虚像の作り方:小池百合子と舛添要一の30年前の「共演」、外国語の学び方 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 今年になって、私は『舛添要一 スマホ時代の6カ国語学習法!』(たちばな出版)という本を出版した。外国語の学習に苦労した体験を基にして、外国語が上達するための秘訣を私なりに書いてみた。

 その本を執筆する際に、若い頃の資料を漁ったが、現代新書編集部編『外国語をどう学んだか』(講談社現代新書、1992年)という本が出てきた。外国語が上手い(と世間に思われている)人たちの体験談がまとめられている。英独仏露西伊という私が学んだ6カ国語に加え、中国語、アラビア語、タイ語、朝鮮語、日本語(これは外国人執筆者)が対象である。

 私はフランス語、小池百合子氏はアラビア語である。同じ本の中で、偶然にも「共演」していたわけである。フランス語は、私の他は、鹿島茂、辻静雄、奥本大三郎という私など到底及ばない仏語の大家である。

 アラビア語は、小池氏の他は考古学者の吉村作治氏である。小池氏は「19歳の夢はカイロ大学」というタイトルで文章を書いているが、経歴欄にはエジプト国立カイロ大学社会学科卒業、そしてアラビア語講師とある。

 彼女の学歴詐称が話題になっているが、この文章や経歴を見れば、彼女がアラビア語の大家だと誰もが信じてしまう。この文章が書かれた10年前に、彼女は『振り袖、ピラミッドを登る』という本を書き、カイロ大学首席卒業というセールスポイントで名声を博している。

 その頃に、私は学歴について、彼女に嘘をつかれている。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60987

 それから10年、この嘘とともに「カイロ大学首席卒業」という虚像を世間に流し、それを立身出世の役立てたのである。「19歳の夢はカイロ大学」という文章の中には、「5年後、カイロ大学を卒業」(210ページ)と記されている。つまり1977年に卒業したはずだが、1976年に発行されたとする「卒業証書」を公開している。

 どこまでが嘘でどこまでが本当なのか、皆目分からない。