泳ぎ続けるマグロ -16ページ目

平成22年度 出題趣旨発表(公法系)

気になった部分の出題趣旨について抜き出してみた。


<公法系>

第1問

●自治体による別異の取扱いに関しては,それを合憲とした先例(最大判昭和33年10月15日)があるが,その先例と本問の事案とは異なることを踏まえて検討する必要がある。


●「やむを得ない事由」の有無を,事案の内容に即して個別的・具体的に検討することが求められる。


●また,選挙権を行使できなかったことに基づく国家賠償請求についても,上記判決が示す要件を踏まえつつ,事案に即した具体的検討をすることが求められる。


●本問では,原告側,被告側,そして「あなた自身」と,三つの立場での見解を展開することが求められる。その際,三つの立場を答案構成上の都合から余りに戦略的に展開することは,適切ではない。三つの立場それぞれが,判例の動向及び主要な学説を正確に理解していることを前提としている。その上で,判断枠組みに関する検討,そして事案の内容に即した個別的・具体的検討を行うことが求められる。(→単に、原告、被告側に有利なことを何でもでっち挙げればよいのではなく、判例、学説で言われていることから選択して主張しろということか。とにかく両極端なことを主張させればいいというものではないということか。)


●原告側は一定の筋の通った主張を,十分に行う必要がある。,「被告側の反論を想定しつつ」検討することが求められている。「想定」される反論を書くパートでは,反論の憲法上のポイントだけを挙げればよい。そこでは,反論の内容を詳細に書く必要はない。反論の詳細な内容は,「あなた自身の見解」のパートで書けばよい。
そこでは,原告・被告双方の主張内容を十分に検討した上で,「あなた自身」の結論及びその理由を書くことが求められる。いずれにしても,問われるのは理由の説得力である。(→非常に重要な指摘である気がする)


第2問

●基本的な考え方を,条文や与えられた判決から読み取り,事案に即した具体的な解釈論として展開する力を試すものである。


●具体的な事案に即して住民訴訟を利用することができるのか,基礎的な理解を確認することに主眼を置いている。住民訴訟にかかわる細かな解釈を要求する趣旨では決してなく,現在数多く提起されている住民訴訟制度の基本について,理解を問うものである。


●随意契約を用いたことの適法性について検討する際には,地方自治法上,競争入札が要求されている趣旨に言及することや,随意契約が例外とされる趣旨を前提として解釈を行うことが求められる。


●本件事案に即した解答者の判断を問うものである。議会議決の適法性に関する解釈は,詳細な理由付けとともに行われる必要がある。


●こうした出題の趣旨を十分に理解して受験者が実力を発揮できるよう配慮して,本年は各設問の配点割合を明示することとした。



最新合格体験記

最新合格者メモ


●私自身,今に至っても理想の答案というものがどういったものなのかわかりませんが,さしあたり,事例の中から法律的に問題になるところを,なぜ問題になるのかということと合わせて指摘でき,その問題点について条文を挙げ,理由を示すなどして適切な規範を立てたうえで,規範と事実とがしっかりリンクしたあてはめをしているものが良い答案といえるのではないでしょうか。問題点ごとの軽重についてメリハリをつける必要があることは,言うまでもありません。



●過去問,出題の趣旨,採点雑感,ヒアリングを,愛おしいと感じるくらいに読みました。出題の趣旨等には重要と思えるところにマーカーを引き,自分の手でまとめました。出題の趣旨は旧司時代から発表されましたが,法曹を目指す者に勉強の指針を示したい,という法務省からのメッセージでしょう。
 分析の結果,私は未知の問題に対し自分の頭で考えた,自分にしか書けないところに大きな配点がある,というイメージをつかみました。問われているのは個々の問題の知識ではなく,法体系の理解と,自分が理解していることを示せる表現力です。


●自分が本当に理解していることでなければ表現できない。


●自分が作った法体系でどんなアプローチをすればいいのか楽しみ,という心境でした。私にはきっと良いことが起こるに違いない,と確信していました。良い思いこみは良い現実を呼び起こす原動力。


●かなり時間をかけて慎重に各教科やることを厳選して,常に今やっている勉強が自分のどこをきたえるためにどう役立っているか意識するようにしていました。


●自分のことを何も知らない人に,さらっと一読して意味がわからないと思う文章を指摘してもらえる,という点で添削は大いに意義があると思っています。実際司法試験も,自分のことなど何も知らない人が膨大な数の論文を読んでいる中で評価する訳なので,この点でとても有意義だと思います。


今年の合格体験記で気になった文章です。私も来年の今頃には、役に立てるような合格体験記が書きたいと心から思います。

スコアリング能力の向上

 先日、Wセミナーの無料トライアル模試(憲法)を受けてきた。内容は最新判例がほぼそのままであり、問題内容としてはそのまま本試験に通用するものではないと感じた。しかし、採点基準を見て思ったのは、憲法の答案は特に配点事項を意識して答案を書くべきであるということ。なぜなら、憲法は意識をしないと自由作文に陥る可能性があり、自分の言いたいことだけを厚く書いてしまう危険性があるからだ。セミナーの採点基準が本試験のものと同じであるとは思わないが、予備校が憲法の問題を点数化するために知恵を絞った採点表が全く本試験と異なるとは思えない。本試験も客観的な基準に基づき、公平に採点する必要性があることには変わりがないからである。


 スコアリング能力の一つとして思ったのは、理由づけ、あてはめにおいては、異なる観点、アプローチから複数書くこと、その複数の視点の厚さを考えることの重要性である。当たり前のことではあるが、実際に答案を書いてみると、白紙を埋めたいがために、自分の書ける視点からの理由づけ、あてはめばかりを書いてしまっていることに気付いた。


 また、このように複数の視点をしっかりと分けて書くことで採点がしやすくなり、その結果点数も高くなると思う。


 採点官が採点しやすい形式で答案を書くこと、採点官が読みやすい字の大きさ、丁寧さで書くこと等、常に採点官を意識した答案を書くことをこれからはもっと強く心に刻もう。