タイミングを間違った緊急事態宣言発令 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 新型コロナウイルスの感染が爆発的に再拡大し、最悪の年の初めとなった。東京都の感染者は、1月7日に2447人、8日に2392人と多く、医療崩壊が迫っている。

 1月7日に、菅首相は緊急事態宣言を発令したが、遅すぎた。

 11月25日、西村大臣は「勝負の3週間」と言ったが、3週間後の12月16日になってみると、感染は増え続けており、まさにウイルスに完敗したのである。

 すると、今度は12月22日に尾崎都医師会長が「真剣勝負の3週間」と述べた。それから2週間が経ったが、敗北したままである。

 この流れを見ると、緊急事態宣言を発令するなら12月中旬に実行すべきだったと言うことができよう。少なくとも、さらに強力な規制措置が必要だったはずである。

 そして、今度は、菅首相が「勝負の1ヶ月」と言う。

 緊急事態宣言の内容であるが、期間は1月8日から2月7日までの1ヶ月間で、対象地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県。住民に午後8時以降の不要不急の外出の自粛を要請し、テレワークなどで出勤を7割削減する。

 対象業界は飲食店で、午後8時までの営業、酒類の提供は午後7時までとする。協力金の上限を1日最大6万円とし、要請に応じないと店名を公表する。

 また、劇場、遊園地などは午後8時までの営業とする。さらに、大規模イベントは入場者を収容人数の50%を上限に最大5千人とする。

 学校には休校措置を求めない。

 しかし、飲食店のみに時短を要請しただけで、感染は終息するのであろうか。

 8日から緊急事態宣言発令下での生活となったが、春の最初の緊急事態宣言のときのような緊張感はない。それは、新型コロナウイルスの特性、感染したときの症状、治療法などが明らかになっており、ワクチンも開発され、接種も始まったことが安心材料になっているからである。

 日本は、医師数、病床数など世界に誇る医療資源を持ちながら、コロナの感染拡大でそれが逼迫している。資源の最適配分、資源の集中投下に失敗しているからである。中国は、プレハブで一大コロナ専用病院を作り、感染者の急増に対応した。重症者に対応するために、日本ももっとコロナ専用病院を整備すべきである。

 今回の新型コロナウイルスの最も厄介な点は、無症状者が感染させるという点である。これが感染経路不明の市中感染を増やしているのである。無症状の陽性者を見つけるにはPCR検査を徹底するしかない。

 日本では、「まぐれ」で感染者や死者数が少ないのに油断して、必要な対策を怠ってきた。全てが後手後手で場当たり的である。

 緊急事態宣言の発令を求めた小池都知事は、政府に責任転嫁して、自分の責任は棚上げしている。今やるべきは、PCR検査の拡充とコロナに医療資源を集中する病院や施設の整備である。

 政府と東京都の無策のツケが今回の緊急事態宣言である。