『東京終了』・・なぜ、私はこの本を書いたか。 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 『東京終了』という本を上梓した。それは、パフォーマンスとデマゴギーの小池都政がこのまま続くと、「東京は終わる」という危機感を持ったからです。

 小池知事は、就任するや否や豊洲の中央卸売市場、五輪競技施設などを壊しにかかりましたが、それこそ中身のない大衆扇動にすぎず、都民の貴重な時間とお金を浪費したのみでした。そして、結局は、私が遂行した所期の計画に落ち着かざるをえなかったのです。

 その後も小池都政下で、都市計画をはじめ、東京を世界一にするために私が始めた諸施策が次々と棚上げにされてしまいました。呆然とするとともに、怒りの念すらこみ上げてきました。しかし、マスコミはなぜか小池批判を避けてきました。

 ところが、予期せぬ出来事が起こりました。それは、新型コロナウイルスでの発生です。あっという間に世界中に感染が拡大し、パフォーマンスのみで実質を伴わない空虚な小池都政を直撃したのです。

 私は、厚生労働大臣として、2009年に流行した新型インフルエンザに全力をあげて対応した経験があります。試行錯誤の連続でしたが、厚労大臣に政府の権限を集中させることによって、感染拡大を迅速に抑え、早期に収束させることに成功しました。

 そのときの経験を念頭に、政府や東京都のコロナ対策を毎日細かく点検しましたが、多くの問題点が浮かび上がってきました。私は、公の世界に出ることも、マスコミに登場することもほとんど無い生活をしていましたが、余りの惨状に黙って見ているわけにはいきませんでした。感染症の危機管理を行った厚労大臣として、間違った対応を変えるために発言すべきだと決意したのです。

 ツイッターやブログやYouTubeなどのSNSを使って、感染症対策の原則や2009年のパンデミックについて広く国民に知らせました。

 2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会も、コロナの影響で延期になりました。都知事のときに、開催都市の首長として、私はIOCと何度も難しい交渉を行いましたが、大会の準備についても、前都知事として何らかのアドバイスができるのではないかと思いました。

 2021年にオリンピック・パラリンピック大会を開催できるかどうかは、世界におけるコロナ感染状況次第です。また、ワクチンの開発も大きな決定要因となります。新型インフルエンザ感染のときには、海外からワクチンを輸入して多くの国民が接種できるような態勢を整えましたが、そのような経験も大会開催に役立てられると考えたのです。

 厚労大臣と東京都知事の両方を務めた政治家は私しかいませんので、その経験を活かし、東京で素晴らしいオリンピック・パラリンピック大会を開催するお手伝いができればと思い、そのためにも小池都政の問題点は指摘すべきだと再認識しました。

 東京を沈没させてはなりません。今のような空虚な小池都政が続くようでは、残念ながら最悪の事態にすらなることを覚悟しておく必要があります。東京を救うために、ぜひ本書をお読み下さい。