「ゲノム編集魚を使用しない」と明確に回答したのは、すしざんまい、魚民、平禄寿司の3社です(分かりやすいように社名ではなく店名を使用)。「現時点で使用する予定はないが、方針は決めていない」と回答したのは、回転寿しトリトンです。使用しない理由について、すしざんまいは「安全性に疑問があるから」「消費者が不安を持たないか懸念があるから」、魚民と平禄寿司と回転寿しトリトンは「消費者が不安を持たないか懸念があるから」と回答しました。

リージョナルフィッシュ社等とゲノム編集魚の共同開発を発表したスシローの親会社の回答は、「現時点では明確な方針を定めていないので回答を差し控える」でした。共同開発するゲノム編集魚のグループ内での活用や外部への販売を検討するという報道もあったため、改めて確認したところ、「今後リージョナルフィッシュ社等との共同研究を進めていく予定で、その旨広報させていただいております。なお、現状は『共同研究を開始する』という段階のため、従前にご質問いただきました点に関して明確な方針は定めていないという状況でございます」という全く説明になっていない回答がありました。

にぎりの徳兵衛、はま寿司、さくら水産、かっぱ寿司からは、「回答しない」という回答がありました。期限までに回答のなかった企業に対しては、電話で改めて回答をお願いしましたが、くら寿司、すし銚子丸、魚べい、がってん寿司、磯丸水産、庄や、丼丸、笹互からは何の回答もありませんでした

ゲノム編集魚を含めゲノム編集食品は食べものとしての安全性がきちんと確認されていません

今回の回答を参考にしていただき、「ゲノム編集魚を使わないと明確に答えない寿司チェーン店や海鮮居酒屋チェーン店では、お寿司も魚も食べられない」と声をあげてください

消費者の声でゲノム編集魚の流通を阻止しましょう。


「ゲノム」とは、生物をかたち作る「設計図」のようなもの。この設計図はDNAからできており、その中に遺伝情報が書き込まれています。そして、親から子へ、そのまた子どもへ、といったように同じ種の間に受け継がれていくのです。


「ゲノム編集」とは、意図的に遺伝子を変化させること。これを植物・生物に用いたものが「ゲノム編集食品」と呼ばれます。人工酵素が特定の遺伝子を切り取ることで、狙った通りの「突然変異」が引き起こされ、もとある性質がなくなったり、育ちやすさや栄養価がより強化されたりします。

ゲノム編集は、人工酵素によって自然界で起こる「突然変異」を意図的に生み出す技術だということです。


ゲノム編集魚二種類が厚労省で受理され、販売可能になった。

厚労省が2021年9月と10月に相次いで受理したゲノム編集のマダイとトラフグは京都大学発のベンチャー企業、リージョナルフィッシュが開発したもの。

人為的にDNAを切断する行為は、思いがけない変異をその生物体に引き起こし、食べたあとに何が起こるかは予断できないと安全性に懸念を示す研究者も少なくない。


マダイとトラフグ。動物のゲノム編集食品の商品化は世界初で、日本が実験場ということになる。