
どこから食べていいのやら。
食べる前に考え込んでしまいませんか
では焼豚はいつ頃から中国にあったのでしょうか?
昔々も大昔
人間がまだ生肉しか食べていなかった頃
中国の田舎で子豚を飼っていた納屋が焼けてしまい子豚も丸焼けになってしまいました。
家事の原因は子供の火遊びだったのですが
その子が煙の中から今まで嗅いだことがなかった匂いに気づき
この子豚に触れてみました
「アッチチッ」
思わずその指を口に持っていき焼けた豚の皮を食べると
「美味しい!」
この子が人類初めて焼き豚を食べたことになります。
父親が帰って来て納屋が焼けたことを知り子供を殴ろうとしましたが
その匂いに気づき同じようにお父さんも子豚に触りその指を口に持っていくと
「美味しい!」
こうして史上2番目に焼き豚を食べた人が誕生しました。
さらに3番目には裁判官と陪審員が焼豚の味に魅せられます。
なぜ裁判官と陪審員が登場するかというと
その家では子豚が生まれると納屋が火事になるので
不思議に思った近所の人が
ついに親子で豚の丸焼けを食べているところを目撃します。
生肉を食べるのが常識の世に、
焼けた豚を食べるという常軌を逸した行為が
裁判沙汰になったのです。
裁判官達は証拠として提出された丸焼けの豚に触れ
そして指を口に持っていきました。
その結果、満場一致で無罪の判決を下しました。
チャールズ・ラム著
『エリア随筆』より
チャーシュー、焼豚、煮豚???
じゃあ「チャーシュー麺」じゃなくて「煮豚麺」
なんかピンとこないな!?
チャーシューの入っていない
我が家のラーメンを紹介します。
今日のお料理
トリュフ
もうすぐバレンタインです
我が家のトリュフをどうぞ
大きさが不揃いなのもご愛嬌
ご訪問ありがとうございました
文・料理:しらさぎさちこ
イラスト:しらさぎさやか
写真:しらさぎ二郎